新機軸の参加型プロモーション「PLAY the MUSIC」を開催
【インタビュー】ソニー、没入型・ながら聴き・ファッションなど縦横無尽なヘッドホンの楽しみ方を率先提案
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ソニーマーケティング株式会社
新しい提案を盛り込み、キラリと光る新商品でヘッドホン市場を鼓舞するリーディングブランド「ソニー」。聴き方、楽しみ方が縦横無尽に進化していくなか、「好きな時間に好きな場所で好きな音楽にアクセスができる、多様化する試聴スタイルに合わせた商品提案が求められている」と訴える大北大介氏。ヘッドホン市場創造へ向けた意気込みを聞く。<インタビュアー 音元出版 代表取締役・風間雄介>
ソニーマーケティング株式会社
プロダクツビジネス本部
モバイルエンタテインメント プロダクツビジネス部
統括部長
大北大介氏
プロフィール/1999年 ソニーマーケティング株式会社入社。国内や北米でテレビ、デジタルイメージング、モバイルオーディオなど幅広くプロダクツマーケティングを担当。2023年よりモバイルエンタテインメントプロダクツビジネス部の統括部長に就任。現在に至る。
―― ソニーのヘッドホンと言えば、正式発表前からファンの間でも大きな盛り上がりを見せた、昨年9月に発売された完全ワイヤレスヘッドホンの人気モデル「WF-1000XM5」をはじめ、制作者やプロ向けのモニターヘッドホンでありながら、高度な空間再現力から数多くのオーディオファンを魅了する開放型ヘッドホン「MDR-MV1」、耳に装着する部分に穴を開けるというアイデアで世間をあっと言わせた「LinkBuds」は10月に新製品が発表され話題を集めるなど、本当に数多くの商品で力強く市場を牽引されています。
大北 我々のヘッドホンの特徴として、インナーイヤーからオーバーヘッドバンド、さらに耳掛け式にネックバンド、また、Bluetoothと有線それぞれのタイプがあり、ラインナップが縦横に幅広く揃っていることがあげられます。
そのなかでもメインとなるイヤホンでは、昨年発売した完全ワイヤレスヘッドホン「WF-1000XM5」が高い人気を得ています。世界最高クラスのノイキャンと高い装着性に加え、とりわけ高音質で音楽を楽しまれたい方から大きな支持を獲得しています。
そして、もうひとつの柱となるのが“ながら聴き”です。最近の調査では、20代以下のユーザーでは長時間にわたりヘッドホンを着けたままにしている割合が高まっています。スマホをしながら、運動をしながら、仕事をしながらなど、常に何かをしながらヘッドホンを着けたままで音楽をながら聴きしている方が増えてきています。
WF-1000XM5のように没頭して音楽に聴き込むのとはまた違ったニーズで、そこへ新製品としてこの秋、快適なフィット感で長時間着けていても疲れを感じにくい「LinkBuds Fit」と、2022年に発売した穴開きの「LinkBuds」の後継機となる「LinkBuds Open」を発売しました。
「LinkBuds Open」は、オフィスでテレワークをしているときに、誰かから話しかけられる可能性がある。外を歩いているときに、車の音なども少し聴こえないと不安に感じる。そんな、耳をふさがずに周囲の音や自分の声を自然に聞きながら、会話や音楽などのコンテンツを同時に楽しみたいというさまざまなシーンにお応えします。
イヤホン市場ではオープンタイプが広がっていますが、耳に掛けるフックタイプ、耳に挟んで装着するイヤーカフ型などさまざまなタイプがあります。ソニーではでき得る限り高音質で音楽を聴いていただきたいとの強い想いから、鼓膜に近い位置にドライバーを置き、同時に外音もきちんと取り込めるスタイルとして、穴開きで耳の中に入れるオープン型を提案させていただいています。
―― “ながら聴き”には本当にいろいろな形があり、必ずしもオープンタイプとは限らず、耳の穴を塞いでいるものもあります。「完全ワイヤレス」のようなわかりやすい名称が付けられればいいのですが…。
大北 「LinkBuds Fit」もながら聴きに適した商品ですが、オープンタイプではありません。形が千差万別なのは、それだけお客様の好みが分かれているということですが、装着感と音質のバランスをとることが重要と考えています。
