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注文受付中! 井筒香奈江、DSD11.2MHzで収録したダイレクトカッティング音源をサファイア針カットでレコード化
■カッティング針をルビーとサファイアで比較試聴
昨年11月、キング関口台スタジオで国内40年ぶりに実施されたダイレクトカッティングによるレコード「Direct Cutting at King Sekiguchidai Studio」は、初回プレスが即日完売するほどの大ヒットを飛ばした。
その際に、エンジニアの高田英男は、PyramixによるDSD11.2MHzの音源も同時に録音していた。今回のアルバム「Direct Cutting at King Sekiguchidai Studio (DSD11.2MHz/1bit MASTER Cut)」はそのDSD11.2MHzの音源をマスターに、新たにカッティングし直したものとなる。
カッティングエンジニアを担当するのは、前作に引き続きキング関口台スタジオの上田佳子。今回のカッティングでは、アダマンド並木精密宝石が開発した、針先に「サファイア」をあしらったカッティング針が用いられていることも大きな特徴となっている。
一昨年にキング関口台スタジオがカッティングマシンを導入した際、倉庫からオグラ宝石製の「ルビー」をあしらったカッティング針が大量に発見された。これまでのカッティングでは、このルビー針が使われていたのだ。
しかし今回は、アダマンド開発による針先の形が異なる2種類のサファイア針も用意。針先の形が異なる、鋭角の“サファイアA”と丸い“サファイアB”、それに上記の“ルビー”も交えた3つの針で実際にラッカー盤に音を刻み、比較試聴テストが行われた。そして、もっとも今作の世界観を表現できると考えた“サファイアB”(ROUND Tip Sapphire)が採用されることとなった。
この比較試聴に参加した筆者の音の違いについての感想だが、ルビーはアナログらしい余韻感や雰囲気のある音で、いわゆる「アナログ的な温かみ」と呼ばれるような感触。“サファイアA”は、柔らかく優しい感じで、楽器の美味しいところを引き出しているが、井筒の声は少し後ろに下がった感触。“サファイアB”は、井筒のヴォーカルが中央に存在感を感じさせ、低域の刻み感やメリハリも効いている印象だった。
今回はダイレクトカッティングではなく、すでにあるデジタルマスターの音源を元にカッティングするため、先行音源を利用でき、ダイナミックな溝幅に最適化できる。さらに、先行データと本番のマスターデータの送り出しを別のDAWを用いることで、再生用PCの負荷を下げ、安定した音質が実現できるという。
EQやコンプレッションをかけず、マスター音源をそのままカッティング。プレスは前回同様、東洋化成で、ラッカー盤から直接スタンパーを作る「ダイレクトマスタースタンパープレス」を採用している。
カッティング針によるサウンドの違いも楽しめる今作、限定生産となり、後からの入手は非常に困難が予測される。関心のある方はぜひ予約して欲しい。
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