通常タイプのスピーカーも用意

マーティン・ローガンが日本再上陸。フラグシップ静電型スピーカー「Neolith」はペア2,000万円

公開日 2019/03/27 19:48 編集部:小澤貴信
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(株)PDNは本日27日、同社が4月より取り扱いを開始するスピーカーブランド「MartinLogan(マーティン・ローガン)」と「Paradigm(パラダイム)」の製品発表会を行った。本記事ではマーティン・ローガンについて紹介する。パラダイムおよび発表会の模様やコメント等はこちらの記事でお伝えしている。

フラグシップ「Neolith」(写真左)のデモも実施

米国に本拠を置くマーティン・ローガンは、静電型スピーカーで知られるブランド。日本では前代理店が2005年まで輸入を行っていた。今回PDNにより、日本に約14年ぶりに正式導入されるかたちだ。なお、前代理店が取り扱っていた製品の修理についても、同社が引き継ぐという。

パラダイムの記事で詳しく紹介した通り、マーティン・ローガンとパラダイムは現在、同企業の傘下にある。一方で開発や営業は独立して行われているという。

発表会の模様

今回、PDNは以下の製品を日本に導入する。今後、その他のラインナップも拡充される予定だ。発表会では、ペア2,000万円のフラグシップ「Neolith」のデモンストレーションも行われた。

今回導入されるマーティン・ローガン製品

<Masterpieceシリーズ(ハイブリッド静電型スピーカー>
Neolith」¥20,000,000/ペア(税抜、受注生産)
Renaissance ESL 15A」¥5,000,000/ペア(税抜)
Classic ESL 9」¥1,300,000/ペア(税抜)

<ElectoroMotionシリーズ(ハイブリッド静電型スピーカー)>
ElectoroMotion ESL X」¥800,000/ペア(税抜)

<Motionシリーズ(FMTトゥイーター搭載スピーカー)>
Motion 60XT」¥600,000/ペア(税抜)
Motion 35XT」¥300,000/ペア(税抜)

マーティン・ローガンの基幹技術でありトレードマークとも言えるのが、独自の静電型スピーカー(ESL:Electro Static Loudspeaker)だ。これらが搭載する静電パネルは、表面に小さな穴を開けた緩やかにカーブする金属パネル(ステーター)2枚で、超軽量ポリエステルフィルムの振動板を挟み、ステーターに電気を流すことで振動板を駆動する。

この静電パネルは“XStat CLS(Curvilinear Line Source)”と呼ばれ、各国で特許を取得しているという。ダイヤフラム全面を均一にドライブする静電型スピーカーならではの超低歪み、高速レスポンスに加え、カーブ形状による音の放射の最適化により、自然かつ広大なサウンドステージを再現する。

フラグシップとなる「Neolith」は、ブランド史上最大のXStat CLS静電パネルを搭載。加えて本体の下部前面に30cm口径のコーン型ミッドバスウーファー、下部背面にコーン型38cmウーファー(バスレフ型)を搭載。高さ約190cm、質量は1本175kg、価格は1本1,000万円という超弩級スピーカーとなる。

「Neolith」の背面部。38cmウーファーを配置する

このNeolithを含むMasterpeaceシリーズからは、「Renaissance ESL 15A」と「Classic ESL 9」も国内でラインナップされる。いずれもXStat CLS静電パネルを搭載。加えて、本体の前/後面それぞれにコーン型ウーファーを搭載する。

写真手前が「Renaissance ESL 15A」だ

「Renaissance ESL 15A」のアンプ部

航空機グレードのアルミニウム合金からできた“AirFrame”ブレードによって、静電型パネルとスピーカーキャビネットを強固に接合していることも特徴。これにより、静電パネルへの振動や共振および電気的な干渉を排除して、音の歪みをさらに低減するとする。なお、Renaissance ESL 15Aはアンプ内蔵モデルとなる。

ElectoroMotionシリーズは、同社の静電型スピーカーをよりカジュアルに楽しめるように設計されたというハイC/Pモデルという位置付け。「ESL X」もXStat CLS静電パネルを搭載し、本体下部の前/後部にコーン型ウーファーを搭載する。

「ElectoroMotion ESL X」(写真手前)

Motionシリーズは、静電型スピーカーではなく、いわゆる一般的なラウドスピーカーにカテゴライズできるモデル。静電パネルの技術を応用した独自トゥイーターを搭載したことが特徴といえる。特に今回導入される「60XT」「35XT」はシリーズ最新モデルとして、放射面を40%拡大した「Folded Motion XT」を搭載する。

Motionシリーズの各モデル。今回導入されるのは「60XT」(写真左)と「35XT」(写真右から2番目)の2機種

「Folded Motion XT」

「Folded Motion XT」は、電極と超軽量高分子フィルムで構成された振動板を蛇腹形状として、通常の1インチ・ドームトゥイーターよりもはるかに微小な振動幅で発音。さらに振動板の表面積も稼ぐこともでき、歪みを抑えた超高速の応答性を実現したという。

中低域用にはトゥイーターの特性に合わせて、軽量かつ応答性に優れたアルミニウム・コーン・ユニットを採用する。今回導入されるラインナップは、3ウェイ・4ドライバーのフロア型「60XT」と、2ウェイ・2ドライバーのブックシェルフ型「35XT」の2機種。いずれもバスレフ型となっている。

「35XT」(写真左)

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