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スペシャルインタビュー<後編>

DTSのマルチデバイスをサポートするテクノロジー − “音”の「トータルプロバイダー」へ

公開日 2012/02/06 12:24 インタビュー/山之内 正
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進化を続けるDTS − トータル・サウンドソリューションプロバイダーへ

山之内 DTSの技術展開は、これまでは家庭用のAV機器が中心であったかと思います。しかしこれからは、先ほどお話しを伺ったPC製品やモバイル端末など様々な製品に広がっていくわけですね。

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伊藤 はい。DTSはホームシアターからスタートしました。家庭のホームシアターシーンでも映画館と同じようにコンテンツを楽しめる音づくりに取り組んできました。そして現在、動画コンテンツの楽しみ方は、既にPCやスマートフォン/タブレットなどホームシアター以外の様々なシーンに広がりを見せています。

私たちとしては、新たな視聴デバイスの登場によってますます拡充していくエンターテイメントシーンを支えるため、DTSの高音質技術を様々な分野の製品と開発に関わる方々へお届けしたいと考えています。DTSはもはや「ホームシアターの音響システム」に留まらず、多彩なデバイスに対し、トータルで音声をサポートする「サウンドソリューションプロバイダー」になって、各メーカーの様々な製品を音質面でサポートさせて頂きたいと考えています。


dts Japan 藤崎氏
藤崎 メーカー、プロバイダーの皆さまへのサポート体制も整えています。国内メーカーの製品でも、例えば内部に使用されているICが海外製のものであったり、生産工場は海外に置かれている場合がありますので、きちんとワールドワイドで対処できるよう、多国籍のフィールドアプリケーションエンジニアを私の下で一括管理しています。海外メーカーの場合も同じです。技術サポートをしながらチューニング行っていきますので、チューニングのエンジニアも私の下で一括管理しています。

伊藤 現在DTSは各国の法人をあわせて250名くらいの規模の会社であり、本社は米国ですが、ほとんどのリソースが顧客の多いアジア圏に集められています。

DTSの最新技術を体験できるBtoB向けセミナーを開催

山之内 DTSでは最新技術の訴求活動など、今後どのように展開していくのでしょうか。

伊藤 やはり実際にDTSの高音質を体験して頂くための活動に力を入れていきたいと思います。2月と3月に東京・大阪で実施するBtoB向けのセミナーを皮切りに、今年は大きいものも小さいものも併せて積極的に体験イベントを実施したいと考えています。このBtoB向けのセミナーにつきましては、主にメーカーの企画担当者の皆さまを対象とした内容を考えております(セミナーの詳細はこちら)。

山之内 具体的には、どういった内容が紹介されますか。


dts Japan 伊藤氏
伊藤 開催期間が正月明け早々ということもあり、CESへの参加・来場が難しかった日本企業の方々も多くいらっしゃるものと思います。私たちはCESで、配信型コンテンツシーンの高音質化への動きが始まったことを肌で感じました。この、“時代が動いている”というある種の“危機感”は、恐らく現地へ足を運んだ方々ならおわかりになると思います。

山之内 確かにそうですね。

伊藤 今回のセミナーは、そういった新しい時代が訪れつつある今、日本国内に向けて“警鐘を鳴らす”という感覚もあるかもしれません。グローバル市場で今後5年・10年を見据えたとき、次の取り組みを始める段階に来ていると思います。そこに向けての情報収集の場と捉えて頂き、むしろあまりDTSのセミナーであることを意識しすぎずにご参加頂ければと思います。もちろんDTSとしての最新情報もお届けします。

山之内 DTSの最新技術の詳しいこともわかりますか。

伊藤 CESで出展したDTSの最新オーディオテクノロジー1つ1つをわかりやすくご紹介したいと考えています。今回お話いたしました「DTS Express」など、これからの配信型コンテンツ時代の到来を見据えたDTSの最新オーディオ技術や、ハードウェアの開発者の皆さまが疑問に感じていらっしゃる事例へ、ソフトウェアで解決のご提案を図るポスプロ技術のご紹介なども含め、今後の配信型コンテンツ時代にどういった展開が考えられるかをセミナー形式でご提案します。もちろんDTSサウンドのクオリティを体験して頂くデモブースもご用意いたします。

山之内 なるほど。サウンド関連の技術だけではなく、DTSはプロバイダーとの強いコネクションもお持ちですね。

伊藤 はい。メーカーにとってDTSを採用するメリットは当然製品の音質を良くするということがありますが、そのほかにも例えば私たちを介してコンテンツプロバイダー各社との関係を強化できることも、大きなメリットになるものと思います。マーケティングの観点からのご提案もさせて頂きたいと思います。日本のメーカーの皆さまのご活躍を、DTSがサウンドの側面からトータルにサポートさせて頂きたいと考えています。

< 山之内 正 プロフィール >
神奈川県横浜市出身。東京都立大学理学部卒。在学時は原子物理学を専攻する。出版社勤務を経て、音楽の勉強のためドイツで1年間過ごす。帰国後より、デジタルAVやホームシアター分野の専門誌を中心に執筆。趣味の枠を越えてクラシック音楽の知識も深く、その視点はオーディオ機器の評論にも反映されている。

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