(株)東芝 デジタルメディアネットワーク社
テレビ事業部 TV国内営業部 部長

柴田 健太郎
Kentarou Shibata

東芝の技術の粋を結集
新ブランド「REGZA」で
シェア拡大を目指す

薄型テレビのブランドを「face」から「REGZA」に一新した東芝。全モデルにデジタル新頭脳「メタブレイン・プロ」を搭載し、高画質を追及するとともに、高級感あるミニマルデザインを採用。多彩なサイズと機能を揃えた充実の3シリーズでデジタル時代に相応しい付加価値を提案し、ワールドカップ商戦さらには年末商戦と一気にシェア拡大に挑む。TV国内営業部の柴田健太郎部長に常に一歩先を行く同社の薄型テレビ戦略を聞いた。

インタビュアー ● 音元出版社長 和田光征

放送環境の整備・ネットワーク環境
拡大の相乗効果で市場が拡大する中
時代の一歩先を行く付加価値を提案

東芝の技術の粋を結集した
新・液晶TV「REGZA」

―― 薄型テレビの新ブランド「REGZA」を立ち上げられました。その背景と狙いを聞かせてください。

柴田 世界的に薄型テレビの市場が急成長しています。特に日本では液晶テレビの需要が急拡大していますが、さらに2011年のアナログ放送が停波になるということで、今後さらなるテレビの、買替え促進が見込まれます。
世界的に液晶テレビの需要が一気に拡大していくことが確実に見込める中で、より一層ブランドイメージを強くするために、ワールドカップ商戦前に、ブラウン管の時代から使ってきた「face」からREGZAへ思い切ってブランド名を変更しました。

―― 薄型テレビの市場は激しい競合環境にあります。その中でREGZAの強みは何でしょうか。

柴田 REGZAの特長は「高画質」「デザイン性の高さ」「使い勝手の良さ」ですが、その中でも最大の特長は画質の高さです。お客様がテレビを購入する際に何を重視するかを調べると、常に、画質の良さを上げる方が7割以上と圧倒的です。
そこで、今回新たに導入したREGZAブランドの液晶テレビでは、東芝の卓越したシステムLSI技術とデジタル映像処理技術を活かした「メタブレイン・プロ」をすべての商品に搭載しました。従来、フラッグシップの「Z1000」シリーズだけに搭載していたこの技術を、全てのモデルに採用しました。これによって店頭では、フラッグシップモデルだけでなくベーシックなモデルでも画質が抜きん出ているという声をいただいています。

―― 今回のREGZAは、非常にシンプルなデザインも大きな特長ですね。

柴田 薄型テレビではインテリアとしての要素も、お客様が商品を選択される際に重視するポイントになっています。そこで今回の商品では、シンプルなフォルムのミニマルデザインはインテリアとしてどんな部屋にも馴染み、より画面に集中できるように余分な装飾を抑えて最小限の要素で構成したものです。
高画質と黒を基調とした高級感のあるシンプルでスタイリッシュなデザインの強力な商品ラインナップで、ワールドカップ商戦、さらには06年の年末商戦を、戦い抜いていこうと考えています。

―― REGZAのコンセプトカラーは、店頭で大変目立ちます。

柴田 東芝の卓越した技術力のアピールと、東芝のブランドイメージをより高めていきたいという思いを込めて、今回のレグザ・グリーンを採用しました。ある大手のバイヤーさんから高級感があり、逆にこれまでの店頭には無かった色なので絶対に成功しますよと、太鼓判を押していただき、非常に意を強くしました。店頭装飾やカタログなどで展開していますが、販売店やお客様から、REGZAのイメージを体言する高級感のある色だとご好評をいただいています。

