搭載DACなどの仕様も明らかに
<IFA>TechnicsのSACDプレーヤー詳報。要望の高まりが初のSACD機開発を後押しした
■SACD/ネットワーク機能を凝縮した、Technicsのマルチデジタルプレーヤー
IFA 2018のパナソニックブース内に出展されていたSACDプレーヤーのプロトタイプ(関連ニュース)。まだ製品のモデル名も発表されていない段階だが、テクニクスCTOの井谷哲也氏から、製品について、より詳しい話を聞くことができた。
Technicsに加わる新製品のコンセプトは、SACD/ネットワークプレーヤーを一体化させた“マルチデジタルプレーヤー”。パナソニック初となるSACD再生機(ステレオ)であると共に、ネットワークオーディオプレーヤーとしても活用可能。またWi-Fiを内蔵し、AirPlayやChromecast built-In対応も果たしている。
Spotify、TIDAL、Deezer HiFiといった音楽ストリーミングサービスの再生も可能。DSDネイティブ再生やMQA、Roon Readyへも対応するなど、いまのトレンドを凝縮した、非常に多機能なプレーヤーとなる予定だ。Bluetotohは送受信に両対応。またLDACコーデックにも対応する予定だ。
アナログ出力のDACは旭化成のAK4493を採用。Dual Mono Construction DA回路や高品質のSACDドライブの搭載、超低ノイズを実現するSilent Hybrid Power Supply対応、SACD再生用のモードを備えるなど、Technicsのがこれまで培った技術を集結させている。
ディスクメカの直下は、3層になった制振構造のHigh Rigidity Chassisで、SACDのディスクトレイはアルミダイキャスト製の高剛性のものを採用。フロントパネルは7mm厚のアルミパネル、サイドパネルは3mm厚の仕様となっている。
Gラインの製品ということで「SU-G700」との連動動作も対応する。出力端子はバランス端子とアンバランス端子を装備。また光/同軸のデジタル入出力をそれぞれ備えている。
SACD再生への対応は、特に欧州からの要望が大きかったという。「2、3年前はハイレゾが伸び出した頃だったからか、あまり要望はなかったが、最近になってSACDを再生したいという声が明らかに増えています。我々の調査では、これまで累計で1万タイトル程度が出ていますが、ここ最近でもコンスタントに新作が出続けています。特にベルリン・フィルをはじめとした楽団が直接SACDをリリースしたりするケースもあり、月に30タイトル程度は出ているようです」(井谷氏)。
ハイレゾ全体の流れとしても、「DSD再生を支持する方は結構いらっしゃいます。DSDはファイルサイズが大きく、ネット配信がしづらいこともあり、SACDが欲しいという声があるようです。SACDとネットワークを一つの筐体に収めたら、さまざまな用途で使っていただけると考えています」とコメント。既に欧州からもポジティブなフィードバックが得られているようだ。
Technicsブランドの製品だからクオリティにも期待でき、SACDをカバーしつつ、最新のネットワーク機能も集結させている。IFA 2018で披露されたのはあくまで試作機で、製品化は2019年春から夏頃とまだまだ先だが、日本でもぜひ展開を期待したいモデルだ。
■UKにおける「SC-C70」のヒットを受け登場した『SC-C50』
Technicsブランドで発表したもう一つの製品が、“OTTAVA S”「SC-C50」だ(関連ニュース)。SC-C50は、ネットワークオーディオ再生に特化した3.1chの一体型ワイヤレススピーカーである。
同じOTTAVAの製品では、“OTTAVA f”「SC-C70」がヒットモデルとなっている。「SC-C70はCDプレーヤーとスピーカーの一体型というユニークな存在で、UKで人気が出ました。今度のSC-C50はCDプレーヤーを外したことで、ワイヤレススピーカーとして、他社製品と直接競合するような製品になります。欧州では、749ユーロなら、専門店だけでなく量販店にも置いてもらえます。これまであまり開拓できていなかった北欧やフランスといった国々でも展開していきたいと考えています」(井谷氏)。ライフスタイル志向のモデルとして、Technics製品の拡大を狙っていくという。
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ドイツではアパレルメーカーとコラボし、TechnicsブランドのTシャツやポロシャツ、パーカー、コートといったアイテムまで展開し、認知度を高めている。オーディオファンに向けたSACD/ネットワークオーディオプレーヤー、ライフスタイル志向の“OTTAVA S”といった新たな製品の登場で、ブランドのさらなる広がりに期待できる出展となった。
