特集3

ホームシアターの音をよくするルームチューン

Part1は吉田伊織氏による調音クリニック。調音とはいったいどんなことをするのか、ユーザー村上さんのお宅の調音クリニックの具体をもとに解説したのです。吉田伊織さんはいろいろなユーザーのお宅を訪ねておられますが、一風変わったアイデアを持ち出すので、いつも驚かされます。今回は「足ふきマットはある? 布団でもいいんだけど」とおっしゃられまして、それを丸めてサブウーファーの手前に置きました。見た目は、その家の奥様に評判の悪そうな形になりましたが、音質的にはアップ。その後、手持ちの水晶を鞄から持ち出して、あちこちに置き始めました。「山梨の土産物屋で買ったんだ」とその調音効果をみせてくださいました。「水晶の効果は理論的にはどう説明すればよいのですか」と編集担当は少し心配に…。音質というのは、厳密に説明しようとすると、かなり迷宮入りですよね。その辺りのニュアンスも、本誌をお読みになってお確かめください。

Part3はユーザーによる、お金をかけない調音の工夫。「金持ち階級の特権と思われがちなホームシアターは、ちょっとした知恵でそれほどお金がかからなくできますよ」と、誌面で申し上げてきましたが、本特集ほどそのことを感じたことはございませんでした。卵のケース、トイレットペーパー、カーペットなどを代用することで、各ユーザーがご満足できる調音に成功したわけですから。ヘルムホルツ共鳴原理を駆使して、自作された方も。皆様も、身の回りにあるものを工夫して置くことから、調音を始めてみては?