―― 幅広いお客様のニーズに対応できるように、非常に豊富なラインナップ構成をとられています。

柴田 REGZAののラインナップ構成は、徹底的に高画質にこだわったモデルとして、「メタブレイン・プロ」と広視野角フルHD液晶パネルを搭載して昨年9月に発表したハイエンドラインの「Z1000シリーズ」を頂点として、ハイビジョン録画ができ、タイムシフトを実現するハードディスク内蔵モデルの「H1000シリーズ」、シンプルで高画質のベーシックライン「C1000シリーズ」を新たに投入して、3シリーズ構成としています。
それぞれのシリーズには、様々な画面サイズを用意していますので、国内市場向けだけでも10機種と充実したラインナップ構成となっています。テレビライフに合わせて選んでいただける商品ラインナップを揃えましたので、お客様に東芝のREGZAを選んで本当に良かったと喜んでいただけると思います。


新時代を先取りした商品化
東芝らしい差別化を打ち出す

―― デジタルAV時代では、幅広い分野における東芝の技術力が活きる時代になってきたと思われます。

柴田 液晶テレビなどデジタルAV商品での東芝の最大の強みは、総合的な技術力の高さです。デジタルAV商品を作るためには、映像技術はもちろんですが、DVD、PC、ストレージ、さらには半導体などといった様々なデジタル技術が必要です。
東芝にはそれらのすべてを事業領域として持っています。今回新たに立ち上げたREGZAブランドの液晶テレビも含めて、その総合的で卓越した技術力をフルに活かして、デジタルAVの新しいマーケットを創造していきます。そして、卓越した技術に裏打ちされた商品であることを、しっかりと市場に訴えていきたいと思っています。

―― Z1000シリーズでは光ブロードバンドの「4th Media」への対応も図られています。これも東芝の技術力の高さを示す一例ですね。

柴田 国内の薄型テレビ市場は、デジタル放送環境の整備やネットワーク環境の拡大の相乗効果で、今後、さらに拡大していきます。地上放送がデジタル化されることは、お客様の間でかなり認知されてきています。すでに地上デジタル放送が始まっている地域だけでなく、まだ始まっていない地域でも、店頭でデモ映像を見ていただいたりすることで、お客様への浸透度が高まってきています。
ブロードバンドへの対応では、東芝はL400VシリーズからLAN端子とインターネットブラウザを標準装備することで、他社製品との差別化をしてきました。
また、徐々にお客様にとってブロードバンド対応は商品購入の要因になってきています。いよいよ光ブロードバンドを介して動画を見ることが当たり前の時代になりつつあります。REGZAの最上位機のZ1000シリーズでも、光ブロードバンド放送「4th MEDIA」のビデオ・オン・デマンドなどの映像配信サービスに対応するなど、時代の一歩先の付加価値を提案する商品として自信を持っています。


HDD内蔵モデルの第二世代
上質で快適なTVライフを提案

―― REGZAは市場で好評のようですね。

柴田 薄型テレビの市場で、REGZAは新しいブランドになりますが、すでにこの市場でポジションを持たれているブランドの間に割って入ることができました。
ある店でREGZAの演出展示をすると、近隣の店でもぜひうちもという相乗効果が出るなど、非常にいい感じで売り場が盛り上がっています。特に当社の営業コミュニケーションがよくできている販売店さんでは、店内のポジショニングをREGZA中心に変えていただいた店もあり、大変うれしく思います。
テレビを購入されるお客様は、ほとんどの方が店頭で実際に商品を見て選ばれます。店頭で充実したコーナーを作っていただくことで、購入率が非常に増えています。ニューヨーク・ヤンキースの松井選手を起用したREGZAの登場感を訴求したコマーシャルの効果もあって、指名買いが増えてきています。REGZAブランドは、非常にいい形で発進できたと思います。

