パナソニックは、同社の2018年創業100周年を機に展開する「Creative! 毎日を、ちょっとクリエイティブに。」の取り組みを通じ、日本のあらゆる世代への新しい暮らしのお役立ち提案を推進している。商品にフォーカスするモノの訴求からコト提案へと価値訴求をシフトし、家電を通じた「家事シェア」「おいしい7days」「健康なわが家」「家族をつなぐ」をテーマとする4つのお役立ちを掲げる。

この春同社は、4つの提案のひとつ「家族をつなぐ」をテーマに、レコーダー“DIGA”における新たな展開を発表した。その名も「おうちクラウドDIGA」として、DIGAを通じて録画番組や放送中の番組を楽しむだけでなく、HDDにためた写真や動画、CD楽曲などのコンテンツをスマートフォンやタブレットで楽しむ、また離れて暮らす家族と写真や動画を共有することなど、家族で楽しみを共有する新たな価値の提案である。

そして今回、おうちクラウドDIGAの新製品4モデルの発表会が開催され、進化のほどが大いにアピールされた。形も大きく進化。昨今の家庭のリビングに多く見かけるユニットシェルフにも入るコンパクトなサイズ、さらにインテリアに合わせやすい白色を採用したカラーリングとなった。写真や動画の保存もしやすくなり、さらに昨今家族の一員として存在感を高めるペットの見守りを果たす「HDペットカメラ」の記録画像保存にも対応した。

春の新提案以降、DIGAに対する女性層の関心度が高まったという。DIGAサイトの訪問者の女性比率は提案前の25％から42%に拡大し、おうちクラウドDIGAの検討意向度は30代・40代のファミリー世代の女性層で高まっている。レコーダーは、「スペックを見ながらお父さんが選ぶ録画機」から「家族で選び、家族で使う」ものに変化したとの認識で、今回の製品のコンセプトがなされている。

発表会で非常に印象的だったのは、「4K」のワードが一度も出てこなかったこと。パナソニックではすでに4Kチューナーを搭載したDIGAも発表されており、12月1日の4K8K放送開始を目前に控え関連するテレビやレコーダーが大いに盛り上がるはずのタイミングでありながら、である。4Kチューナー搭載モデルはプレゼンテーションに登場することもなかった。「おうちクラウドDIGA」で推進するレコーダーの新たな価値創造こそが、パナソニックにとっての最重要テーマであるということだ。

発表会に登壇したのは、コンシューマーマーケティング ジャパン本部 AVC商品部 部長の宮地晋治氏。新製品の進化、「おうちクラウド」を朗々とアピールする姿に、レコーダーの新たな価値創造を推進する意気込みのほどが伺われた。CMキャラクターを務める俳優の遠藤憲一さんも登場し、「脱・録画機宣言」と語る場面もあった。




発表会後宮地氏は、「レコーダーの新たな価値づけは非常に重要なテーマ。おうちクラウドDIGAで大きな手応えを感じている」と語る。その方向性が大いに表現された新製品の形については、「春の時点から形を変える方向で動き出していた。色は黒やグレーの考え方もあったものの、女性層の支持の高まりを受けて白とした」と明かす。エンドユーザーや販売店での受け止められ方が楽しみなところである。

テレビの周辺機器のように扱われ、一時は外付けのHDDに立場を奪われた感もあったレコーダーが、既存の価値づけとは全く違う角度で存在感を高めている。エンドユーザーに新たな価値をどう浸透させるか、実感させるか、今後の店頭での訴求も注目される。（Senka21編集部・徳田ゆかり）

夏休み、かみさんの両親が住む福井を訪ねました。ふたりとももう90近く。義父から「部屋の蛍光灯が切れてしまったから代えてくれないか」と頼まれました。電気屋さんはやってくれないのかと聞くと、「何から何まで買っているわけじゃなく、頼みにくいし、やってくれないよ」との返事。都心で生活しているとイメージしにくいですが、近くのスーパーへ買い物に行っても、駐車場の車はあれもこれもと高齢者マークだらけなのです。高齢化率がさすがにこれだけ進むと、街の電気屋さんとて自らの高齢化もあり、とても手が回り切れないのかもしれません。人口の集中する都市部の一部を除き、今後、こんな光景がジワジワと日本中に広がってくるのだろうかと考えさせられます。