巻頭言
まず四つの原則として「鮮度管理」「品ぞろえ」「フレンドリーサービス」「クリンリネス(清潔)」を挙げ、繰り返し繰り返し訴えるように述べられています。 四つの原則がいささかでもおろそかになれば、その店は衰退していく、なぜならばストアロイヤルティ、ストアイメージが変質していくからです。 ストアロイヤルティとは信頼性、親近感、期待感、満足度であり、そのことがストアイメージを創り上げていく、故に四つの原則の厳守は店舗の存続に関わるのです。 家電流通に置き換えてみても、四つの原則がその通り当てはまることが分かります。 「鮮度管理」については何と言っても新製品への対応でしょう。新製品をいかに他店より早く店頭に並べるか、そのことは収益性を高める要素でもあります。従って商品の供給者であるメーカーとの関係もフレンドリーでなければなりません。商品の企画段階から情報を共有することが大切ですし、仕入れたものを売り切る、返品しないという原則が重要になってきます。そのことによってメーカーとの信頼関係も強化され、真っ先に主力商品を供給してくれるのです。 いかに鮮度のあるうちに売り切るか、鮮度の期限をどこに設定するか、そして鮮度切れ商品を素早く処分するかが大きなポイントになります。「品ぞろえ」においても「鮮度管理」が重要です。お客様がお求めになりたいものをお客様本位で品ぞろえし、鮮度のあるうちにお渡しすることの徹底さが大切です。 そのためにも「フレンドリーサービス」が重要であり、原則です。お客様は購買行動を起こすまでの心理行動があって、その時に購入店がごく自然に決定しているか否かは極めて重要です。やはり「フレンドリーサービス」を徹底している店へ、行くことになるでしょう。 「クリンリネス(清潔)」は当然のことです。店の階段の隅に綿埃などがあるとゾッとするものです。商品の上が白く汚れていたりする店には行きたくありません。お客様は意識的に、また無意識的に店を判断しているのです。 そして、「怦タく揩求めるのは商売の本来のあり方が理解できていないからだ」と厳しく戒めていました。「売れ筋商品」に対する「死に筋商品」の認識、死に筋商品を排除して売れ筋商品を入れる。そのためには単品管理という基本をこまめに実践し、経費についてもコントロールすることが重要であると言っていました。 こうした仕組みの確立こそ重要なのです。 ケーズデンキの加藤社長が「頑張らない」とよく言われますが、四原則含め仕組みが確立しているからこそ、そう言えるのだと本書を読みながら思ったのでした。
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