耳の形によって合う・合わないはありますので、今回の新製品「LinkBuds Fit」「LinkBuds Open」では「フィッティングサポーター」を採用しました。勾玉のような形状をした軟らかいシリコンで、中には空気を含んだ柔らかいサポーターを備え、それを耳の中に引っ掛けていただくことで装着感を高めています。
LinkBuds Fit ではさらにイヤーピースが耳の中に密閉して入らないように通常より浅くし、長時間着けても疲れにくいようにしています。普通は密閉しないと落ちやすくなるのですが、今申し上げたような仕組みを取り入れることで、落ちにくいように工夫されています。
―― フック形状のオープンモデルもありますが、個人的にはやはり音漏れに少々不安を感じます。自分が聴いているコンテンツを周りの人に聞かれているのではないかと(笑)。
大北 お客様からもそうした声が数多く上がっています。今回の「LinkBuds Fit」は音漏れしにくく、軽やかな装着感で高音質、まさにそのような不安や悩みを持たれている方にもお薦めできます。
―― オーバーヘッドバンドタイプも最近は街中で着けている人を見かける機会が増えたように思います。
大北 対前年比の伸び率では、オーバーヘッドバンドがインイヤーを上回っており、昨年から急速に伸びが目立ち始めました。おっしゃられるように街中で若い人が着けているシーンも大変増えています。以前は大きくて目立つからと避けられていたのですが、ファッションアイテムのひとつとして定着してきたことが追い風になっています。
すでに欧米では先行して人気が出ていました。インイヤーに比べて素軽く着けられる、紛失の可能性が少ない、耳に合うかどうかを迷わなくても済むといったメリットも指摘されています。
ラインナップとしては、世界最高クラスノイキャンの1000Xシリーズ「WH-1000XM5」、4月26日に発売した重低音を強化した「ULT WEAR」、ファッション性を高め、価格も手ごろにした「WH-CH720N」「WH-CH520」を揃え、いずれのモデルも非常に好調に推移しています。
オーバーヘッドバンドはその形状から、気温の上がる夏になると数が落ちる季節変動が見られるのですが、この夏は猛暑にも関わらず前年からの伸び率をキープしています。
―― WH-1000XM5では9月に新色「スモーキーピンク」を投入されました。
大北 このスモーキーピンクは非常に肌馴染みのいい色に仕上がっています。WF-1000XM5もそうなのですが、白と黒は耳に着けていることがわかりやすいですが、スモーキーピンクは自然に馴染む特性を備えていて、ぱっと見では着けていることがわからないくらいに馴染みます。年末商戦に向けてはファッション性の訴求にも力を入れて参ります。
―― ファッション軸だとタッチポイントも変わってきますか。
大北 WEBの訴求では、「ファッションを自由にするヘッドホン」を掲げた「S.tyles」というスペシャルサイトを設け、K-POPアーティスト「LE SSERAFIM」(ル・セラフィム)とコラボし、魅力を発信しています。商品の技術説明もできるだけわかりやすい表現を用いて、ファンション軸・カジュアル軸で若い人が閲覧するスマホに最適化した縦型の画面で構成しています。
店頭では特約店様にご協力いただき、昨年からファッション提案コーナーを順次設けています。ここも「LE SSERAFIM」(ル・セラフィム)を使ってピンク調をイメージカラーに一新しています。ヘッドホンでは重要なタッチポイントとなる店頭からも、ファッションアイテムとしての気づきを提案していきます。スモーキーピンクは女性に限らず、事前調査では20代の男性からも好評いただいています。
―― 金額的には5万円台と若い人にはやや高額に感じるのではないかとの印象も受けます。
大北 若い人も買い物にはメリハリがあり、自分が気に入ったものや「ここぞ!」というときには金額を惜しみません。WF-1000XM5に対しても、そうした評価、満足感をいただいており、若い方にも大変高い人気があります。
―― 新製品では「ULT WEAR」も人気がありますね。
大北 重低音を好まれる方はやはり根強くいらっしゃいます。また、ラインナップでは「WH-1000XM5」と「WH-CH720N」との間の3万円台に位置する商品で、重低音重視という特長あるモデルですが、価格面からもバランスがとれています。
―― ながら聴きやファッションを軸としたオーバーヘッドバンドなど、さらなる需要喚起が期待されます。
