新店舗で採用した様々な新しい取り組みとは?
ビックカメラ宮嶋社長インタビュー。調布の新店に手応え、オムニチャネルにも本腰
― 昨今は都心部より郊外への出店が充実してきました。
宮嶋 藤沢、大宮、柏といった店は超大型ではないですが、効率がいい。空間を活用しながら品揃えを充実させていく。一方有楽町や池袋は中心として、まわりの店の補間をする。またネットで注文していただければ、店での取り扱いがなくてもお応えできる。そうした補完関係をもちながらハブ&スポットの形でネットワークをつくっていければと思います。
― 今後の出店は。
宮嶋 機会があれば、ですね。京王調布店も出店まで5年かかりました。種蒔きからたくさんのやるべきことがあります。そういう意味では種蒔きはいろいろとしていますので、計画が早くすすめば秋葉原店、京王調布店、船橋店のように立て続けにオープンということもあるかもしれませんね。もちろん開店させたい気持ちはありますが、時間はかかります。
― 郊外の立地と都心とでは、店作りや接客など違いはありますか。
宮嶋 基本的には変わりありません。これからはただ商品を並べるだけでなく、専門知識をもつ販売員がお客様のご要望を聞き、時間をかけて最適な商品をご案内できるようにしないと、価格勝負だけではネットに負けてしまいます。郊外型であっても都市型であっても、それは同じ。
ただ郊外の方が比較的、時間的にお客様のご要望にお応えしやすいでしょう。お客様層は都市型店と多少違いはありますが、京王調布店では我々が想定した以上に若いお客様は多い印象で、プレオープンの際もお子様連れの方が多くいらっしゃった。それでおもちゃコーナーが狭いと感じましたから、もっと拡げようと思います。地元の声をお聞きして売り場を変化させていくことは大事で、それはどの店でも進めていることです。
― 調布にお店を出すのは、だいぶ以前からの構想でしたか。
宮嶋 全方位と言いますか、可能性があればそれぞれの市場に合ったサイズでということはあります。京王線沿線では、聖蹟桜ヶ丘のさくらやさんから以前に引継いだ店が大変上手くいっていますので、京王電鉄さんとの関係の中でチャンスがあればとは思っていました。今回も可能性を感じてお願いをさせていただきましたが、新しい開発は時間がかかりますね。
― メガネコーナーで新しい試み、「Price Of 7」を展開されました(有名メーカーの商品からビックカメラオリジナルモデルまでを分かりやすく7つの値段に設定したもの)。
宮嶋 メガネコーナーは30年以上前に池袋に出店した2店目から手がけていましたが、新しい試みはこれまでなかなかできていなかった反省もあります。今回のような形をやってみたいという現場の声が上がってきて、これに関しては私は何も指示していません。新しいことはどんどんやってみればいい。これがよければ他の店にも応用すればいいと思います。いろいろなやり方ができると思いますから、柔軟性をもってやっていきたいですね。