約6年ぶりのモデル刷新

モニターオーディオ、新フラグシップスピーカーシステム「Platinum Series 3G」

公開日 2023/01/06 10:00 編集部:松永達矢
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ナスペックは、Monitor Audioの新フラグシップ・スピーカーシステム「Platinum Series 3G」を1月10日(火)に発売する。ラインナップおよび販売価格(すべて税込)は下記の通り。

「Platinum Series 3G」

■フロアスタンド型
・「Platinum 300 3G」:2,640,000円
・「Platinum 200 3G」:1,980,000円

■ブックシェルフ型
・「Platinum 100 3G」:990,000円

■センタースピーカー
・「Platinum C250 3G」:935,000円

前モデルとなる「PLATINUM SERIES II」から約6年ぶりに刷新。2022年に設立から50年を迎えた「ブランドのアニバーサリーに相応しい傑作」として同社はアピールしている。全モデル共通のカラーバリエーションとしてPiano Black/Piano Ebony/Pure Satin White(受注オーダー)の3色を用意する。

SERIES IIで採用されたハイルドライバー型トゥイーター「MPD(マイクロ・プリ―テッド・ダイアフラム)」をリニューアルし、「MPD III」として新たに搭載。ドーム型トゥイーターと比較して約8倍の表面積を備える“低質量プリーツ型振動板”を備えることで、スムーズでワイドかつ自然な高速レスポンスを獲得。全帯域で極めてナチュラルでフラットなサウンドを実現したとしている。

高域再生を担うトランスデューサー「MPD III」

MPD IIIでは、ネオジム・マグネットを採用した磁気回路を新たに設計。パワーハンドリングと能率のさらなる特性改善を図ったとのこと。搭載されるウェーブガイドは、同ブランドの「Bronze 6G」「Silver 7G」のノウハウを活かし、カスタマイズを施したものを装備。放射パターンを一から見直したことで不要な反射を抑え、フラットな波数特性と均一なレスポンスを実現した。

低中域を担うドライバーについても、前モデルの「RDT II」から第3世代仕様の「RDT III」へとリニューアル。振動板のコア材にはNomexのハニカムを使用、表面は同ブランドでもお馴染みとなっているC-CAM(セラミック・コーテッド・アルミニウム/マグネシウム合金)振動板、裏面にはカーボンファイバー織布という異素材構成のサンドイッチ構造を採用する。

ドライバーユニット「RDT III」構成イメージ

ボイスコイルの断面を長方形とすることで、高い巻き線密度と導体占有率を向上させ、高い駆動力とダイナミクスを得る「アンダーハング・エッジワウンド・ボイスコイル」を搭載。SERIES IIでの採用以降、同ブランドのハイエンドスピーカーでも実績を重ねて来た「DCF(ダイナミック・カップリング・フィルター)」も継続して採用。コーン背面から空気圧を開放することで、ボイスコイルの冷却と歪みの低減、高能率化に寄与する。

高出力時の発熱対策として、RDT IIIドライバーの構成部材にマグネット、ボビン、さらにボイスコイル自体にブラックアルマイトによる絶縁処理を施し、高出力時の耐熱性を獲得している。

クロスオーバーには250Vの低ESRポリプロピレン・コンデンサー、大型ラミネート鉄芯インダクタ、抵抗の最小化とパワーハンドリングの最大化を図った極太ワイヤーの高出力ミッドレンジインダクタなどの高品質コンポ―ネントを採用。設計においては、各ドライバーの温度やクロスオーバー個々のコンポーネントのチェックテストを経て、長期間にわたり最高レベルのパフォーマンスを提供するとアピールしている。

搭載され得るクロスオーバーユニットイメージ図

全モデルのミッドレンジおよびウーファーユニットは、キャビネット背面から直結されたテンションロッド1本で固定するPlatinumシリーズ伝統の工法を踏襲。ドライバー円周上にネジで取り付ける固定方法と異なり、エンクロージャーに触れるドライバー周辺に均等にクランプ力が掛かり、ドライバーとフロントバッフルの共振を抑制。キャビネット自体の剛性を高める効果があるとのこと。本モデルでは大型のトルクスヘッドドライバーを新採用。付属品としてウォールナット製ハンドルの調整ツールを同梱する。