大北 ベースとしてお客様のニーズが大変多様化してきています。ストリーミングサービスに加入される方が国内でも増えてきて、昔のように何かひとつの聴き方、楽しみ方というのではなく、好きな時間に好きな場所で好きな音楽にアクセスすることができます。そうした多様化する試聴スタイルに合わせた商品提案が不可欠となります。
引き続き「1000Xシリーズ」に代表される高音質、没入系の商品の訴求をしっかりやりながら、同時にながら聴きやスモーキーピンクを追加したファッション軸のオーバーヘッドバンドの提案など、お客様のニーズに合わせた複数のご提案をしていきます。
―― ターゲットとするお客様にいかにしてメッセージを届けるか。プロモーションもいろいろな切り口から展開されていらっしゃいます。
大北 今回、新商品の「LinkBuds Fit」では、キタニタツヤさんとタイアップした「PLAY the MUSIC」というプロジェクトを展開しています。LinkBuds FitのWEB CMとプロジェクトムービーづくりに、キタニタツヤさんと一緒に、募集した一般の方約100名に楽器の演奏や合唱、ダンサーなどのパフォーマーとして参加していただきました。一方通行の広告ではなく、アーティスト、さらには一般の方までを巻き込んだ、新しい参加型の取り組みとなっています。
―― オーディオ市場では長らく若年層を中心とした新規層の掘り起こしが大きな課題となっています。オーディオの魅力を訴えていくためにも、さまざまな角度からのアプローチが必要になりますね。若年層を増やしていくために、どのようにアプローチしてオーディオの魅力をわかってもらうのか。
大北 オーディオに関心が深い40代以上に対する、専門用語や横文字の多い技術説明による訴求とは逆に、本当にベーシックなところから丁寧に若い世代の生活スタイルや使用シーンに合った魅力を伝えていく必要があると思っています
さきほどご説明した「PLAY the MUSIC」も、音楽の世界を若い方と一緒に楽しくしていこうよという取り組みになります。商品とアーティストとお客様がひとつの場に置かれて、そこから果たしてどのような化学反応が生まれてくるのか。そうしたチャレンジもきちんと行っていきたいと思います。
ソニーマーケティング株式会社
新しい提案を盛り込み、キラリと光る新商品でヘッドホン市場を鼓舞するリーディングブランド「ソニー」。聴き方、楽しみ方が縦横無尽に進化していくなか、「好きな時間に好きな場所で好きな音楽にアクセスができる、多様化する試聴スタイルに合わせた商品提案が求められている」と訴える大北大介氏。ヘッドホン市場創造へ向けた意気込みを聞く。<インタビュアー 音元出版 代表取締役・風間雄介>
ソニーマーケティング株式会社
プロダクツビジネス本部
モバイルエンタテインメント プロダクツビジネス部
統括部長
大北大介氏
プロフィール/1999年 ソニーマーケティング株式会社入社。国内や北米でテレビ、デジタルイメージング、モバイルオーディオなど幅広くプロダクツマーケティングを担当。2023年よりモバイルエンタテインメントプロダクツビジネス部の統括部長に就任。現在に至る。
■急拡大する“ながら聴き”に新商品「LinkBuds Fit」「LinkBuds Open」
―― ソニーのヘッドホンと言えば、正式発表前からファンの間でも大きな盛り上がりを見せた、昨年9月に発売された完全ワイヤレスヘッドホンの人気モデル「WF-1000XM5」をはじめ、制作者やプロ向けのモニターヘッドホンでありながら、高度な空間再現力から数多くのオーディオファンを魅了する開放型ヘッドホン「MDR-MV1」、耳に装着する部分に穴を開けるというアイデアで世間をあっと言わせた「LinkBuds」は10月に新製品が発表され話題を集めるなど、本当に数多くの商品で力強く市場を牽引されています。
大北 我々のヘッドホンの特徴として、インナーイヤーからオーバーヘッドバンド、さらに耳掛け式にネックバンド、また、Bluetoothと有線それぞれのタイプがあり、ラインナップが縦横に幅広く揃っていることがあげられます。
そのなかでもメインとなるイヤホンでは、昨年発売した完全ワイヤレスヘッドホン「WF-1000XM5」が高い人気を得ています。世界最高クラスのノイキャンと高い装着性に加え、とりわけ高音質で音楽を楽しまれたい方から大きな支持を獲得しています。