(折原一也)
IFA 2018のパナソニックブース内に出展されていたSACDプレーヤーのプロトタイプ(関連ニュース)。まだ製品のモデル名も発表されていない段階だが、テクニクスCTOの井谷哲也氏から、製品について、より詳しい話を聞くことができた。
Technicsに加わる新製品のコンセプトは、SACD/ネットワークプレーヤーを一体化させた“マルチデジタルプレーヤー”。パナソニック初となるSACD再生機(ステレオ)であると共に、ネットワークオーディオプレーヤーとしても活用可能。またWi-Fiを内蔵し、AirPlayやChromecast built-In対応も果たしている。
Spotify、TIDAL、Deezer HiFiといった音楽ストリーミングサービスの再生も可能。DSDネイティブ再生やMQA、Roon Readyへも対応するなど、いまのトレンドを凝縮した、非常に多機能なプレーヤーとなる予定だ。Bluetotohは送受信に両対応。またLDACコーデックにも対応する予定だ。
アナログ出力のDACは旭化成のAK4493を採用。Dual Mono Construction DA回路や高品質のSACDドライブの搭載、超低ノイズを実現するSilent Hybrid Power Supply対応、SACD再生用のモードを備えるなど、Technicsのがこれまで培った技術を集結させている。
ディスクメカの直下は、3層になった制振構造のHigh Rigidity Chassisで、SACDのディスクトレイはアルミダイキャスト製の高剛性のものを採用。フロントパネルは7mm厚のアルミパネル、サイドパネルは3mm厚の仕様となっている。
Gラインの製品ということで「SU-G700」との連動動作も対応する。出力端子はバランス端子とアンバランス端子を装備。また光/同軸のデジタル入出力をそれぞれ備えている。
SACD再生への対応は、特に欧州からの要望が大きかったという。「2、3年前はハイレゾが伸び出した頃だったからか、あまり要望はなかったが、最近になってSACDを再生したいという声が明らかに増えています。我々の調査では、これまで累計で1万タイトル程度が出ていますが、ここ最近でもコンスタントに新作が出続けています。特にベルリン・フィルをはじめとした楽団が直接SACDをリリースしたりするケースもあり、月に30タイトル程度は出ているようです」(井谷氏)。
ハイレゾ全体の流れとしても、「DSD再生を支持する方は結構いらっしゃいます。DSDはファイルサイズが大きく、ネット配信がしづらいこともあり、SACDが欲しいという声があるようです。SACDとネットワークを一つの筐体に収めたら、さまざまな用途で使っていただけると考えています」とコメント。既に欧州からもポジティブなフィードバックが得られているようだ。
Technicsブランドの製品だからクオリティにも期待でき、SACDをカバーしつつ、最新のネットワーク機能も集結させている。IFA 2018で披露されたのはあくまで試作機で、製品化は2019年春から夏頃とまだまだ先だが、日本でもぜひ展開を期待したいモデルだ。
■UKにおける「SC-C70」のヒットを受け登場した『SC-C50』
Technicsブランドで発表したもう一つの製品が、“OTTAVA S”「SC-C50」だ(関連ニュース)。SC-C50は、ネットワークオーディオ再生に特化した3.1chの一体型ワイヤレススピーカーである。
同じOTTAVAの製品では、“OTTAVA f”「SC-C70」がヒットモデルとなっている。「SC-C70はCDプレーヤーとスピーカーの一体型というユニークな存在で、UKで人気が出ました。今度のSC-C50はCDプレーヤーを外したことで、ワイヤレススピーカーとして、他社製品と直接競合するような製品になります。欧州では、749ユーロなら、専門店だけでなく量販店にも置いてもらえます。これまであまり開拓できていなかった北欧やフランスといった国々でも展開していきたいと考えています」(井谷氏)。ライフスタイル志向のモデルとして、Technics製品の拡大を狙っていくという。
ドイツではアパレルメーカーとコラボし、TechnicsブランドのTシャツやポロシャツ、パーカー、コートといったアイテムまで展開し、認知度を高めている。オーディオファンに向けたSACD/ネットワークオーディオプレーヤー、ライフスタイル志向の“OTTAVA S”といった新たな製品の登場で、ブランドのさらなる広がりに期待できる出展となった。
(折原一也)