新キャッチコピー「Modern Musical Luxury」
マランツ、16年ぶり新デザインのHI-FIオーディオ。SACD/ネットワーク「SACD 30n」とプリメイン「MODEL 30」
D&Mホールディングスは、マランツブランドの最新Hi-Fiコンポーネントとして、ネットワークSACDプレーヤー「SACD 30n」とプリメインアンプ「MODEL 30」を9月5日に発売する。価格はともに270,000円(税抜)。
マランツのHi-Fiコンポーネントは2004年に発売された「SA-11S1」「PM-11S1」以来、現行のデザインが採用されてきたが、この16年間でインテリアやガジェットなど、オーディオを取り巻く環境が大きく変遷したこともあり、両モデルからデザインを刷新した。
新デザインはモダンなインテリアなどと調和するよう現代的な解釈を行いつつ、マランツの伝統的なデザインエレメントを踏襲したもの。前面パネルは樹脂を型取りして作られており、どの角度から見ても角張って見えないよう、四隅がiPhoneと同じラウンド形状になっている。
両サイドへ向けて伸びるライティングの意匠を引き継ぎつつも、光の色はオレンジ系のウォームなものに変更。特に最もこだわったのが両サイドの波打ったような模様とのことで、ライティングを立体的に反射し、見る角度によって異なる表情を見せていた。
同社の高山健一氏は「一見すると現行モデルから大きく変わったようにも思えるかもしれないが、オーディオファイルの方がご覧頂くと、過去のマランツ製品へのオマージュが随所に感じられるデザインだと考えている」と述べた。
このデザイン刷新はリブランディングも大きく意識したものだとし、新たなキャッチコピー「Modern Musical Luxury」を発表。長らく続いた「because music matters」から変更する。「SACD 30n/MODEL 30は同キャッチのアイコン的な存在になる、マランツの新たなマイルストーン」とアピールした。
■プレミアムクラスのSACD/ネットワーク再生を実現「SACD 30n」
SACD 30nは、コンパチブルプレーヤーながら「SA-12」グレードを超えるSACD再生と、マランツ史上最高のネットワーク再生を実現したというモデル。
DACは同社オリジナルのディスクリートDAC「Marantz Musical Mastering(MMM)」の第3世代を搭載。フラグシップCDプレーヤー「SA-10」と同一の回路構成を継承しつつ、精密メルフ抵抗や銅箔フィルムコンデンサーなどの高品位パーツを採用することで理想的なサウンドに仕上げたとしている。
クロック回路も上位モデル同様に超低位相雑音クリスタルを採用しており、44.1kHz系・48kHz系の2系統をソースに応じて切り替えて使用。また本機はネットワーク再生モジュール「HEOS」を搭載するが、マランツのサウンドマネージャーを務める尾形好宣氏によると、HEOSモジュールにクロックが内蔵されている構造上、ネットワーク再生信号はクロック通過後の伝送距離が物理的に長くなってしまい、ジッターが発生しやすい問題があったという。
そこで、光通信グレードのジッタークリーナーを使い、クロック信号に含まれる揺らぎやノイズを取り除く「プレミアム・クロック・リジェネレーター」を開発し、搭載した。これによりHEOSのネットワーク再生のプレミアム化を実現するとともに、SACD/CD/デジタル再生もグレードアップしたとのことだ。
CDメカエンジンは専用設計の「SACDM-3L」を搭載。光学系と制御系は前モデル「SA-12」と同一の回路・パーツを使用しつつ、ローダーを樹脂製にするなど機械系パーツのコストダウンを行っているが、シャーシへの固定には、より太いネジを用いるなど、強度や構図の工夫でよりリジッドな固定を実現。メカのクオリティを維持しながらコストダウンに成功したという。
ヘッドホンアンプはHDAM-SA2搭載のフルディスクリート型で、3段階のゲイン切り替え機能を装備。ジャックの挿抜で電源オン/オフが切り替わる仕様のため、他回路への干渉を抑制するという。