また、ドライバーとキャビネット間にアルミニウム・ドライバー・フレーム・ホルダーを新搭載。このホルダーで振動を抑制する2層の絶縁層が形成し、テンションロッドでのユニット固定との相乗効果で各ドライバーは最大限のパフォーマンスを実現すると謳う。

アルミニウム・ドライバー・フレーム・ホルダー

さらなる不要共振対策として、内壁には不要振動を吸収するBitumastic社製のダンピング被覆剤、ミッドレンジユニットの主要箇所にはサーモセットポリマーをベースとしたハイテク素材であるARC(アンチ・レゾナンス・コンポジット)で形成される。

バスレフポートは、拳銃の砲身の気流と同様の効果を狙って設計された独自の「Hive II PORT」を採用。ターミナル部は銅素材を精密機械加工し、酸化の防止と高い伝導性を実現するロジウムメッキが施される。接続はスペード・バナナ、外形7AWGまでの導線に対応する。

脚部のアウトリガーフィートは、2つの精密アルミニウムダイキャストで形成。10個のパーツからなるスパイクアセンブリを新開発したことで、優れた耐振動性を獲得。マグネット式のスピンディスクを外すことで、スピーカーを持ち上げること無く高さの調整ができる。脚部先端はラバーフィートベースとスパイクベースに対応する。

シリーズ最上位機種となる「Platinum 300 3G」は、200mm RDT III Bassドライバー2基、100mm RDT III Midドライバー、MPD IIIトランスデューサーによる3ウェイバスレフ型フロアスタンドスピーカー。周波数特性(-6dB)は17Hz-60kHzで、能率(2.83v@1m)は88dB、インピーダンスは4Ω、定格入力が400W、推奨アンプ出力は200-800Wとなる。

「Platinum 300 3G」Pure Satin White(受注オーダー)

クロスオーバー周波数は650Hz(LF/MF)/3kHz(MF/HF)。外形寸法(以下、脚部スパイク、端子部含む)は430W×1132H×525Dmm、質量は53.6kg(台)。


「Platinum 200 3G」Paino Black
同じく3ウェイバスレフ・フロア型の「Platinum 200 3G」は、150mm RDT III Bassドライバー2基、100mm RDT III Midドライバー、MPD IIIトランスデューサーを搭載するモデル。周波数特性(-6dB)は23Hz-60kHzで、能率(2.83v@1m)は88dB、インピーダンスは4Ω、定格入力が300W、推奨アンプ出力は150-600Wとなる。

クロスオーバー周波数は825Hz(LF/MF)/3kHz(MF/HF)。外形寸法は369W×1042H×454Dmm、質量は35.8kg(台)。

ブックシェルフ型の「Platinum 100 3G」は、150mm RDT III BassドライバーとMPD IIIトランスデューサーで構成された2ウェイバスレフ型スピーカー。周波数特性(-6dB)は28Hz-60kHzで、能率(2.83v@1m)は85dB、インピーダンスは4Ω、定格入力が150W、推奨アンプ出力は75-300W、クロスオーバー周波数は2.85kHz(LF/HF)。外形寸法は225W×398H×301Dmm、質量は15.2kg(台)。

「Platinum 100 3G」Piano Ebony

「Platinum C250 3G」Piano Ebony

センタースピーカー「Platinum C250 3G」は、150mm RDT III Bassドライバー2基、63mm RDT III Midドライバー、MPD IIIトランスデューサーで構成された3ウェイバスレフ型スピーカー。周波数特性(-6dB)は30Hz-60kHzで、能率(2.83v@1m)は88dB、インピーダンスは4Ω、定格入力が300W、推奨アンプ出力は150-600Wとなる。

クロスオーバー周波数は850Hz(LF/MF)/3.5kHz(MF/HF)。外形寸法は630W×225H×301Dmm、質量は25.4kg(台)。

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