巻頭言
最高権威へ
和田光征
WADA KOHSEI
アワードのシーズンがやってきた。
小社としては、主催するアワードを業界最高権威のスタンダードと位置づけ、営々と地道な努力をしてきた。前号でも普遍的な価値について二つの賞、オーディオ銘機賞、ビジュアルグランプリの基本的ポリシーを述べたが、今回の結果発表でのグローバルな展開、店頭における実販促進等の具現が完成領域へ踏み込んだと認識し、安堵している。
ビジュアルグランプリ(VGP)
審査結果は「AVレビュー」誌の発売日である11月17日に一斉発表した。審査会は10月19日、約一ヶ月間完全に封印したことになる。17日は「Yahoo!ニュース」、ヨドバシカメラさん、ビックカメラさん各社のサイトと店頭、小社の「ファイル・ウェブ」で国内および英語版により海外へ、随意発表して行った。
今回はとりわけ店頭サポートを強化した。ヨドバシカメラさん、ビックカメラさんとコラボレーションし、店頭での購買促進を推進した、二社それぞれのロゴ入りVGP小冊子を全店に配布、ビジュアルグランプリの認知徹底と、店頭でお客様の背中を押す安心材料としての役割を確立させたのである。当然ながら、他の審査ご協力店80店舗にも小冊子はお届けしてあるので、店頭での販促効果は格段に上昇したのではないだろうか。
店頭での実売という具体的な結果を目的としたことがビジュアルグランプリの真骨頂であり、最高権威たる所以である。
同時に1月には、「ホームシアターファイル」中文版を通じ北京語で中国に向け発表し、成長著しい中国マーケットへ普及させていきたい。言うまでもなく「ファイル・ウェブ」を通じての中国からのアクセスも非常に多く、雑誌の発行によってさらに弾みがつくことだろう。因みに10月1カ月間の「ファイル・ウェブ」のヒット数は2億にまで成長しており、その波及効果は計り知れない。
ビジュアルグランプリは、次の2008サマーに向けすでにスタートを切っているが、2008年はより確立された状況を創出し、名実ともに最高権威としてさらなる高みへと進んでいきたい。
オーディオ銘機賞(AEX)
オーディオ銘機賞はビジュアルグランプリに比して専門性が高く、オーディオ評論家+専門店による審査員によって選出される唯一の賞であり、30年近い歴史を営々と最高権威へ歩んできた。つまり、一貫してブレないということである。賞のネーミングもさることながらポリシーも不変であり、確実な歩みで30年になろうとしているのである。この審査結果も「Yahoo!ニュース」、「ファイル・ウェブ」日本語および英語版、そして「アナログ」中文版で発信しており、世界的権威へと昇華させていきたいと思っている。
小社は「ピュアオーディオ・ルネッサンス」を提唱しているが、ここにきて漸くピュアオーディオに光がさし込んできたように見える。そんな中での「TAD R‐1」、「DP‐700」の金賞受賞は極めて意義深いと言えよう。とりわけパイオニアの勢いは、VGPを含め業界にとっての光明ではないだろうか。
縮小から発展へと、ピュアオーディオにギアが入った予感は誠に喜ばしいことである。
最高権威の二つの賞、さらに高めていきたい。
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