セレクターは音楽評論家・小野島 大氏
「ハイレゾ音源大賞」11月度の大賞はOGRE YOU ASSHOLE「ハンドルを放す前に」
ハイレゾ配信サイト e-onkyo music、mora、OTOTOY、VICTOR STUDIO HD-Music.の合同企画「ハイレゾ音源大賞」。11月度の大賞が発表された。
今月のセレクターは音楽評論家・小野島 大氏。今回はOTOTOYが推薦したOGRE YOU ASSHOLEの「ハンドルを放す前に」が大賞に選ばれた。
小野島氏のコメントは以下のとおり。
オウガ・ユー・アスホールの『ハンドルを放す前に』は、バンドがエンジニアの中村宗一郎と共にアナログ機材を駆使して、マンツーマンでたっぷりと時間かけて作り上げた録音芸術の粋である。音のない隙間を効果的に生かし、音の鳴りと響きを重視して、奥行きと幅のある立体的な音響として圧倒的な完成度の高さだ。CDに比べると低域の伸びと音像の奥行きの深さが違う印象。隅々までアーティストの意思が行き渡っていて、無駄な音が一個もない。AORやシティ・ポップスにも通じるソフト&メロウな音楽性なのに、怖いほどの密度の高さとヒリヒリするような緊張感。歌や演奏や歌詞やメロディだけでははかれない総合録音芸術であり、これこそが2016年の音楽である。
4作品のうち、音楽性も録音の時期も方向性もバラバラなので優劣はつけがたいが、ここは、「2016年の録音芸術」として必要にして十分な要素を無駄なく配置し、24/48(24bit / 48kHz)というフォーマットを存分に完璧に生かした構成力で見事な高みを示したオウガ・ユー・アスホールに、第3回ハイレゾ音源大賞を進呈したい。この異様なまでに完成度の高い音源を、ライヴでどう展開するのか。楽しみだ。
なお、今回各サイトが推薦したタイトルは以下となっている。
■OTOTOY
・ハンドルを放す前に / OGRE YOU ASSHOLE(48kHz/24bit)
<OTOTOYからの推薦コメント>
2016年本命遂に登場! 唯一無二の存在感を放つサウンドを送り出す、インディ・ロック・シーンの雄、OGRE YOU ASSHOLE。このたび2年ぶりの最新作『ハンドルを放す前に』をハイレゾ版でリリース。レコーディングは、PEACE MUSICにて、名エンジニア中村宗一郎によって。クラウトロックやポストロック、ソフトロックなどなどさまざまな要素が溶け合うあらたなサイケデリック・ポップスのスタンダード。音の隙間や響きまで、その表現としてぜひともハイレゾでお楽しみください。
■VICTOR STUDIO HD-Music.
Watching from Above Vol.1&2 / KOKIA(192kHz/24bit)
<VICTOR STUDIO HD-Music.からの推薦コメント>
KOKIAは、「ボーダーレスな歌声」と呼ばれる変幻自在なその歌声でヨーロッパやアジアなど世界でも高い評価を得ているミュージシャン。本作は、KOKIA自身がリスペクトする楽曲のカバーに、書き下ろしの新曲1曲を加えた、透明感あふれるアコースティックアレンジによるジャズの名曲カバーアルバムです。特筆すべきは、本作の制作にあたって、ビクタースタジオが全面的にバックアップしているということ。録音には、ナチュラルなアンビエンスで定評のある301スタジオを使用、スタジオのチーフエンジニアがレコーディングからミックスダウン、マスタリングまでの工程を192kHz/24bit以上のフォーマットで手掛けたハイレベルなハイレゾ作品となっています。ハイレゾ音源ならではの歌の表現力と生演奏のニュアンスをお楽しみください。
■e-onkyo music
The Real Royal Albert Hall 1966 Concert (Live) / Bob Dylan(96kHz/24bit)
<e-onkyo musicからの推薦コメント>
Bob Dylanがノーベル文学賞を受賞した2016年、それに呼応するように発売されるのがこの作品。50年前の1966年5月26日、当時25歳のBob Dylanによる英ロイヤル・アルバート・ホールのライブ・パフォーマンスを収録した作品です。これまでマンチェスター公演が誤って『ロイヤル・アルバート・ホール』とされていましたが、CBSレコードがライブ・アルバム制作のために正式録音していた音源が初めてリリースされました。50年前とは思えないクリアな録音は特筆に値するでしょう。若き日のBob Dylanがハイレゾで現代に蘇ります。
■mora
Wired / Jeff Beck(96kHz/24bit)
<moraからの推薦コメント>
moraが2016年11月度の作品として推薦するのは、ギター・インストの金字塔作品である75年の『ブロウ・バイ・ブロウ』と並び称される名盤として、特に日本での人気が高い76年発表のJeff Beck「Wired」のハイレゾ音源。ジェフ・ベックは、弾きまくるアルバム、インストアルバム、フュージョンアルバム、テクノアルバムなど各アルバムによってギターのアプローチを変えるのが特徴だが、このアルバムでは「間」が味わえるギターに没頭して欲しい。