そして、もうひとつの柱となるのが“ながら聴き”です。最近の調査では、20代以下のユーザーでは長時間にわたりヘッドホンを着けたままにしている割合が高まっています。スマホをしながら、運動をしながら、仕事をしながらなど、常に何かをしながらヘッドホンを着けたままで音楽をながら聴きしている方が増えてきています。
WF-1000XM5のように没頭して音楽に聴き込むのとはまた違ったニーズで、そこへ新製品としてこの秋、快適なフィット感で長時間着けていても疲れを感じにくい「LinkBuds Fit」と、2022年に発売した穴開きの「LinkBuds」の後継機となる「LinkBuds Open」を発売しました。
「LinkBuds Open」は、オフィスでテレワークをしているときに、誰かから話しかけられる可能性がある。外を歩いているときに、車の音なども少し聴こえないと不安に感じる。そんな、耳をふさがずに周囲の音や自分の声を自然に聞きながら、会話や音楽などのコンテンツを同時に楽しみたいというさまざまなシーンにお応えします。
イヤホン市場ではオープンタイプが広がっていますが、耳に掛けるフックタイプ、耳に挟んで装着するイヤーカフ型などさまざまなタイプがあります。ソニーではでき得る限り高音質で音楽を聴いていただきたいとの強い想いから、鼓膜に近い位置にドライバーを置き、同時に外音もきちんと取り込めるスタイルとして、穴開きで耳の中に入れるオープン型を提案させていただいています。
―― “ながら聴き”には本当にいろいろな形があり、必ずしもオープンタイプとは限らず、耳の穴を塞いでいるものもあります。「完全ワイヤレス」のようなわかりやすい名称が付けられればいいのですが…。
大北 「LinkBuds Fit」もながら聴きに適した商品ですが、オープンタイプではありません。形が千差万別なのは、それだけお客様の好みが分かれているということですが、装着感と音質のバランスをとることが重要と考えています。
耳の形によって合う・合わないはありますので、今回の新製品「LinkBuds Fit」「LinkBuds Open」では「フィッティングサポーター」を採用しました。勾玉のような形状をした軟らかいシリコンで、中には空気を含んだ柔らかいサポーターを備え、それを耳の中に引っ掛けていただくことで装着感を高めています。
LinkBuds Fit ではさらにイヤーピースが耳の中に密閉して入らないように通常より浅くし、長時間着けても疲れにくいようにしています。普通は密閉しないと落ちやすくなるのですが、今申し上げたような仕組みを取り入れることで、落ちにくいように工夫されています。
―― フック形状のオープンモデルもありますが、個人的にはやはり音漏れに少々不安を感じます。自分が聴いているコンテンツを周りの人に聞かれているのではないかと(笑)。
大北 お客様からもそうした声が数多く上がっています。今回の「LinkBuds Fit」は音漏れしにくく、軽やかな装着感で高音質、まさにそのような不安や悩みを持たれている方にもお薦めできます。
■ファッションアイテムとして活況のオーバーヘッドに新色スモーキーピンク
―― オーバーヘッドバンドタイプも最近は街中で着けている人を見かける機会が増えたように思います。
大北 対前年比の伸び率では、オーバーヘッドバンドがインイヤーを上回っており、昨年から急速に伸びが目立ち始めました。おっしゃられるように街中で若い人が着けているシーンも大変増えています。以前は大きくて目立つからと避けられていたのですが、ファッションアイテムのひとつとして定着してきたことが追い風になっています。
すでに欧米では先行して人気が出ていました。インイヤーに比べて素軽く着けられる、紛失の可能性が少ない、耳に合うかどうかを迷わなくても済むといったメリットも指摘されています。
ラインナップとしては、世界最高クラスノイキャンの1000Xシリーズ「WH-1000XM5」、4月26日に発売した重低音を強化した「ULT WEAR」、ファッション性を高め、価格も手ごろにした「WH-CH720N」「WH-CH520」を揃え、いずれのモデルも非常に好調に推移しています。
オーバーヘッドバンドはその形状から、気温の上がる夏になると数が落ちる季節変動が見られるのですが、この夏は猛暑にも関わらず前年からの伸び率をキープしています。
―― WH-1000XM5では9月に新色「スモーキーピンク」を投入されました。
