“質”重視、ユーザー目線の店舗作り
【Senka21】あの「ハードオフ」がオーディオに特化。 3年目迎えた新業態『オーディオサロン』のいま
■もっとオーディオや音楽の魅力を発信していきたい
ハードオフ業態の店舗が300店を突破する中、「オーディオサロン」は原点である“オーディオ”を深化させた新業態として登場した。「日本では今、いろいろな面で“量から質へ”と価値観が切り換わっています。その時流にもうまく乗ることができたと思います。お客様は裁判官。『NO』と言えばついてきてはくれないわけですから、そこできちんと評価を得ることができたと確信しています」。
同社では4月9日に“楽器”を深掘りした専門店「ハードオフ楽器スタジオ」をオープン。新潟にはジャズストリートなどもあり、同店のオープンを機に「改めて、音楽を聴く人だけでなく、自ら弾きたい人もたくさんいることを実感しました。音楽は皆、つながってきます。オーディオも音楽ももっとたくさんの人に楽しんでもらいたい。『こんなにいい音で聴けるんですよ』という体験、気づきが何より重要と考えています」と語る。
現在オーディオサロンのユーザー層は、退職して時間の余裕もできた60代の男性が中心。土蔵をオーディオルームにしてしまう人もいるそうだ。一方、店で聴いた音を自分の部屋でもぜひ聴いてみたい、そんなオーディオが新鮮に映る若いユーザーも珍しくないという。
オーディオ販売には豊富な経験が求められるが、「やりたい人にやってもらうのが一番」という考えのもと、同店のスタッフは社内公募で人選・選抜を行っている。ベテランスタッフを揃えたオーディオサロンだが「オーディオ好きな社員を発掘し、引き継いでくれる人を育てていきたい」と、後継者の育成に対して“もう一つの大きなテーマ”として捉え、更に力を入れて取り組んでいく構えだ。
新規出店に際し「Audio Selection」試聴コーナーを導入する店舗が増えている中、番場店長は「お客様の不安や迷いに応えることができれば、必ずうまくいきます。これまでは広く浅い知識が求められましたが、これからは深めることがもっと大事になってくる」と指摘する。
新潟紫竹山店のこれからについては「やってみたいことはまだまだたくさんありますよ。音楽はいろいろな力を持っています。それを常に発信していける店でありたいですね」と意気込みを語ってくれた。ハードオフのオーディオ展開の鍵を握る、オーディオサロンの更なる“シンカ”から目が離せない。
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