「エッ、あの人もホームシアターをやっていた!?」

映画を愛し、映画を叱咤す

担当編集者からの裏話

編集長と川村カメラマンと、私ページ担当が、ドキドキしながら訪ねると、赤塚さんは水割りを片手に出迎えてくれました。入院していらしたのを、取材日4日前くらいに退院されたばかりでしたが、顔色もよく、お元気でした。我々はずっと緊張していました。やはり天才が前におられるのですから。とくに編集長は、心から赤塚先生のファンだったので愛をもって接していました。しかしその愛が表出しすぎたのか、眼光が強すぎて、赤塚先生は少しびっくりされたようです。詳しくは本誌をお読みください。赤塚先生は少しびっくりされたようではありますが、それでも我々にやさしく、「オマエも飲むか」などと水割りを勧めてくれたり、映画についての詳しいお話のみならず、いろいろなディスクを見せてくれたり、“美空ひばりコーナー”を見せてくれたりしました。語り口は熱く、指をさしつつ、「こうなんだよ」と主張する赤塚先生は、やはり言葉の端々にギャグが散りばめられ、我々はうれしかったです。編集長も、鈴木清順の『けんかえれじぃ』を観てないことや、ジェリー・ルイスの『底抜け艦隊』をスクリーンで観ていなかったことで怒られましたが、そのことが、いい思い出になったようです。それにしても、奥様やお嬢さんにもお会いできて、皆魅力的な方々だったことも忘れられません。私ページ担当の印象では、赤塚先生は、バカボンのパパのような方でした。取材を終えて、編集長と川村カメラマンと私は、「こんなインタビューは初めてだったなあ」と感慨に耽り帰途についたのでした。