巻頭言 燃えあがる、年末商戦 / 和田光征 WADA KOHSEI 話題の新製品が連日発表され、年末商戦の高まりを予感させてくれます。 とりわけ新・三種の神器であるPDP、デジタルカメラ、そしてDVDレコーダーの商品量は圧倒的で、成長期を驀進中というところでしょう。 先行メーカーは大量のラインナップを揃え、まさに先手必勝の布陣で、自社の強い部分をさらに強くという戦略が印象的です。なかでもパナソニックは新しいコンセプトを次々投入するなど垂直回復にさらなる弾みをつけ一歩リードという感を強くしますし、パイオニアもPDP、DVDレコーダーでは力作揃いで自社の特性をさらに強化し独走態勢を構築しています。日立、ビクター、シャープ、三洋電機、富士通ゼネラル、東芝等も力強い布陣で強力な意欲を感じます。 さて、昨年のこの頃と、今年が違うのはソニーの存在でしょう。昨年のソニーは目を覆うばかりの状態であったと思います。加えてオープンプライス、保証金の件や、成長商品がないなどという苦しい状態がありました。ITバブルの崩壊等諸々、ソニーを直撃したのでした。 4月宮下体制がスタート、様相は一変していきます。負の部分のプラスへの転換、例えばPDPやLCDの自前のパネルがないということも、ベガエンジン搭載でラインナップを揃えました。 SONYブランドはまさに地下にマグマとしてあって、そこに商品という噴火口を造ることによって、ブランド力が地上に噴出してきて、一気にイメージ化する、そんな感じがします。 強い商品の連打は強いブランドイメージによって、ユーザーを捉え始めている、それが昨年と今年の大きな違いのように思えます。 年末商戦はソニーの登場によって、役者が出揃ったといえます。真の戦いが始まったといっても過言ではありません。競争は激化していくでしょうが、間違いのないことは市場が活性化するということです。 この年末、注目すべきはカジュアルスクリーン革命が起こりつつあるということです。松下電器副社長の戸田さんが「プロジェクターは第四のディスプレイ」と定義されました。まったくその通りだと思います。その思想に火をつけるもととなったのがTH―AE100によるカジュアルシアターでした。そこを起点にカジュアルシアターが動き出したといえるでしょう。まさに革命でした。 私たちは、CRT、LCD、PDPそしてプロジェクターによってスクリーンに映し出された画もディスプレイであると認識し、カジュアルスクリーン、セットスクリーンという考え方を提案しました。とりわけカジュアルシアターを巻き込んだカジュアルスクリーン革命を起こし、手薄の団塊ジュニア層を中心とした層を取り込もうと訴えました。 エプソンから発表されたEMP―TW10はまさにその思想を持った商品だと思います。このことによってサウンドシステムメーカーが活性化されるはずです。カジュアルスクリーン以外は富裕層・余裕層の商品であり、故にカジュアルスクリーンが普及することによって完全なるホームシアターブームが起こると確信しています。 年末商戦から目が離せません。
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