今年の真の「銘機」はどのモデル?
「オーディオ銘機賞2019」審査会が開催! 審査委員長が今年の傾向を語る
小社『季刊・オーディオアクセサリー』誌主催 “オーディオ銘機賞2019”の審査会が、本日10月12日に開催された。
「オーディオ銘機賞」は、オーディオ文化の向上とマーケットの活性化を目指し、1978年に創設された。膨大な数の現行ピュアオーディオ・コンポーネント群の中から、卓抜した性能・革新の内容を持ち、しかもオーディオマインドにあふれ、今後のロングセラーおよびベストセラーが予想される、真の意味での「銘機」を選出するのが本賞の趣旨である。
結果として、数多くあるオーディオアワードのなかで業界のスタンダードアワードとして幅広く認知され、受賞モデルが必ずヒットモデルとなるという実績を得て、ユーザーはもちろん、オーディオに関わる多くの方から大きな注目を集めるに至っている。
また審査にあたっては公正を期すため、技術的見識の深い「オーディオ評論家の審査委員」と、マーケットにおける商品性に詳しい「流通側の審査委員」で審査員を構成していることが本賞の特徴となっている。審査会では膨大なノミネート機種の中から、三賞「金賞」「銀賞」「銅賞」および「特別賞」、ジャンルごとの「オーディオ銘機賞」の受賞モデルが決定される。
選考会に先立って、「オーディオ評論家」と「流通」のそれぞれを代表する2名の審査委員長に、今年の全体的な傾向をうかがった。
■オーディオ評論家・審査委員長 藤岡 誠 氏
早いもので、今年もオーディオ銘機賞の季節がやってきました。ファンの皆様はどのモデルが受賞するのかを、とても楽しみにしていらっしゃることでしょう。
私が最近、ピュアオーディオで気になっているのは、欧米のオーディオ流れです。データ音源による音楽再生の流れになってきてしまい、私たちが追求してきた本当の意味でのハイファイオーディオとは、少し違うと思えてならないのです。
イージーな音楽再生は、安くて使い勝手もよく便利で、コストパフォーマンスもよく、ユーザーも納得して購入しているのでしょう。しかし私はそれだけじゃだめだと思うのです。モノとしての存在感がないですし、やはり好きな音を徹底的に追い詰めることが大切。自分の音を突き詰めることこそ本物のピュアオーディオなのだと思います。とかく価格だとか、低音・中音はどうか? とか、となりがちですが、価格やスペックより、ピュアオーディオは根本的には自分の好きな音を追い求めることが、一番の原理原則だと思います。
この意味では今年は、それに見合うだけの優れたオーディオ製品が、国内外から数多く出てきています。それは私にとっても、とても嬉しいことであり、選ぶうえでの楽しみでもあります。今回のオーディオ銘機賞に何が選ばれるのか? 私自身も楽しみながら選考させて頂きます。
■流通・審査委員長 CAVIN大阪屋 森田正二氏
今年、特に目立ったことは、アナログレコード関連の製品が、非情に多く発売されたことだと思います。それによってアナログマーケットは、以前から販売された製品に新しい製品が加わり、高価格モデルから普及機まで、非常に充実したラインアップが揃ってきました。その中でも高級レコードプレーヤーは、これほど充実した品揃えはかつてなかった状況だと思いますし、普及機に関しても多彩な製品が揃っていて、ファンにとっては、とても嬉しい環境となってきています。
さらに、カートリッジや昇圧トランス、クリーナーといった関連製品や、ソニーミュジックのプレス再参入ということもあり、生産性が問われていたレコード自体の製造・販売も確実にできるようになり、ソフト面からも充実してきています。
次にデータ音源を楽しむネットオーディオですが、ラインアップが着実に充実してきて、利用層も拡大してきました。今後は、いかに魅力的なグレードアップ方法や機器が提案できるかが鍵となってきていると思います。
半面、ディスクプレーヤーは、アナログやネットオーディオの影響を受け、上位機種は健闘していますが、中級・普及モデルは低迷している感があり、大きな問題だと思います。
メーカーにおいては、国内メーカーの健闘が目立ちます。従来からのメーカーに加え、パナソニック(テクニクス)やヤマハといった再参入メーカーや新規参入メーカーの積極的な動きが新鮮で、市場に大きな刺激を与えてきています。これに海外メーカーの力が加われば、オーディオマーケットの幅がより広がり、お客様にとってより魅力的な分野になると思います。海外メーカーの、より強力な奮起に期待したいです。
さらに、オーディオを楽しむファンは、高齢化が進んでおり、若いお客様の参加による活性化が必要とされています。若いお客様へのアピールは、一部のメーカーや販売店がトライしていますが、業界全体で魅力を訴えていく努力や取り組みが急務だと常々考えています。
今回は一部の審査委員が変わられておりますが、このオーディオ銘機賞審査会は今まで以上に活発なものとして、マーケットに刺激を与えられるようにもっていければ、と考えております。ご期待下さい。
