巻頭言
NEBA解散
和田光征
WADA KOHSEI
日本電気大型店協会(NEBA)の解散決議総会の後、パーティーが4月21日、開催されたが、とりわけWOWOWの佐久間二会長の挨拶が印象的だった。佐久間さんが松下電器の家電営業本部時代はまさにNEBAの隆盛は極みにあったと言って良く、創業者たちがはつらつとして陣頭指揮をとっていた頃である。NEBAは飛ぶ鳥落とす勢いであったと思う。
佐久間さんは創業者達の労苦と繁栄を築きあげて家電業界を隆盛に導いてきた貢献に思いを馳せる時、NEBAが今、解散するという現実に心深くから悲憤があったのではなかったか、また2世経営者達へ頑張れというエールも含ませての思いの吐露だったのではないか、そんな内容だった。いつもやわらかな口調の佐久間さんだが、今回だけは言葉が明確で強く、深く重いものだった。
また、御礼の言葉を述べたケーズデンキの加藤修一社長の挨拶も、今日あるを思い、指摘をしてきたが実現されなかったことが限界を迎える結果となったことを語られた。加藤さんの経営思想はまさに三方良しでヤマダ、ヨドバシをはじめとする巨大勢力を個性的な大型店舗展開で急追しており、ユーザーからの信頼度は抜群である。そんな加藤さんの話だからインパクトは強烈だった。
NEBAは幕を閉じ、まさに新流通戦争が加速すると思うが、一方では地域専門店時代を迎えたとも言えそうだ。量販店と価格、品揃えで争わず、逆にコバンザメ商法で共存共栄を図り、付加価値を高めていく、そんな業態がユーザーに歓迎されているし、さらに強くなる筈である。
地域で効率の良い経営をする2世経営者達も出現しており、楽しみである。量販で購入したユーザーも使う段階になると知識豊富、アクティブな行動の先端センスの個性派地域店(大都市圏でも同様)へ頼らざるを得ないことが極めて多くなっているのが現実である。
一方で巨大量販は地域店を衛星化する動きも起こる。量販店同士の最終戦争もさらに燃え上がり、力の分布図もできあがるだろうが、地域店はまた符合するように新たな業態を間違いなく創りあげていくだろうと確信する。いくら巨大店が強いといっても50%のシェアを取り続けることは難しい。しかし、ユーザーは必ずどこかで買っているのである。
さて、小社では業界の建設的発展を図るべく「ビジュアルグランプリ2005SUMMER」を6月17日に発表する。どんな優秀商品が選ばれるのか定かではないが、私としてはあくまでも店頭での実販をあげたい。VGPマークが信頼のマークとしてお客様が商品決定する際の安心材料、背中を押してくれるツールとして使っていただければと思っている。
VGPマークのデータはビジュアルグランプリ投票店には自動的にお渡しするが、そうではない販売店さんにもお渡しするので、小誌編集部へご一報いただければ幸いである。
また、インターネットのファイルウェブとのリンクも簡単にできるので、活用いただければと思う。夏商戦を強力バックアップする「ビジュアルグランプリ2005SUMMER」をお楽しみに。
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