製品情報
YAMAHA
RX-V473
¥50,000(税抜)
AirPlay対応の5.1chエントリーAVアンプ
【SPEC】 ●HDMI:入力×4/出力×1 ●音声入力:RCA×3/ステレオミニ×1/光デジタル×2/同軸デジタル×2/USB×1/ネットワーク×1 ●映像入力:コンポーネント×2/D4 ビデオ×1/コンポジット×5 ●音声出力:5ch(フロントL/R、センター、サラウンドL/R)/サブウーファーOUT×1/AUDIO OUT×2(AV OUT、AUDIO OUT)/ヘッドホン×1 ●外形寸法:435W×151H×315Dmm ●質量:8.1kg
※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。
先日、4万円台のエントリーAVアンプ「RX-V373」を発売したばかりのヤマハから、エントリークラスをさらに充実させる2モデル「RX-V473」「RX-V573」が登場した(関連ニュース)。両機種とも基本部分は共通なので、併せて紹介しよう。下位モデルRX-V373に対し、ネットワーク対応によって3つの大きなアドバンテージを得ている。
■ネットワーク機能搭載/AirPlay対応 − スマホ/タブレット連携強化
1つめはDLNA準拠のネットワーク再生機能。NASなどに保存してある音楽ファイルを、スマートフォンのアプリなどから操作して再生できる。その際には、FLAC形式で最大96kHz/24bitの音源に対応。エントリー機にしていわゆるハイレゾ環境を構築できる。
2つめはAirPlay。iPhoneやiPadなどのApple製品から簡単に利用できる、ネットワーク経由のワイヤレス再生機能だ。実はAirPlayへの対応は、ヤマハ製品においてこの2機種が初となる。iPhone等のユーザーへの強いアピールになるだろう。
3つめはiOS/Android OS向けの専用アプリ「AV CONTROLLER」からの基本操作が行える点だ。このアプリでは、非常に整理された画面でのタッチ操作を提供している。
最新バージョンでは、iPadなどのタブレットにもUIが最適化され、広い画面を活かして操作性をさらに向上させている。一方で、AVアンプ本体ではこのアプリからの操作を前提として、テレビに映し出すオンスクリーンメニューは簡略化された。実際に使用してみると、このアプリの出来映えは高く、オンスクリーンメニューのリモコン操作でなくともわかりやすく操作が行える。
■RX-V373と共通の新機能
RX-V373と共通の要素としては、まず「SCENE」機能を備える。本体フロントやリモコン、アプリに「BD/DVD」「TV」「NET」「RADIO」の4ボタンが装備されており、接続機器それぞれに対する音場モードなどの設定がプリセットされている。
例えば「BD/DVD」を押せば一発で、自動でテレビの電源が入り、外部入力はレコーダーを接続しているHDMIに変更され、アンプの音場モードも選択されるという便利な機能だ。プリセット内容は任意で変更可能なので、巧く使いこなしたい。
そして低消費電力設計もRX-V373と共通だ。待機時消費電力を抑えているほか、新機能「ECOモード」を有効にすることで、使用時の消費電力を同モードOFF時と比べて約20%も削減できる。
■「RX-V473」と「RX-V573」の音質は? 2機種まとめてチェック!
最後に、RX-V473とRX-V573の違いだが、まず前者が5.1ch機で後者は7.1ch機となる。それに伴いRX-V573のみ、メインの5.1chの他にもう一組の2chスピーカーに同時に音声を出力できる「Zone B」機能、フロントスピーカーを左右各2chのアンプで駆動する「フロントバイアンプ」機能に対応する。
さて音だが、まずは共通の印象から述べよう。
『ロスト・ワールド』のティラノサウルスの唸り声は、骨太で張りのある声でゴロゴロと深く響き、その大きさと怖さがしっかりと表現されている。雨に打たれるトレーラーハウスの扉が開いた瞬間には、雨音や気配が大きく広がり、音場の密閉感と開放感の対比も再現される。スコアも厚みのある音色で、大作映画らしいスケール感をさらに高めている。
また、音楽再生にも力を発揮。音調はややウォームな印象だ。ベースやドラムスなど低音を引き締めすぎていないために、リラックスしたグルーブ感が生まれている。女性ボーカルの適度にふくよかでダイナミックな歌いっぷりも好印象だ。
それをベースに、RX-V573の方が中低音の明確さに多少優れる。台詞や唸り声、トレーラーハウスの軋みがよりクリアだ。しかしそれほど大きな差ではないので、両機の選び分けはch数や機能面で行って良いだろう。
2モデルとも、ネットワーク機能の充実を筆頭に、エントリークラスのコストパフォーマンスを一気に高めた新製品である。
(text:高橋敦)
- 取り扱い:ヤマハ(株)