「オーディオ銘機賞」は、オーディオ文化の向上とマーケットの活性化を目指し、1978年に創設された。膨大な数の現行ピュアオーディオ・コンポーネント群の中から、卓抜した性能・革新の内容を持ち、しかもオーディオマインドにあふれ、今後のロングセラーおよびベストセラーが予想される、真の意味での「銘機」を選出するのが本賞の趣旨である。
結果として、数多くあるオーディオアワードのなかで業界のスタンダードアワードとして幅広く認知され、受賞モデルが必ずヒットモデルとなるという実績を得て、ユーザーはもちろん、オーディオに関わる多くの方から大きな注目を集めるに至っている。
また審査にあたっては公正を期すため、技術的見識の深い「オーディオ評論家の審査委員」と、マーケットにおける商品性に詳しい「流通側の審査委員」で審査員を構成していることが本賞の特徴となっている。審査会では膨大なノミネート機種の中から、三賞「金賞」「銀賞」「銅賞」および「特別賞」、ジャンルごとの「オーディオ銘機賞」の受賞モデルが決定される。
選考会に先立って、「オーディオ評論家」と「流通」のそれぞれを代表する2名の審査委員長に、今年の全体的な傾向をうかがった。
■オーディオ評論家・審査委員長 藤岡 誠 氏
早いもので、今年もオーディオ銘機賞の季節がやってきました。ファンの皆様はどのモデルが受賞するのかを、とても楽しみにしていらっしゃることでしょう。
私が最近、ピュアオーディオで気になっているのは、欧米のオーディオ流れです。データ音源による音楽再生の流れになってきてしまい、私たちが追求してきた本当の意味でのハイファイオーディオとは、少し違うと思えてならないのです。
イージーな音楽再生は、安くて使い勝手もよく便利で、コストパフォーマンスもよく、ユーザーも納得して購入しているのでしょう。しかし私はそれだけじゃだめだと思うのです。モノとしての存在感がないですし、やはり好きな音を徹底的に追い詰めることが大切。自分の音を突き詰めることこそ本物のピュアオーディオなのだと思います。とかく価格だとか、低音・中音はどうか? とか、となりがちですが、価格やスペックより、ピュアオーディオは根本的には自分の好きな音を追い求めることが、一番の原理原則だと思います。
この意味では今年は、それに見合うだけの優れたオーディオ製品が、国内外から数多く出てきています。それは私にとっても、とても嬉しいことであり、選ぶうえでの楽しみでもあります。今回のオーディオ銘機賞に何が選ばれるのか? 私自身も楽しみながら選考させて頂きます。
■流通・審査委員長 CAVIN大阪屋 森田正二氏
今年、特に目立ったことは、アナログレコード関連の製品が、非情に多く発売されたことだと思います。それによってアナログマーケットは、以前から販売された製品に新しい製品が加わり、高価格モデルから普及機まで、非常に充実したラインアップが揃ってきました。その中でも高級レコードプレーヤーは、これほど充実した品揃えはかつてなかった状況だと思いますし、普及機に関しても多彩な製品が揃っていて、ファンにとっては、とても嬉しい環境となってきています。
さらに、カートリッジや昇圧トランス、クリーナーといった関連製品や、ソニーミュジックのプレス再参入ということもあり、生産性が問われていたレコード自体の製造・販売も確実にできるようになり、ソフト面からも充実してきています。
次にデータ音源を楽しむネットオーディオですが、ラインアップが着実に充実してきて、利用層も拡大してきました。今後は、いかに魅力的なグレードアップ方法や機器が提案できるかが鍵となってきていると思います。
半面、ディスクプレーヤーは、アナログやネットオーディオの影響を受け、上位機種は健闘していますが、中級・普及モデルは低迷している感があり、大きな問題だと思います。
メーカーにおいては、国内メーカーの健闘が目立ちます。従来からのメーカーに加え、パナソニック(テクニクス)やヤマハといった再参入メーカーや新規参入メーカーの積極的な動きが新鮮で、市場に大きな刺激を与えてきています。これに海外メーカーの力が加われば、オーディオマーケットの幅がより広がり、お客様にとってより魅力的な分野になると思います。海外メーカーの、より強力な奮起に期待したいです。
さらに、オーディオを楽しむファンは、高齢化が進んでおり、若いお客様の参加による活性化が必要とされています。若いお客様へのアピールは、一部のメーカーや販売店がトライしていますが、業界全体で魅力を訴えていく努力や取り組みが急務だと常々考えています。
今回は一部の審査委員が変わられておりますが、このオーディオ銘機賞審査会は今まで以上に活発なものとして、マーケットに刺激を与えられるようにもっていければ、と考えております。ご期待下さい。
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