また、ネットワーク/USBメモリー再生、Wi-Fi、Bluetooth、可変オーディオ出力回路、デジタル回路を個別でオフにする機能と、ディスプレイ、ライティングを消灯する機能を搭載。使用しない機能をオフにすることで音声出力信号に流入する周辺回路からのノイズを抑え、再生ソースの音質を向上させることが可能となった。
電源部には大容量トロイダルトランスを搭載し、垂直方向の磁束漏れを抑えるアルミ製ショートリングに水平方向の磁束漏れを抑える珪素鋼板シールドを加えた二重シールドを実施。アナログ回路電源用のブロックコンデンサーには、エルナー社と共同開発した専用の3,900μFカスタム・ブロックコンデンサーを採用している。
デジタル音源は最大PCM 384kHz/32bit、DSD 11.2MHzに対応するが、MQA CD/ファイルの再生には対応していない。
入力端子は同軸デジタル×1、光デジタル×2、USB-A×1、USB-B×1を、出力端子はアナログアンバランス(FIXED)、アナログアンバランス(VARIABLE)、同軸デジタル、光デジタル、ヘッドホン各1系統ずつを搭載。外形寸法は443W×130H×424Dmmで、質量は13.7kg。
■“圧倒的なボリュームのプリアンプ”を搭載するプリメイン「MODEL 30」
MODEL 30は、アナログアンプとスイッチングアンプの融合により「サイズの制約から解放された」とするプリメインアンプ。
従来のプリメインアンプは内部容積の大半をパワーアンプと電源が占めており、アナログパワーアンプを搭載したモデルの場合、プリアンプ部が占める割合は全体の20%程度だったという。
そこで本機では、電力効率とスペースファクターに優れ、歪みが少なく、スピーカーのインピーダンスに関わらず周波数特性が変化しないというHypex社製のスイッチング・パワーアンプ・モジュール「NC500」を、PM-12に引き続いて採用。パワーアンプ回路とヒートシンクを小型化したことで、「このクラスのプリメインとしては圧倒的に大きなプリアンプ用スペースを確保した」という。
プリアンプは、PM-12で開発したHDAM-SA3とDCサーボ回路を搭載する電流帰還型フルディスクリートプリアンプをベースとしつつ、JRC製のボリュームコントロールIC「MUSES72323」を新採用。機械式ボリュームと異なり左右間のクロストークや音量差が生じず、可変抵抗体を使用しないため経年劣化に伴う音質変化もないとのこと。
また、JFET入力を採用することでカップリングコンデンサーの使用個数を減らし、音声信号の解像度や透明感を大幅に改善したとしている。
加えてプリアンプ電源回路も回路・機構の両面から見直し、大容量トロイダルトランスコアを用いた専用の独立電源を搭載。トランス外周には珪素鋼板とスチールケースによる二重シールドを施し、漏洩磁束による周辺回路への悪影響を抑制。整流回路には超低リーク電流ショットキーバリアダイオードを、平滑回路にはエルナー製カスタムブロックコンデンサーを採用し、高品位かつハイスピードな電源供給を可能にしたという。
さらに、昨今のアナログブームを鑑みてフォノイコライザー回路「Marantz Musical Premium Phono EQ」も強化。JFET入力とDCサーボ回路の採用により入力/出力カップリングコンデンサーを排除し、繊細な音声信号の純度を損なうことなく増幅できるとするほか、MCカートリッジのインピーダンス切り替え機能を新搭載し、33/100/390の3段階で設定可能となっている。
定格出力は200W+200W(4Ω、1kHz、T.H.D. 0.1%)/100W+100W(8Ω、1kHz、T.H.D. 0.1%)で、全高調波歪率は0.005%(50W、8Ω、1kHz)、周波数特性は5Hz-50kHz(±3dB、CD、1W、8Ω)。ダンピングファクターは500(8Ω、20Hz-20kHz)で、S/Nは75dB(Phono MC)/88dB(Phono MM)/107dB(CD/LINE)。
入力端子はアンバランス×5、フォノ×1、パワーアンプIN×1を装備。外形寸法は443W×130H×431Dmmで、質量は14.6kgとなる。
■“30”の意味は「今後ラインナップを重ねることで明らかに」
