- シンプルな使い勝手で
お客様の生活をサポートする
- 三菱電機株式会社
- リビング・デジタルメディア事業本部
家電事業部長
- 菊池康男氏
Kikuchi Yasuo
液晶テレビ「REAL」、冷蔵庫「置けるスマート大増量」、サイクロン式掃除機「風神」など、すぐれた機能を簡単操作で使いこなせる優秀商品の数々が、VGP、スマート家電グランプリで受賞を果たした三菱電機。「スマートクオリティ」のさらなる具現化へも弾みをつけるアワード受賞。菊池事業部長が意気込みを語る。
基本性能を追求し
お客様に使いやすい家電
── VGPでは、液晶テレビLSR4シリーズが金賞を、また、特別開発大賞を受賞しました。
菊池 LSR4シリーズはこだわりを持って市場に投入した新商品です。評価いただき、ありがとうございます。店頭での立ち上がりも想定以上で、こうした市場の需要をあらためて認識しています。
高画質、高音質といった基本性能を追求し、画質では赤色レーザー光源と青色用・緑色用LED搭載により、色の再現性をアップさせています。使い勝手にも考慮し、気楽に使えるテレビ、というコンセプトです。ブルーレイレコーダーを内蔵し、録画機能をもたせており、市場でも特殊な位置づけにあたると思いますが、そういうゾーンは確実に存在し続けると見ております。
見る、録るを1台で、操作も1つのリモコンですべてできることから、年配のお客様や、女性の方にも好評をいただいています。画質や音質のよさも含めて実感いただけるよう、わかりやすく訴求したいと考えます。
デジタルテレビは初期導入期に購入された方の買い替えサイクルにすでに入っています。購入者ご自身の年齢やライフステージもこの10年で上がっており、これまでのテレビより大きな画面、簡単操作、録画機能付き、という要素に対するニーズは必ずあると思っています。LSR4シリーズは39インチと50インチの展開ですが、そういう意味でも50インチの動きに、より期待をもっています。
── VGPではプロジェクターも金賞を受賞しています。御社の歴代プロジェクターは、ホームシアターの市場をリードして来たものであり、受賞モデルも3Dの効果など、映画館に匹敵する映像を楽しめるものとして大変期待できます。またこのたび御社は、スマート家電グランプリ2013 SUMMERにおいても、多くの受賞を果たされました。
菊池 まず、冷蔵庫の「置けるスマート大増量」、断熱材を新開発し、設置スペースを変えず容量をぐっと増やした商品で、店頭でも大変ご好評いただいているシリーズです。横幅685ミリで600Lと、10年前の水準の約1.5倍の容量となりました。
昨今、特にマンションでは家の中に低い温度でものを保管できる場所がなく、そこに冷蔵庫が利用されるようになっています。また日本は食品の種類が多種多様で容器のサイズもさまざま。スペースに余裕があるというのは、お客様にとってベーシックな価値をご提供することになるのです。
さらに日本の住宅では、玄関のドア幅はだいたい70〜80pくらいで、中廊下の途中にあるドア幅は65p〜70pくらい。冷蔵庫はここを通過できるものでないと、窓からクレーンで搬入ということになってしまいます。今回はこうしたところもクリアできたのではと思います。
── 昨今投入された掃除機も受賞しています。
菊池 今年はサイクロンの「風神」と、軽量の「Be-Kシリーズ」で新たな商品を投入しました。風神はデザイン面でより親しみやすい印象となりました。重量も軽くした上で吸引力の強さの持続、お手入れもしやすいといった基本性能をおさえています。
Be-Kシリーズは軽さを徹底的に追求したシリーズで、紙パック式とサイクロン式を5月に発売を開始し、本格的に展開しています。とにかく軽いので使いやすく、風神よりもやや年齢層が高めのお客様が多くなっています。
先進性や吸引力を求めてサイクロンを好まれる方も、昔ながらの紙パックを好まれる方もおられます。どなたにでも合うオールマイティーというより、それぞれのニーズに合った商品をひとつひとつしっかりと訴求していきたいと思います。
── オーブンレンジの「ZITANG」も、審査会で高く評価されました。
菊池 オーブンレンジに求められる機能を集約化した結果、非常にわかりやすいものになったと自負しています。電子レンジ機能以外にも、レンジからグリルの自動調理という新しい使い方での時間短縮など、いろいろなご提案をしており、油を使わない料理や、食材の脂を落として美味しさを残すといったところも健康志向から注目されています。この特長を店頭でもっともっとお伝えするのがこれからの課題と思っています。
「スマートクオリティ」を
商品のかたちで具現化する
── 昨年度から打ち出された「スマートクオリティ」のコンセプトは、今年度も引き続き展開されていくわけですね。
菊池 昨年度はどちらかというとコンセプトそのものをお伝えすることが中心となりましたが、今年度はこのコンセプトに基づいた商品を具現化し、展開する活動が中心となっており、今回の受賞商品もまさにそうです。商品のもつ本質的な機能に着目し、その上でお客様にとっての使いやすさ、使い勝手のよさを徹底的に追及する。操作性は「らくらくアシスト」、省エネは「節電アシスト」の考え方を貫いて商品提案するもので、この夏以降も、こうした方向性の新製品を続々投入する予定です。
商品のひとつひとつはその本質的な機能を活かし、一方ではその機能を居住空間全体の中でバランスをとり、トータルとして省エネ性を高めていく。エネルギーの見える化も含めて、段階的にご提案をしていくつもりです。
── お客様にわかりやすく、操作が簡単というところは、御社の商品に全面的に表れていると思います。
菊池 目指すところの一番上にスマートハウスやスマート家電のコンセプトがあり、これをネットワークや通信の手段で商品に下ろしていく、という発想よりも、商品それぞれの特性を活かしつつ、上へと目線を持ち上げて、最終的に家の中で全体を統合化できるようにしたいと考えます。
複雑なことを必要としますとお客様がついてこられなくなりますから、お客様自身がお使いになる部分、操作性やメッセージについてはあくまでもシンプルで簡単に。簡単なものを組み合わせて全体が見えてくるようなかたち、ひとりひとりの暮らしのクオリティを高めるために具現化していきたいと考えます。