―― ワールドカップ開催直前の5月にHDD内蔵機が登場し、ラインナップに加わります。こちらにも大きな期待が集まりますね。

柴田 5月の上旬に発売を予定しているHDD内蔵タイプの「H1000シリーズ」は、お客様に自由な時間にテレビを楽しんでいただけるという点で、ベネフィット提案がしっかりできています。ですから、DVDレコーダーと使い分けて頂いて、テレビの付加価値アップ、単価アップを実現することができます。東芝では、昨年、HDD内蔵の液晶テレビ「LH100シリーズ」で、「ちょっとタイム怩ace掾vの愛称でテレビの新しい使い方の提案を創造してきました。今回のH1000シリーズ品では、さらに使い勝手を高めています。
特長としては、気に入った番組を最終回まで予約できる「簡単連ドラ予約」、見たいシーンを見逃さない「新・ちょっとタイム」、いつでもニュースを見られる「新・今すぐニュース」、これらをご説明することで、機器間の操作が面倒と感じられるお客様にもテレビのリモコンで簡単に操作できるテレビとして大変好評で、ご購入に繋がっています。H1000シリーズの発売で、新たな需要を作り上げていきたいと思います。


商品力の強さで売り場が活性
お客様の喜びが販売活動の源

―― REGZAのマーケティング戦略を聞かせてください。

柴田 東芝では、常に他社より一歩、あるいは半歩先を行く特徴ある商品作りを心がけています。今回のREGZAでは、当社の卓越した技術力に裏づけされた商品であることを、広告や店頭でのプロモーション活動を通じてお客様に徹底的に訴求していきます。
今、主力店の店頭を中心に、成約特典をつけた「REGZA誕生キャンペーン」を実施しています。販売員の方にREGZAのコンセプトをしっかりと理解していただいくための勉強会とセットにして、さらなる販売実績の拡大に繋げていきたいと思います。

―― 今回は新ブランドの導入となりましたが、導入後の販売店さんやお客様の反応はいかがでしょうか。

柴田 販売店さんからは非常に高い評価をいただいています。特に、REGZAが店頭に一斉に並んだことで、高画質感が訴求されるので、42Z1000は、バイヤーさんが実際の商品をご覧になって、非常にきれいなので主力商品として展開したいというお話をいただいたくらいです。商品の力が販売面にも発揮され、相乗効果を産んでいます。
実売でも非常に好調です。今回、新たに47V型を発売したことによって、大きな画面サイズのテレビが売れるようになってきました。従来は32V型が中心に売れていましたが、今は37V型にシフトしています。
展示会などで一堂に並べますと、47V型ももちろん売れますが、42V型、特に37V型もよく売れています。ラインナップが揃うことで、サイズアップの提案が出来ています。
私どもにとって特に嬉しいことは、ご購入いただいた方から「ありがとう」とお礼を言われることが多いことです。薄型大画面テレビとデジタル放送が相俟ってお客様の映像生活が豊かになったのではないでしょうか。実際に旅行には行けないけれども、紀行番組を見て、あたかも旅行に行ったような臨場感を楽しまれている等、喜びの声を多数いただいています。お客様に心から喜んでいただけることが、販売店様の活動の源泉になっているようです。

―― 最後に、販売店の皆様へのメッセージをどうぞ。

柴田 ワールドカップは、6月という絶好のタイミングに開催されます。5月の連休明けは通常の年なら落ち込む時期ですが、今年は最低でも前年比130%くらいになると見込んでいます。さらに薄型テレビ需要そのものの需要の拡大と地上デジタル放送の視聴可能世帯の拡大と、いいかたちで需要が盛りあがっていくと思います。
このタイミングにあわせて、東芝では魅力溢れる商品ラインナップを揃えました。ぜひ、REGZAの本質感、高画質、デザインに加えて、お客様に喜んでいただける付加価値提案をしていただきたいと思います。
Z1000シリーズはフルHDの屈指の高画質を、H1000シリーズはタイムシフトして自由に高画質で楽しめる利便性を、C1000シリーズはベーシックながら非常に高画質なテレビと、お客様に合わせて売り分けていただけるラインナップが勢揃いします。ぜひ東芝のREGZAをよろしくお願いします。

◆PROFILE◆

Kentarou Shibata

1982年東芝入社、音響事業部(販売推進、販売企画)、1992年TV国内営業部、2006年TV国内営業部長、現在に至る。