大北 このスモーキーピンクは非常に肌馴染みのいい色に仕上がっています。WF-1000XM5もそうなのですが、白と黒は耳に着けていることがわかりやすいですが、スモーキーピンクは自然に馴染む特性を備えていて、ぱっと見では着けていることがわからないくらいに馴染みます。年末商戦に向けてはファッション性の訴求にも力を入れて参ります。
―― ファッション軸だとタッチポイントも変わってきますか。
大北 WEBの訴求では、「ファッションを自由にするヘッドホン」を掲げた「S.tyles」というスペシャルサイトを設け、K-POPアーティスト「LE SSERAFIM」(ル・セラフィム)とコラボし、魅力を発信しています。商品の技術説明もできるだけわかりやすい表現を用いて、ファンション軸・カジュアル軸で若い人が閲覧するスマホに最適化した縦型の画面で構成しています。
店頭では特約店様にご協力いただき、昨年からファッション提案コーナーを順次設けています。ここも「LE SSERAFIM」(ル・セラフィム)を使ってピンク調をイメージカラーに一新しています。ヘッドホンでは重要なタッチポイントとなる店頭からも、ファッションアイテムとしての気づきを提案していきます。スモーキーピンクは女性に限らず、事前調査では20代の男性からも好評いただいています。
―― 金額的には5万円台と若い人にはやや高額に感じるのではないかとの印象も受けます。
大北 若い人も買い物にはメリハリがあり、自分が気に入ったものや「ここぞ!」というときには金額を惜しみません。WF-1000XM5に対しても、そうした評価、満足感をいただいており、若い方にも大変高い人気があります。
―― 新製品では「ULT WEAR」も人気がありますね。
大北 重低音を好まれる方はやはり根強くいらっしゃいます。また、ラインナップでは「WH-1000XM5」と「WH-CH720N」との間の3万円台に位置する商品で、重低音重視という特長あるモデルですが、価格面からもバランスがとれています。
■一般の方も巻き込んだ新機軸のプロモーション「PLAY the MUSIC」
―― ながら聴きやファッションを軸としたオーバーヘッドバンドなど、さらなる需要喚起が期待されます。
大北 ベースとしてお客様のニーズが大変多様化してきています。ストリーミングサービスに加入される方が国内でも増えてきて、昔のように何かひとつの聴き方、楽しみ方というのではなく、好きな時間に好きな場所で好きな音楽にアクセスすることができます。そうした多様化する試聴スタイルに合わせた商品提案が不可欠となります。
引き続き「1000Xシリーズ」に代表される高音質、没入系の商品の訴求をしっかりやりながら、同時にながら聴きやスモーキーピンクを追加したファッション軸のオーバーヘッドバンドの提案など、お客様のニーズに合わせた複数のご提案をしていきます。
―― ターゲットとするお客様にいかにしてメッセージを届けるか。プロモーションもいろいろな切り口から展開されていらっしゃいます。
大北 今回、新商品の「LinkBuds Fit」では、キタニタツヤさんとタイアップした「PLAY the MUSIC」というプロジェクトを展開しています。LinkBuds FitのWEB CMとプロジェクトムービーづくりに、キタニタツヤさんと一緒に、募集した一般の方約100名に楽器の演奏や合唱、ダンサーなどのパフォーマーとして参加していただきました。一方通行の広告ではなく、アーティスト、さらには一般の方までを巻き込んだ、新しい参加型の取り組みとなっています。
―― オーディオ市場では長らく若年層を中心とした新規層の掘り起こしが大きな課題となっています。オーディオの魅力を訴えていくためにも、さまざまな角度からのアプローチが必要になりますね。若年層を増やしていくために、どのようにアプローチしてオーディオの魅力をわかってもらうのか。
大北 オーディオに関心が深い40代以上に対する、専門用語や横文字の多い技術説明による訴求とは逆に、本当にベーシックなところから丁寧に若い世代の生活スタイルや使用シーンに合った魅力を伝えていく必要があると思っています
さきほどご説明した「PLAY the MUSIC」も、音楽の世界を若い方と一緒に楽しくしていこうよという取り組みになります。商品とアーティストとお客様がひとつの場に置かれて、そこから果たしてどのような化学反応が生まれてくるのか。そうしたチャレンジもきちんと行っていきたいと思います。