今月のセレクターは音楽評論家・小野島 大氏。今回はOTOTOYが推薦したOGRE YOU ASSHOLEの「ハンドルを放す前に」が大賞に選ばれた。
小野島氏のコメントは以下のとおり。
オウガ・ユー・アスホールの『ハンドルを放す前に』は、バンドがエンジニアの中村宗一郎と共にアナログ機材を駆使して、マンツーマンでたっぷりと時間かけて作り上げた録音芸術の粋である。音のない隙間を効果的に生かし、音の鳴りと響きを重視して、奥行きと幅のある立体的な音響として圧倒的な完成度の高さだ。CDに比べると低域の伸びと音像の奥行きの深さが違う印象。隅々までアーティストの意思が行き渡っていて、無駄な音が一個もない。AORやシティ・ポップスにも通じるソフト&メロウな音楽性なのに、怖いほどの密度の高さとヒリヒリするような緊張感。歌や演奏や歌詞やメロディだけでははかれない総合録音芸術であり、これこそが2016年の音楽である。
4作品のうち、音楽性も録音の時期も方向性もバラバラなので優劣はつけがたいが、ここは、「2016年の録音芸術」として必要にして十分な要素を無駄なく配置し、24/48(24bit / 48kHz)というフォーマットを存分に完璧に生かした構成力で見事な高みを示したオウガ・ユー・アスホールに、第3回ハイレゾ音源大賞を進呈したい。この異様なまでに完成度の高い音源を、ライヴでどう展開するのか。楽しみだ。
なお、今回各サイトが推薦したタイトルは以下となっている。
■OTOTOY
・ハンドルを放す前に / OGRE YOU ASSHOLE(48kHz/24bit)
<OTOTOYからの推薦コメント>
2016年本命遂に登場! 唯一無二の存在感を放つサウンドを送り出す、インディ・ロック・シーンの雄、OGRE YOU ASSHOLE。このたび2年ぶりの最新作『ハンドルを放す前に』をハイレゾ版でリリース。レコーディングは、PEACE MUSICにて、名エンジニア中村宗一郎によって。クラウトロックやポストロック、ソフトロックなどなどさまざまな要素が溶け合うあらたなサイケデリック・ポップスのスタンダード。音の隙間や響きまで、その表現としてぜひともハイレゾでお楽しみください。
■VICTOR STUDIO HD-Music.
Watching from Above Vol.1&2 / KOKIA(192kHz/24bit)
<VICTOR STUDIO HD-Music.からの推薦コメント>
KOKIAは、「ボーダーレスな歌声」と呼ばれる変幻自在なその歌声でヨーロッパやアジアなど世界でも高い評価を得ているミュージシャン。本作は、KOKIA自身がリスペクトする楽曲のカバーに、書き下ろしの新曲1曲を加えた、透明感あふれるアコースティックアレンジによるジャズの名曲カバーアルバムです。特筆すべきは、本作の制作にあたって、ビクタースタジオが全面的にバックアップしているということ。録音には、ナチュラルなアンビエンスで定評のある301スタジオを使用、スタジオのチーフエンジニアがレコーディングからミックスダウン、マスタリングまでの工程を192kHz/24bit以上のフォーマットで手掛けたハイレベルなハイレゾ作品となっています。ハイレゾ音源ならではの歌の表現力と生演奏のニュアンスをお楽しみください。
■e-onkyo music
The Real Royal Albert Hall 1966 Concert (Live) / Bob Dylan(96kHz/24bit)
<e-onkyo musicからの推薦コメント>
Bob Dylanがノーベル文学賞を受賞した2016年、それに呼応するように発売されるのがこの作品。50年前の1966年5月26日、当時25歳のBob Dylanによる英ロイヤル・アルバート・ホールのライブ・パフォーマンスを収録した作品です。これまでマンチェスター公演が誤って『ロイヤル・アルバート・ホール』とされていましたが、CBSレコードがライブ・アルバム制作のために正式録音していた音源が初めてリリースされました。50年前とは思えないクリアな録音は特筆に値するでしょう。若き日のBob Dylanがハイレゾで現代に蘇ります。
■mora
Wired / Jeff Beck(96kHz/24bit)
<moraからの推薦コメント>
moraが2016年11月度の作品として推薦するのは、ギター・インストの金字塔作品である75年の『ブロウ・バイ・ブロウ』と並び称される名盤として、特に日本での人気が高い76年発表のJeff Beck「Wired」のハイレゾ音源。ジェフ・ベックは、弾きまくるアルバム、インストアルバム、フュージョンアルバム、テクノアルバムなど各アルバムによってギターのアプローチを変えるのが特徴だが、このアルバムでは「間」が味わえるギターに没頭して欲しい。