今回、短時間ながらD&Mの試聴室にて本機の音を聴く機会を得た。まずは比較のためSA-12/PM-12の組み合わせでCD音源を試聴したが、前モデルとはいえマランツの粋を集めたHi-Fiコンポーネントであるため、十分に洗練された音だ。
しかしプレーヤーがSACD 30nに変わると、一聴して分かるほどに鮮やかで解像度の高い音へと変化。オーケストラのヴァイオリンやジャズドラムのシンバルなど、高音域は上蓋を取り払ったかのように伸びやか且つ一音ずつが研ぎ澄まされ、ウッドベースやドラムスはより輪郭のはっきりした筋肉質な音になった。
さらにアンプをMODEL 30に変更すると、先述の鮮やかさや解像度はそのままに、シルキーできめ細やかな感触が加わる。ジャズの女性ボーカルのウィスパーボイスやピアノの弱音など、繊細な場面での表現力が一層増したように感じられた。
次いでSACD 30nのネットワークプレーヤーとしての能力をチェックするため、2013年に発売されたネットワークプレーヤー「NA-11S1」と比較試聴。SACD 30nが鮮やかで解像度の高いサウンドなのに対し、NA-11S1は比較的重心の低いウォームなサウンドなため、一概にどちらが良いとは言えないものの、S/Nや分解能といったオーディオ的素養が向上していることは間違いない。
特筆すべきは、ローディング時間の短縮や操作アプリの改良といった点が加わり、圧倒的に“使いやすくなっている”ことだろう。ネットワークプレーヤーは特に進化のスピードが速い機器ということもあり、高山氏も「今まで『NA-11S1の後継機はいつ出るんですか』という声を多くいただいてきたが、今回、やっとお客様にご案内ができる」と語っていた。
◇
さて、本モデルの名前についてだが、高山氏は「MODEL 30にはマランツの過去の名機に使われてきた、いわば憧れのナンバリングである“MODEL”を使用した」と説明。共通する「30」という数字については「今後ラインナップを重ねることで、その狙いが明らかになるはず」と語った。
16年の時を経て、デザイン面を含めて大きな刷新が行われたマランツのHi-Fiコンポーネント。次の製品以降も継続して本デザインが採用されるか、現時点では特に明言されていないが、次はどのような製品がリリースされるのか、そして「30」という数字に込められた意味が何なのか、今後の展開から目が離せない。
マランツのHi-Fiコンポーネントは2004年に発売された「SA-11S1」「PM-11S1」以来、現行のデザインが採用されてきたが、この16年間でインテリアやガジェットなど、オーディオを取り巻く環境が大きく変遷したこともあり、両モデルからデザインを刷新した。
新デザインはモダンなインテリアなどと調和するよう現代的な解釈を行いつつ、マランツの伝統的なデザインエレメントを踏襲したもの。前面パネルは樹脂を型取りして作られており、どの角度から見ても角張って見えないよう、四隅がiPhoneと同じラウンド形状になっている。
両サイドへ向けて伸びるライティングの意匠を引き継ぎつつも、光の色はオレンジ系のウォームなものに変更。特に最もこだわったのが両サイドの波打ったような模様とのことで、ライティングを立体的に反射し、見る角度によって異なる表情を見せていた。
同社の高山健一氏は「一見すると現行モデルから大きく変わったようにも思えるかもしれないが、オーディオファイルの方がご覧頂くと、過去のマランツ製品へのオマージュが随所に感じられるデザインだと考えている」と述べた。
このデザイン刷新はリブランディングも大きく意識したものだとし、新たなキャッチコピー「Modern Musical Luxury」を発表。長らく続いた「because music matters」から変更する。「SACD 30n/MODEL 30は同キャッチのアイコン的な存在になる、マランツの新たなマイルストーン」とアピールした。
■プレミアムクラスのSACD/ネットワーク再生を実現「SACD 30n」
SACD 30nは、コンパチブルプレーヤーながら「SA-12」グレードを超えるSACD再生と、マランツ史上最高のネットワーク再生を実現したというモデル。
