巻頭言

チャンス到来!

和田光征
WADA KOHSEI

2013年度がスタートした。何と言っても小さな政府レーガノミクスの終わりと、大きな政府アベノミクスのスタートがあり、黒田日銀総裁によって大胆な量的金融緩和が行われ、永々と続いたデフレに終止符を打つべく2%とインフレ目標も明言し、即実行に向けて動き出したことが大きい。

いよいよ景気も浮揚することは間違いないだろう。すでに株高、円安は進行して勢いは止まらない。業界にとっても僥倖の如き素晴らしい時代の到来であると言えるだろう。日銀は金融政策をしっかり目標を持ってやる、故に政府は大胆な財政出動をして雇用を生み出すべく実行せよとの、まさに日銀・政府のタッグであり、何とも頼もしい限りである。

当然政府も公共投資、教育、医療、企業再生等々の施策を実行する筈であり、必然的に雇用が生まれ、日本の隅々まで生活が賑やかになるだろうと確信する。景気回復はまずムードだと言われるが、今回の施策で多くの人々は明るい気分になっていったのではないだろうか。

全国調査によるとすべての都道府県で景気が上昇曲線を描き始めたと報じており、気分は春風の如くなのだと思われる。これから政策が具体的に動きだし、その傾向は確実なものとなり、消費も活発化するだろう。

奇数年の時は経済も活発になると新年に当たって私は述べたが、まさにそのとおりになってきた。この流れは2015年が終わるまで続くこととなり、2016年から安定へと進むと私は思っている。奇数年、世の中は動くのである。

従って、スタートに立った我々は何をすべきか。何はともあれリーマン・ショックから円高、震災ショック、そして稚拙で自愛政治だった民主党による且つて経験したことのない人災から解放されたことを受けて、まずもって負の清算が最優先処理であろう。

同時に業界あげてチャレンジしなければならないことは、こうした新しいうねりをしっかりと認識し、未来に向けてチャレンジすることであろう。まずは奇数年2013年から2015年いっぱいを、しっかりと認識した3ヵ年計画の実行である。いうなれば2016年3月期の姿をしっかり描いてスタートすることであろう。業界的に言えば、消費性向が活発化するのであるから、需要創造を業界挙げて構築し、固まりとなって達成しなければならないと思う。

まずもって2013年年末商戦の姿を描ききり、それに向かって業界あげて一丸となって進むことである。わが業界が永々と築いてきたものをさらに発展、成長させて、何はともあれ三世代のお客様の要望にしっかり応えた商品をお届けすることであろう。間違いなく景気は上昇する。消費税、インフラ関連の値上がり等々、負の部分は当然あると考えられるが、全体の流れはそれでも人々の智恵によって上昇すると私は確信するのである。

今こそ「明日の今日」思考で積極的に前向きに製販ともチャレンジして、2016年の正月を迎えようではないか。本誌も需要創造に向け、しっかりと舵を切っていきたい。