巻頭言

「アワード」に考える

和田光征
WADA KOHSEI

今年もアワードシーズンを迎え、小社も業界発展にしっかりと寄与するという創業来の理念に基づき、オーディオ及びビジュアル商品を褒賞する。アワードのひとつである「VGP」。ある調査では、VGPの赤マークの貼付された商品が売上げの7割を占めているとのことで、圧倒的なパワーを有している。

ユニークユーザー数月間150万人を擁する小社の専門サイト「ファイル・ウェブ」をベースとして全世界に向けて受賞結果を発表、また受賞商品を掲載した小社SPが発刊する定価0円の店頭雑誌がヨドバシカメラ、ビックカメラ、ケーズデンキ、エディオン他の店頭からお客様の手に渡される。さらに、アワードを主催する小社の専門誌がその内容を誌面に同時展開する。こうしたことで伝播力は複合的になり、お客様の購買行動に直結するのである。

素晴らしいアワードの内容も、出版不況の直撃を受けている雑誌媒体で発表するだけではスケールが小さく、実売の機会は減少することとなる。しかし小社では、前述のように多岐にわたる媒体で複合的に発表することによって、商品を実売に直結させているのである。また同時に、ファイル・ウェブを発刊誌の宣伝媒体として機能させ、店頭誌でも宣伝・販促活動を展開することにより、幸いにも出版不況のあおりを最小限に止めている。発刊誌がオールカラーであることも人気を得ている要因である。

ファイル・ウェブは2000年の事業化以来確実に成長を続けて、前述の状態に成長し、さらなる未来に向けて全力でまい進している。店頭誌は2007年、リーマン・ショックによる経済危機の折、流通の売上げ上位6社の本部機構とタイアップしてのスタート以来、今日まで大きなパワーとなっているのである。全刊行誌のオールカラー化は2008年春から。凸版印刷、大日本印刷と連携し、出版界にも一石を投じた。インターネットによる出版不況の到来を予測した対応で、着実に成果を上げていき、現在多方面から驚愕をもっての賛辞を頂戴している。

アワードを一つの雑誌媒体で掲載するのみに止めていては、雑誌そのものの購読者が激減している実体から、いずれ難しくなってくるのではないか。アワードを主催する側としては、それを広く深く世間に知らしめ、選ばれた商品が実売されていく流れを構築しなければ意味がない。そのために私は20年近く前から手段を講じ、確実にアワードを成長させ、業界の発展に寄与させている。この効用はイベントへの集客活動にもいかんなく発揮され、シーズンにはW+M(ウェブ+マガジン)で全力投球し、イベント主催側から深謝を頂いているのである。

とりわけ、本年のアワードは盛り上がった。これが年末商戦の実り多き成果をもたらすことを祈念するばかりである。こうした私どもの基本をさらに深化、発展させるべく、10年先に思いを馳せているところである。

ここに、各アワード審査会の審査委員長と審査委員の皆様に心から感謝申し上げ、今後とも力強く友に歩んでいき、業界の建設的な発展に寄与していくことを誓うものである。