仮想アースとは異なる

NORDOSTより新登場の“パラレル・グラウンド”、 Q KOREシリーズの正体とは? 同社幹部に聞く

公開日 2018/08/22 16:39 季刊・オーディオアクセサリー編集部・伊佐山
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ノードストにて国際セールスとプロダクトトレーナーを兼任するビヨン・ベングトソン氏
米国のハイエンドケーブルブランド、NORDOST(ノードスト)より画期的なグラウンド・システム「Q KORE(キュー・コア)シリーズ」が登場する。日本での販売に先がけて、同社の国際セールスとプロダクトトレーナーを兼任するビヨン・ベングトソン氏が来日。同ブランドの製品を取り扱う(株)エレクトリでインタビューを行った。


「Q KORE6」のフロント部はモデル名が記されているのみ

「Q KORE6」のリア部。スピーカー端子形状のものが6口搭載。そのうちの3口が機器用のもので、2口がモノラルアンプ専用モード、残りの1口はAC専用で、基本的に同社の電源ボックス「Q BASE」のアース端子とリンクさせるもの
まずは「Q KORE6」と呼ばれている箱状の物体を持ち出してきたベングトソン氏。フロント部はモデル名が記されているのみで、リア部にはスピーカー端子形状のものが6系統搭載されている。電源らしきものは見当たらないので、パッシブ式のアイテムであることはわかる。

「Q KOREシリーズはグラウンドラインを整え、改善するための装置です。ただし、各のメーカーから発売されている仮想アースといったジャンルの製品とは全く違うものです。“パラレル・グラウンド”といえる位置付けの製品で、リプレイスメント(仮想)ではありません。もうひとつの理想的なグラウンドを作り出すことで、オーディオ機器内のグラウンドのレベルを常に一定にさせるための機械です」とベングトソン氏は語る。

同シリーズは「Q KORE1」「Q KORE3」「Q KORE6」の3種類がラインアップ。発売自体は昨年から開始されていて、日本への本格導入は今年からスタートする(価格等は未定)。


「Q KORE1」はAC専用の1口タイプで、基本的には同社の電源ボックス「Q BASE」のアース端子と接続することで、壁コンセントの100Vの電源電圧のプラスマイナスを基準となるゼロポイントに安定させる

「Q KORE3」は3口タイプで、オーディオ機器とつなぐことでDC電源領域を対策。機器内のグラウンドのレベルを常に一定にさせる


「Q KORE6」は6口タイプで3口が機器用のもので、2口がモノラルアンプ専用モード、残りの1口はAC専用で、基本的に同社の電源ボックス「Q BASE」のアース端子とリンクさせるもの


「Q KORE1」はAC専用の1口タイプで、基本的には同社の電源ボックス「Q BASE」のアース端子と接続することで、壁コンセントの100Vの電源電圧のプラスマイナスを基準となるゼロポイントに安定させるもの。

「Q KORE3」はオーディオ機器とつなぐことでDC電源領域を対策。機器内のグラウンドのレベルを常に一定にさせることができるという。

「Q KORE6」は6口タイプで、3口が機器用のもので、2口がモノラルアンプ専用モード、残りの1口はAC専用で、基本的に同社の電源ボックス「Q BASE」のアース端子とリンクさせるものだ。

機器内のグラウンドをきっちり整えるためのアイテムという「Q KOREシリーズ」。実際にはどんな働きをするのだろうか?

「オーディオ機器内には、トランジスターやオペアンプやキャパシター等のパーツから発生する、ごく微量の電圧が、常にどうしても残ってしまいます。これらを完全に解消することのできる機器は存在しないでしょう。この滞っている微量の電圧がオーディオ機器内の様々な場所を行き来して、本来の正しい動きを阻害してしまう。この点に着眼し、その対策方法を研究しているなかから開発された製品です。ですからQ KOREシリーズは機器内に残っているこの滞留電源をきれいにすることで、グラウンドのレベルを整えることができるという仕組みになっています」。

「Q KORE6」を実際に手にすると、アルミ形状のボディはかなり重い(約6kg)。中には一体何が入っているのか? ベングトソン氏に訊いてみた。

「内部にはメタルの複合素材と電気的な回路が入っています。その他の詳しいことは言えません。“秘密のレシピ”が入っているのです(笑)。ただし、コンデンサーを入れたりとか、アース対策アイテムで採用されているような有機物の類は一切使っていません。これらを入れると、使用する国によって気温や湿度等の様々な外的環境に効果が左右されてしまうので」。

機器と本体をつなぐケーブルももちろんノードスト製。FEP絶縁を採用した独自のマイクロ・モノ・フィラメント構造で、導体は6N銅単線。端子形状はBanana、Spade、 RCA、 Male-XLR、Female-XLR、 BNC、RJ45、USB-A、USBと幅広いラインアップをオプションとして揃えている。


機器と本体をつなぐケーブル。FEP絶縁を採用したノードスト独自のマイクロ・モノ・フィラメント構造で、導体は6N銅単線。端子形状はBanana、Spade、 RCA、 Male-XLR、Female-XLR、 BNC、RJ45、USB-A、USBと幅広いラインアップをオプションとして揃える
なお「Q KOREシリーズ」の本体側は、バナナプラグ対応のスピーカー端子形状。ということはバナナとスペードの両方を使えば、1つの端子で2台分、端子が3つあれば6台のオーディオ製品との接続が可能になるということだ。

「基本はひとつの端子にひとつの機器ですが、確かにスペードとバナナだったら1つの端子で2台接続が可能です。でもあまりにも多くのの機器をつなぐと効果は落ちてきます。でもつながないよりはましですが」。

また、ベングトソン氏はこの「Q KORE6」に搭載されている2口のモノラルアンプ専用端子にも注目してほしいという。

「モノラル機器は左右とも同じ動作が要求されるのに、電源ケーブルはそれぞれ別々です。これによってグラウンドのレベルが異なってしまいます。そこでこのQ KORE6のモノラル専用端子を使用することで、全く同じ条件にすることができるのです。プロトタイプの段階でモノラルの機材をつないだ時に、変化量がすごく大きかったので、もっと突き詰めていこうということで実現しました。もちろんこの端子にステレオアンプをつないでも高い効果を発揮します」。

インタビュー当日はオーディオ専門店 U-AUDIO(ユーオーディオ)にて、実演デモを行い、他のアース対策と比べても高い効果を発揮できたという「Q KOREシリーズ」。日本での発売が決まり次第、またお知らせすることにしよう。

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