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AVR-1713

DENON
AVR-1713

¥53,000(税抜)

発売:2012年5月中旬
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AirPlayやネットワーク音楽再生機能を搭載した5.1chエントリー機

【SPEC】●定格出力:80W×5ch(8Ω) ●実用最大出力:135W×5ch(6Ω) ●周波数特性:10Hz〜100kHz ●HDMI:入力5、出力1 ●映像入出力:アナログ映像入力×2、アナログ映像モニター出力×1 ●音声入出力:アナログ音声入力×2、光デジタル入力×2、SWプリアウト×1、ヘッドホン出力×1 ●その他入出力端子:イーサーネット×1、iPod/USB端子×1 など ●消費電力:500W ●外形寸法:434W×151H×329Dmm ●質量:8.3kg

※原則として製品発表時のデータを掲載していますので、内容・価格は変更されている場合があります。また、この製品データベースには生産・販売を休止したモデルの情報も含まれています。

テストレポート

AirPlayなどネットワーク再生機能も搭載したエントリーモデル

エントリークラスのAVアンプが大充実しそうな今春、デノンからも魅力的な2モデルが登場する。7.1chの「AVR-2113」と5.1chの「AVR-1713」だ。多くの共通する特長と、それぞれに異なってくるポイントを詳しく紹介していこう。

両機共通の大きな進歩はネットワーク音楽再生機能を強化したことだ。幅広い再生ソースと優れた操作性を得ている。各社の今期エントリー機に共通する特長であるが、デノンもその流れを逃していない。

再生ソースとしてはまずAirPlayに対応。iPhoneやiPad、iTunesから再生機器としてアンプを選択するだけで、音楽をアンプにプッシュして再生できる。Apple製品のユーザーならすぐに使いこなせる、魅力的な機能だ。ふたつめはDLNA準拠のネットワーク再生。FLAC形式、96kHz/24bit対応なので、ハイレゾ配信の音源も楽しめる。操作はオンスクリーンメニューとリモコンからも行えるし、DLNAコントローラー機能を持ったスマホアプリからも行える。動作の安定性は前者が優位、使い勝手は後者がまさにスマート。場合に応じてどちらも使えばよいだろう。

なお、夏に予定のファームウェアアップデートで192kHz/24bitのWAV/FLAC再生、ギャップレス再生、Appleロスレス対応などが予定されており、ネットワーク再生環境としての魅力はさらに高まる。

ネットワーク対応は操作性の面にも貢献している。スマホアプリ「Denon Remote App」は、アンプの機能を整理して手元に表示し、タッチ操作環境を提供。最新版の「Ver.3.0」ではインターフェースを刷新し、操作性をさらに向上。iOS版に加えてAndroid版も登場し、より多くのユーザーがその恩恵を受けられる。

他の面も見ていこう。入出力端子が大幅に絞り込まれたこともむしろ特長だ。背面パネルがすっきりしていて、配線も手軽に行える。HDMI入力はAVR-1713が5系統、AVR-2113が6系統と十分に用意。HDMI端子は前面にも用意され、スマホやビデオカメラの接続がよりスムーズに行える。本体の奥行は329mmにまでサイズを短縮。テレビの奥行に合わせたラックにも収まる。

自動音場補正「Audyssey MultEQ XT」の実施時など、オンスクリーンメニューのフォントはAVR-2113の方が格段に綺麗で読みやすい。オンスクリーン周りでは、設置・設定の手順を画面で逐一案内してくれる「セットアップアシスタント」機能や、再生中の映像にメニュー画面を重ねて映せるオーバーレイ表示も、両機共通の特長だ。

映像系ではAVR-2113のみ、4Kアップスケーリングと、4K信号パススルーが可能。将来4K導入を視野に入れている方はAVR-2113を選んでおくべきだろう。

アンプとしての心臓部には、チャンネル数こそ違えど共通の高音質思想を実装している。信号経路のシンプル&ストレート化を徹底するミニマムシグナルパス設計。全ch同一パワー&同一レスポンスのフルディスクリートパワーアンプ。振動を巧く処理するダイレクトメカニカルグラウンド構造も採用されている。

対してAVR-1713であるが、おおよその印象はAVR-2113と共通する。ただやはり、こちらは5.1ch構成となることも含めて、微妙な差異は生まれている。

「ロスト・ワールド」ではまず、雨音など背景の効果音が少しだけ大柄に感じられる。やや太めのタッチでぐいっと描き出されるようだ。ティラノサウルスの唸り声の骨太さ、硬質さはこちらでも健在。加えてその響きが、こちらも少し大柄に描き出される。低音のがっしりとした引き締めが少しだけ緩み、音像が膨らむようだ。ただ、こちらの適度な手綱の緩め具合を好む方もいるだろう。シンプルにわかりやすい迫力を演出している。

効果音が派手な作品と合うように感じたので、続いては「エンジェルウォーズ」を試聴。ガトリングガンが火を噴き、日本刀と長刀が振り回されるサラウンドはやはり大迫力。やや大柄の音像が十分なキレで音場を駆け回る。狙い通りの好感触だ。

音楽再生でも、AVR-2113に対しては少し緩めた印象。特にドラムスの音が太く、全体の重心を下げ、厚みを増している。

ネットワークを中心に機能面での大きな進歩を見せつつ、端子の整理や奥行の短縮も実現。音質面もさすがに堅実な仕上がりを見せる。エントリークラスのAVアンプは新たな段階に入ったと感じさせる新製品である。

(text:高橋 敦)