PCMC 吉清和芳社長 特別インタビュー
新しいくらし提案、困りごと解決、地域の絆づくり。店の価値を高めるパナソニックコンシューマーマーケティングの取り組み
また有望な商圏でありながらお店がない、空白エリアも存在します。私どもで有望な商圏を提示し、既存店に対して支店出店もご提案する。これも続々と事例が出ています。今後も「商圏戦略」推進を加速して参ります。
たとえばお店を運営されていたご夫妻がお二人とも高齢になって、顧客接点が少なくなってしまう。それが承継によってお役立ちの活動が強化されれば、お客様が増える、売上げが増える。事業承継は、増客や売上増の手段として非常に有効だということです。お客様にとってもお役立ちが増えるメリットは大きい。
「戦力強化」では、お店の従業員の採用を増やしていただく取り組みとして、webやモバイル広告など若年層、主婦層にも訴えやすい募集のお手伝いをしました。地域専門店様にとって従業員の減少も大きな課題でしたが、これに歯止めをかけることができた。年齢を重ねて卒業される方もいる一方で、採用実績そのものが増え、従業員数のトータルでは増加傾向です。新たに家電販売に従事しようという方が増加し、お店の人手が増え、お客様へのお役立ちにつながり、お客様の増加につながります。
日本国内に少子高齢化が進む中で年々5-7%のお客様が減少しています。専門店様はそれをいち早く実感されて独自に取り組まれてきた中で、「ショップバリュー政策」がうまく連携できたと思います。この1年間の足跡で政策の方向性に間違いはないと感じています。
ーー 新規のお客様はどのような方々でしょうか。
吉清 政策では、団塊ジュニアの方々を創客のターゲットとして重要視しています。専門店様が地域のコミュニティの一員として活躍される中で、新しいお客様との接点が生まれ、お店のブランド力が上がっています。そこでお役立ちをアピールし、新しいお客様が増加しています。
団塊ジュニアの方々へのご提案のひとつは、新築やリフォーム。初めて家をもたれるお客様へのアプローチです。私どもPCMCとパナソニック ホームズが連携してご提案を強化しており、効果を発揮しています。毎年開催される「優秀ご販売店様表彰」でも、昨年度から「パナソニック ホームズ優秀店賞」を設けましたが、専門店様が新築やリフォームの活動を活発化され、新しいお客様の獲得につなげています。
地域専門店販売網の中で大きな課題となっていたお店の減少、顧客の減少といった負のサイクルは底を打った。増客が実績として出ています。お店の戦力が強化され、お客様へのお役立ちが進む。冷蔵庫、エアコン、洗濯機、テレビといった大型商品に、小物商品、住宅、リフォーム、創蓄連携の商品、さらにまったく新たな商材により、お客様へのお役立ちの幅が広がる。地域専門店販売網を活性化し、そこに商品やサービスを提供することでお客様へのお役立ちを活発にします。「ショップバリュー政策」は手を緩めずに推進しなければなりません。
ーー ブランドショップのテストマーケティングとして展開されている「クラシンク」の手応えはいかがですか。こちらはまさに団塊ジュニア層をターゲットにされていますね。
吉清 「クラシンク」は、神奈川県藤沢市の「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン」のショッピングエリア「湘南T-SITE」内に昨年4月にオープンしました。団塊ジュニア世代の方々が数多く暮らす住宅街の中に実店舗を展開し、新しいライフスタイルや豊かなくらしの体験・体感ができる場、地域のコミュニティ機能を発揮する場づくりを推進しています。1年余りが経過し、お客様の指向性、どんなサービスがビジネスとして成立するかの収益性など、さまざまな検証を進めています。
■消費増税、東京オリンピック・パラリンピック、課題となるポイントに備えながら、お客様接点に磨きをかける
ーー 今年の消費増税に向けたお取り組みは。
吉清 地域専門店様に対して私どもでは、今年も従来通り夏場のパナソニックフェア、個展、秋の合展と、顧客接点をしっかりと持って販促提案させていただきます。10月の増税以降は、キャッシュレス・消費者還元や、住宅ローン減税、次世代住宅ポイント制度もスタートします。こうした中で増税の前も後も、販促の機会を数多く持たせていただくのが基本です。