「HP-A8」は105,000円、「TH900」は157,500円

<ヘッドフォン祭>フォステクスがヘッドホンアンプ「HP-A8」とヘッドホン「TH900」を正式発表、仕様や価格などが明らかに

公開日 2011/10/29 17:52 ファイル・ウェブ編集部
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
フォステクス カンパニーは、先日発表した32bitDAC搭載ヘッドホンアンプ「HP-A8」、ヘッドホン「TH900」の発表会を、「秋のヘッドフォン祭 2011」にて開催。両製品の発売日や価格などを明らかにした。

TH900とHP-A8

新製品試聴コーナーには長蛇の列が

■32bitDAC搭載ヘッドホンアンプ「HP-A8」
2012年1月31日発売 ¥105,000(税込)

HP-A8はAKMの32bit DAC「AK4399」を搭載したモデルで「HP-Aシリーズ」の最上位機種。オールディスクリート構成としている。


HP-A8
Mac使用時は、USB経由で192kHz/32bitの信号伝送が行える(Windowsは24bitまで)。Windows 7の場合は192kHz/24bitまで、それ以外は96kHz/24bitまでの対応となる。現在Windows XP/Vista用のドライバーを作るかどうか検討中とのことだ。

SD /SDHCカードスロットを搭載し、SDカードに保存したDSDファイル(フォーマットはDSF)の再生が可能なのが大きな特徴だ。大容量トロイダル電源トランスを採用し、電源部も強化している。

HP-A8のリア部。SDカードスロットを備えDSD音源再生に対応する。SDカードスロットはソフトウェアアップデートにも使用する

大容量トロイダル電源トランス(写真左下)を採用し、電源部も強化

USB経由でのDSD再生も「近いうちにソフトウェアアップデートで対応したい」(同社 山口氏)とのこと。現状USB経由でのDSD転送方式が規格化していないため、現在さまざまな関連者と協議を進めているとのことだ。

入力端子はUSB、AES/EBU、同軸デジタル、光デジタル2系統、アナログRCA端子を、出力端子にはヘッドホン端子2系統、アナログRCA端子を用意する。「こういった製品だと、なぜXLR端子を乗せなかったの?とよく訊かれるが、そこは我々も非常に迷った点。XLRを乗せるにはリアパネルの面積が足りなかったこと、そして、XLRを乗せた場合アナログ入力端子を捨てなければいけなかったことが理由」(同社 山口氏)とのこと。

HP-A8の背面端子部

クロックにはTCXOクロックを採用。アシンクロナスモードにも対応する。また、USB入力/SDカード再生時以外での動作の場合、動作クロックは内蔵クロックと外部クロックの切換えも可能だ。

デジタルフィルター切換機能も搭載。アップサンプリング機能も備え、2倍/4倍/アップサンプリングOFFから選ぶことができる。

アップサンプリング機能も搭載

ヘッドホン出力は、最大12dBまで、0.5dBごとに24段階のゲイン切換が可能。またヘッドホンボリュームに依存しないダイレクトアウト機能も備える。ボリュームはMUSESのオーディオ用電子ボリュームを採用した。

ヘッドホン出力は、最大12dBまで、0.5dBごとに24段階のゲイン切換が可能

フロント部には有機ELディスプレイを搭載し、再生中のフォーマットなどを表示することができる。また、専用リモコンを付属する。

専用リモコンを付属する


■フラグシップヘッドホン「TH900」
2012年1月31日発売 ¥157,500(税込)


TH900
「同社初のフラグシップヘッドホン」という本機。同社が実績を持つ密閉型で、マグネットを2基搭載した磁束密度1.5テスラの新開発50mmドライバーを搭載。低歪率な強力磁気回路により、広大なダイナミックレンジを実現するという。

新開発50mmドライバーを搭載

マグネットを2基搭載し、磁束密度を高めた

振動版には、超極細なバイオセルロース繊維素材を利用した「バイオダイナ」を採用。これはパルプなどよりもきめ細かい素材で、超低域の豊かな音、素直な中域、プレゼンスに優れた高域再生が可能だという。

振動板には超極細なバイオセルロース繊維素材を利用した「バイオダイナ」を採用

ハウジングには、肌目が緻密で堅い「水目桜」を採用。仕上げは創業110年を誇る老舗「坂本乙造商店」による「漆・ボルドー仕上げ」を施している。漆を塗った上に銀箔を散らしており、「FOSTEX」のロゴはプラチナ箔。職人の手作業により作られた工芸品とも言える美しさを持つ。

ハウジングは水目桜に漆と銀箔仕上げ。

ケーブルには7Nグレード(99.99999%)の高純度OFCを採用。導体の径を太くし、断面積を大きくしている。また、芯線を太くし、強度をあげた。プラグスリーブはジュラルミン製。

プラグスリーブはジュラルミン製

微妙に傾斜した設計で、頭に柔らかくフィットするイヤーパッド。

イヤーパッドには出光製Grancuirを採用。これは卵由来のプロテインを配合した合皮で、心地よい肌触りを実現しつつ、耐久性も高めている。そして、本革対比60%の軽量化も実現したという。イヤーパッドは頭にぴったりフィットするよう、微妙な傾斜がついている設計。外して交換することも可能だ。


◇ ◇ ◇


発表会では、フォステクス カンパニーの新町政樹氏が挨拶。1973年に設立し、再来年にはブランド創立40周年を迎えるという同社。業務用ハイエンド機のノウハウをコンシューマー向けに活かし、スピーカーやヘッドホン、オーディオレコーダーなどを手掛けている。

フォステクス カンパニー 新町政樹氏

「フォステクスは“音の入り口から出口まで”を基本理念としており、プロオーディオでは“伝えたい音、残したい音”、ハイファイオーディオでは“モニター思想の血統”、パーソナルオーディオでは“音楽のある生活”、クラフトオーディオは“マイ・オリジナル・サウンド”をコンセプトに、多くの方々に良い音楽を手軽に楽しんでもらえるよう積極的に活動している」と語った新町氏。今回発表した2製品に至るまでの同社の製品ヒストリーを紹介した。

フォステクス最初のヘッドホン・Tシリーズ(1974年発売)。前面振動板を採用したモデル

その後、前面振動板採用モデルを拡大。アメリカなどでスタジオモニターヘッドホンとしてシェアを獲得していった


Tシリーズはモデルチェンジを行っていき、T-10/T-20、T-40/T-45などのスタジオモニターヘッドホンを世に送り出した

手頃な価格のダイナミック型ヘッドホン「Tシリーズ」も登場した


最近ではパーツの色を自由にセレクトできる「KOTORI」シリーズが人気を集めている


1989年にDATレコーダーを発売

ポータブルDATレコーダーは映画のロケなどで採用されたという


DVD/HDDレコーダーも発売

これまでの技術を応用して近年はUSB-DACをリリース

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE