7月下旬発売、500万円/本
TAD、“進化より深化”を目指した新フラグシップ「TAD-R1TX」。天童木工とエンクロージャーを共同開発
テクニカル オーディオ デバイセズ ラボラトリーズ(TAD)は、“Referenceシリーズ”のフロア型スピーカー「TAD-R1TX」を、7月下旬より発売する。価格は5,000,000円/1本(税抜)。
Referenceシリーズのフラグシップモデルとして評価されてきた「TAD-R1」、「TAD-R1MK2」の系譜を引き継ぐモデル。「HIGH END MUNICH 2019」でも参考出展されたモデルが、正式に発表された格好だ。
次世代を担う新たなフラグシップとして同社の技術を結集するとともに、高級家具メーカー「天童木工」と共同でエンクロージャーを制作。音質向上だけでなく、モノとしての価値を高めたとする。なお、従来モデル「TAD-R1MK2」の価格は3,675,000円/1本であり、価格は大幅に上がった。
ドライバーには広帯域で、駆動ユニットの位相と指向性をコントロールする同軸スピーカーのCSTドライバーを採用する。トゥイーターとミッドレンジの音響中心を同一とすることで、クロスオーバーにおける位相特性と指向特性を一致させ、250Hz〜100kHzという超広帯域再生能力と全帯域にわたって均一に減衰する指向放射パターンを両立。明確で安定した定位と自然な音場空間表現を実現したとしている。
トゥイータードームとミッドレンジコーンにはベリリウム振動板を採用。これは独自の蒸着法で加工されており、優れた材料強度や均一性、高域共振の減衰特性を実現した。ミッドレンジには直接放射型の蒸着ベリリウム振動板として最大級の口径16cmコーンを採用し、トゥイーターの形状設計にはコンピューター解析による独自の最適化手法「HSDOM(Harmonized Synthetic Diaphragm Optimum Method)」を採用。分割共振を的確にコントロールし、100kHzまでの超広帯域再生、そして広帯域にわたり透明感のある音を実現したとのこと。
25cmのコーン型ウーファーには「TLCC 振動板」を採用。これは航空機などで使用されている軽量高剛性な発泡アクリルイミドをアラミドファイバーで挟み込む構成を採ったもので、反応が速くカラーレーションのない素直で豊かな再生を実現するという。また発泡アクリルイミドとアラミドファイバーを個別に成型し、織布のもつ異方性の特徴を生かすラミネート方法で加工することで、軸対称モードの共振も低減させ、CSTドライバーの音色を活かすチューニングを施した。
またウーファーの磁気回路には独自のショートボイスコイルタイプOFGMS回路を採用し、33mm長のロングギャップ間の磁束密度を均一化した。また、サスペンション系でも、独自のコルゲーションエッジを採用。これにより幅広い振幅時の動作を安定させ、高い駆動リニアリティを実現するとともに、高いリニアリティをも確保している。
ポートシステムにはホーンの流体設計を応用した、フレア形状のポートシステムを採用しており、風切り音の低減に成功。大入力・大振幅時にもユニットがストレスなく駆動し、S/N の良い澄んだ低音を再生するという。
エンクロージャーは、1940年に山形県天童市で創業した日本を代表する高級家具メーカーである天童木工と共同制作。日本古来より伝わる匠の技術を活かした成形・加工方法により、高い制振効果と強度を持つTADの “SILENT エンクロージャー” をより強固に仕上げた。
具体的には、異素材を組み合わせたラミネート構造材をエンクロージャーに使用し、横隔壁を骨格にするとともに周囲を強固なパネルにするなどフレーム構造とモノコック構造のメリットを活かすことで、静的・動的強度と制振効果を最大限に高めた。
またエンクロージャーは厚さ21mmのバーチプライウッド(樺合板)で強固な枠組みを構成し、高周波加熱プレス成型した厚さ 50mm の側板を張り合わせて形成。ティアドロップ形状を継承しつつも、スピーカーヘッド部分を丸みのある形状にすることで強度を高め、音の回折をさらに低減し、不要共振と内部定在波の排除も図っている。
外装色は、ダイアフラムに使用しているベリリウムの原料である希少鉱石「ベリル」に由来する、深みのある緑の宝石をイメージした「エメラルドブラック(TAD-R1TX-EB)」とベリリウムから成る赤い宝石をイメージした「ベリルレッド(TAD-R1TX-BR )」の2色をラインアップする。
再生周波数帯域は21Hz〜100kHzで、クロスオーバー周波数は250Hz/2kHz、出力音圧レベルは90dB(2.83V・1m)。公称インピーダンスは4Ω。外形寸法は554W×1293H×698Dmm、質量は150kgとなる。
同社は本日、メディア向けに製品発表会を実施。その模様を以下にお伝えしたい。
Referenceシリーズのフラグシップモデルとして評価されてきた「TAD-R1」、「TAD-R1MK2」の系譜を引き継ぐモデル。「HIGH END MUNICH 2019」でも参考出展されたモデルが、正式に発表された格好だ。
次世代を担う新たなフラグシップとして同社の技術を結集するとともに、高級家具メーカー「天童木工」と共同でエンクロージャーを制作。音質向上だけでなく、モノとしての価値を高めたとする。なお、従来モデル「TAD-R1MK2」の価格は3,675,000円/1本であり、価格は大幅に上がった。
ドライバーには広帯域で、駆動ユニットの位相と指向性をコントロールする同軸スピーカーのCSTドライバーを採用する。トゥイーターとミッドレンジの音響中心を同一とすることで、クロスオーバーにおける位相特性と指向特性を一致させ、250Hz〜100kHzという超広帯域再生能力と全帯域にわたって均一に減衰する指向放射パターンを両立。明確で安定した定位と自然な音場空間表現を実現したとしている。
トゥイータードームとミッドレンジコーンにはベリリウム振動板を採用。これは独自の蒸着法で加工されており、優れた材料強度や均一性、高域共振の減衰特性を実現した。ミッドレンジには直接放射型の蒸着ベリリウム振動板として最大級の口径16cmコーンを採用し、トゥイーターの形状設計にはコンピューター解析による独自の最適化手法「HSDOM(Harmonized Synthetic Diaphragm Optimum Method)」を採用。分割共振を的確にコントロールし、100kHzまでの超広帯域再生、そして広帯域にわたり透明感のある音を実現したとのこと。
25cmのコーン型ウーファーには「TLCC 振動板」を採用。これは航空機などで使用されている軽量高剛性な発泡アクリルイミドをアラミドファイバーで挟み込む構成を採ったもので、反応が速くカラーレーションのない素直で豊かな再生を実現するという。また発泡アクリルイミドとアラミドファイバーを個別に成型し、織布のもつ異方性の特徴を生かすラミネート方法で加工することで、軸対称モードの共振も低減させ、CSTドライバーの音色を活かすチューニングを施した。
またウーファーの磁気回路には独自のショートボイスコイルタイプOFGMS回路を採用し、33mm長のロングギャップ間の磁束密度を均一化した。また、サスペンション系でも、独自のコルゲーションエッジを採用。これにより幅広い振幅時の動作を安定させ、高い駆動リニアリティを実現するとともに、高いリニアリティをも確保している。
ポートシステムにはホーンの流体設計を応用した、フレア形状のポートシステムを採用しており、風切り音の低減に成功。大入力・大振幅時にもユニットがストレスなく駆動し、S/N の良い澄んだ低音を再生するという。
エンクロージャーは、1940年に山形県天童市で創業した日本を代表する高級家具メーカーである天童木工と共同制作。日本古来より伝わる匠の技術を活かした成形・加工方法により、高い制振効果と強度を持つTADの “SILENT エンクロージャー” をより強固に仕上げた。
具体的には、異素材を組み合わせたラミネート構造材をエンクロージャーに使用し、横隔壁を骨格にするとともに周囲を強固なパネルにするなどフレーム構造とモノコック構造のメリットを活かすことで、静的・動的強度と制振効果を最大限に高めた。
またエンクロージャーは厚さ21mmのバーチプライウッド(樺合板)で強固な枠組みを構成し、高周波加熱プレス成型した厚さ 50mm の側板を張り合わせて形成。ティアドロップ形状を継承しつつも、スピーカーヘッド部分を丸みのある形状にすることで強度を高め、音の回折をさらに低減し、不要共振と内部定在波の排除も図っている。
外装色は、ダイアフラムに使用しているベリリウムの原料である希少鉱石「ベリル」に由来する、深みのある緑の宝石をイメージした「エメラルドブラック(TAD-R1TX-EB)」とベリリウムから成る赤い宝石をイメージした「ベリルレッド(TAD-R1TX-BR )」の2色をラインアップする。
再生周波数帯域は21Hz〜100kHzで、クロスオーバー周波数は250Hz/2kHz、出力音圧レベルは90dB(2.83V・1m)。公称インピーダンスは4Ω。外形寸法は554W×1293H×698Dmm、質量は150kgとなる。
同社は本日、メディア向けに製品発表会を実施。その模様を以下にお伝えしたい。