DACは同社オリジナルのディスクリートDAC「Marantz Musical Mastering(MMM)」の第3世代を搭載。フラグシップCDプレーヤー「SA-10」と同一の回路構成を継承しつつ、精密メルフ抵抗や銅箔フィルムコンデンサーなどの高品位パーツを採用することで理想的なサウンドに仕上げたとしている。
クロック回路も上位モデル同様に超低位相雑音クリスタルを採用しており、44.1kHz系・48kHz系の2系統をソースに応じて切り替えて使用。また本機はネットワーク再生モジュール「HEOS」を搭載するが、マランツのサウンドマネージャーを務める尾形好宣氏によると、HEOSモジュールにクロックが内蔵されている構造上、ネットワーク再生信号はクロック通過後の伝送距離が物理的に長くなってしまい、ジッターが発生しやすい問題があったという。
そこで、光通信グレードのジッタークリーナーを使い、クロック信号に含まれる揺らぎやノイズを取り除く「プレミアム・クロック・リジェネレーター」を開発し、搭載した。これによりHEOSのネットワーク再生のプレミアム化を実現するとともに、SACD/CD/デジタル再生もグレードアップしたとのことだ。
CDメカエンジンは専用設計の「SACDM-3L」を搭載。光学系と制御系は前モデル「SA-12」と同一の回路・パーツを使用しつつ、ローダーを樹脂製にするなど機械系パーツのコストダウンを行っているが、シャーシへの固定には、より太いネジを用いるなど、強度や構図の工夫でよりリジッドな固定を実現。メカのクオリティを維持しながらコストダウンに成功したという。
ヘッドホンアンプはHDAM-SA2搭載のフルディスクリート型で、3段階のゲイン切り替え機能を装備。ジャックの挿抜で電源オン/オフが切り替わる仕様のため、他回路への干渉を抑制するという。
また、ネットワーク/USBメモリー再生、Wi-Fi、Bluetooth、可変オーディオ出力回路、デジタル回路を個別でオフにする機能と、ディスプレイ、ライティングを消灯する機能を搭載。使用しない機能をオフにすることで音声出力信号に流入する周辺回路からのノイズを抑え、再生ソースの音質を向上させることが可能となった。
電源部には大容量トロイダルトランスを搭載し、垂直方向の磁束漏れを抑えるアルミ製ショートリングに水平方向の磁束漏れを抑える珪素鋼板シールドを加えた二重シールドを実施。アナログ回路電源用のブロックコンデンサーには、エルナー社と共同開発した専用の3,900μFカスタム・ブロックコンデンサーを採用している。
デジタル音源は最大PCM 384kHz/32bit、DSD 11.2MHzに対応するが、MQA CD/ファイルの再生には対応していない。
入力端子は同軸デジタル×1、光デジタル×2、USB-A×1、USB-B×1を、出力端子はアナログアンバランス(FIXED)、アナログアンバランス(VARIABLE)、同軸デジタル、光デジタル、ヘッドホン各1系統ずつを搭載。外形寸法は443W×130H×424Dmmで、質量は13.7kg。
■“圧倒的なボリュームのプリアンプ”を搭載するプリメイン「MODEL 30」
MODEL 30は、アナログアンプとスイッチングアンプの融合により「サイズの制約から解放された」とするプリメインアンプ。
従来のプリメインアンプは内部容積の大半をパワーアンプと電源が占めており、アナログパワーアンプを搭載したモデルの場合、プリアンプ部が占める割合は全体の20%程度だったという。
そこで本機では、電力効率とスペースファクターに優れ、歪みが少なく、スピーカーのインピーダンスに関わらず周波数特性が変化しないというHypex社製のスイッチング・パワーアンプ・モジュール「NC500」を、PM-12に引き続いて採用。パワーアンプ回路とヒートシンクを小型化したことで、「このクラスのプリメインとしては圧倒的に大きなプリアンプ用スペースを確保した」という。
プリアンプは、PM-12で開発したHDAM-SA3とDCサーボ回路を搭載する電流帰還型フルディスクリートプリアンプをベースとしつつ、JRC製のボリュームコントロールIC「MUSES72323」を新採用。機械式ボリュームと異なり左右間のクロストークや音量差が生じず、可変抵抗体を使用しないため経年劣化に伴う音質変化もないとのこと。
また、JFET入力を採用することでカップリングコンデンサーの使用個数を減らし、音声信号の解像度や透明感を大幅に改善したとしている。
加えてプリアンプ電源回路も回路・機構の両面から見直し、大容量トロイダルトランスコアを用いた専用の独立電源を搭載。トランス外周には珪素鋼板とスチールケースによる二重シールドを施し、漏洩磁束による周辺回路への悪影響を抑制。整流回路には超低リーク電流ショットキーバリアダイオードを、平滑回路にはエルナー製カスタムブロックコンデンサーを採用し、高品位かつハイスピードな電源供給を可能にしたという。
さらに、昨今のアナログブームを鑑みてフォノイコライザー回路「Marantz Musical Premium Phono EQ」も強化。JFET入力とDCサーボ回路の採用により入力/出力カップリングコンデンサーを排除し、繊細な音声信号の純度を損なうことなく増幅できるとするほか、MCカートリッジのインピーダンス切り替え機能を新搭載し、33/100/390の3段階で設定可能となっている。
定格出力は200W+200W(4Ω、1kHz、T.H.D. 0.1%)/100W+100W(8Ω、1kHz、T.H.D. 0.1%)で、全高調波歪率は0.005%(50W、8Ω、1kHz)、周波数特性は5Hz-50kHz(±3dB、CD、1W、8Ω)。ダンピングファクターは500(8Ω、20Hz-20kHz)で、S/Nは75dB(Phono MC)/88dB(Phono MM)/107dB(CD/LINE)。
入力端子はアンバランス×5、フォノ×1、パワーアンプIN×1を装備。外形寸法は443W×130H×431Dmmで、質量は14.6kgとなる。
■“30”の意味は「今後ラインナップを重ねることで明らかに」
今回、短時間ながらD&Mの試聴室にて本機の音を聴く機会を得た。まずは比較のためSA-12/PM-12の組み合わせでCD音源を試聴したが、前モデルとはいえマランツの粋を集めたHi-Fiコンポーネントであるため、十分に洗練された音だ。
しかしプレーヤーがSACD 30nに変わると、一聴して分かるほどに鮮やかで解像度の高い音へと変化。オーケストラのヴァイオリンやジャズドラムのシンバルなど、高音域は上蓋を取り払ったかのように伸びやか且つ一音ずつが研ぎ澄まされ、ウッドベースやドラムスはより輪郭のはっきりした筋肉質な音になった。
さらにアンプをMODEL 30に変更すると、先述の鮮やかさや解像度はそのままに、シルキーできめ細やかな感触が加わる。ジャズの女性ボーカルのウィスパーボイスやピアノの弱音など、繊細な場面での表現力が一層増したように感じられた。
次いでSACD 30nのネットワークプレーヤーとしての能力をチェックするため、2013年に発売されたネットワークプレーヤー「NA-11S1」と比較試聴。SACD 30nが鮮やかで解像度の高いサウンドなのに対し、NA-11S1は比較的重心の低いウォームなサウンドなため、一概にどちらが良いとは言えないものの、S/Nや分解能といったオーディオ的素養が向上していることは間違いない。
特筆すべきは、ローディング時間の短縮や操作アプリの改良といった点が加わり、圧倒的に“使いやすくなっている”ことだろう。ネットワークプレーヤーは特に進化のスピードが速い機器ということもあり、高山氏も「今まで『NA-11S1の後継機はいつ出るんですか』という声を多くいただいてきたが、今回、やっとお客様にご案内ができる」と語っていた。
さて、本モデルの名前についてだが、高山氏は「MODEL 30にはマランツの過去の名機に使われてきた、いわば憧れのナンバリングである“MODEL”を使用した」と説明。共通する「30」という数字については「今後ラインナップを重ねることで、その狙いが明らかになるはず」と語った。
16年の時を経て、デザイン面を含めて大きな刷新が行われたマランツのHi-Fiコンポーネント。次の製品以降も継続して本デザインが採用されるか、現時点では特に明言されていないが、次はどのような製品がリリースされるのか、そして「30」という数字に込められた意味が何なのか、今後の展開から目が離せない。
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