CDトランスポート「VRDS-701T」も

ティアック、V.R.D.Sメカニズム搭載のブランド70周年記念CDプレーヤー「VRDS-701」。4/15発売

公開日 2023/03/29 14:21 編集部:松永達矢
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ティアックは、独自のCDドライブ「V.R.D.Sメカニズム」を搭載したCDプレーヤー「VRDS-701」を4月15日(土)に、CDトランスポート「VRDS-701T」を5月27日(土)に発売する。価格はVRDS-701が382,800円、VRDS-701Tが275,000円(ともに税込)。

「VRDS-701」シルバー

CDを同径のアルミニウム製ターンテーブルでクランピングし、慣性質量を増大させることで回転振動や不要振動を低減させる独自のCDドライブメカニズム「V.R.D.Sメカニズム」を採用するCDプレーヤーおよびCDトランスポート。

2月にアメリカにて開催された「フロリダ・インターナショナル・オーディオ・エキスポ」にて参考出展されたモデルの日本展開がこの度正式に案内された格好。両モデルともにティアックの70周年記念モデルとして発売され、カラーバリエーションとしてブラックとシルバーの2色を用意する。

VRDS-701は、オーディオCD、CD(CD-R/CD-RW対応)の再生に対応した70周年記念を謳うCDプレーヤー。なお、SACDおよび8cmCDの再生はサポートしていない。

汎用DAC ICを使わず、独自のアルゴリズムを盛り込んだFPGAによるディスクリート回路で構成した「TEAC ΔΣディスクリートDAC」を搭載。DSDは22.5MHz、PCMは384kHz/32bitの再生をサポートする。DSDはそのままに、PCMはΔΣモジュレーターを通して1ビットまたはマルチビット信号に変換したのち、高音質アナログ信号として出力される。

ディスクリート回路構成を採用することで、広大で澄み渡る音場表現を実現。「TEACが求めていたサウンドの到達点」と言える仕上がりとアピールする。

最小5マイクロ秒の精度でD/A変換された波形をコントロールするMQAフルデコーダーを搭載。MQC-CDの再生や、デジタル入力からのMQAデータのデコードが可能となり、USB DACとしてPCからMQAファイルを再生することもできる。

「VRDS-701」ブラック

再生サポート機能として、デジタルオーディオ信号を滑らかに補完する「RDOT-NEO(Refined Digital Output Technology NEO)」を搭載する。本機能について同社は、フルエンシー理論による類推補完技術を応用し、44.1kHz/16bitのCDフォーマットから失われてしまった20kHz以上の周波数の再生を可能とするために開発されたものと説明。CDから読み取った情報をもとに、PCMデジタル信号を2xFs/4xFs/8xFs (最大384kHz) にアップコンバート。波形サンプルとサンプルの間の情報を類推して20kHzを超えるデータを生成するという。

内部設計は、電源回路、D/Aコンバーター部、アナログ出力段に至るまでデュアルモノーラル構成の贅沢な回路を採用。L/R信号によるお互いの干渉を防ぎ、音場感や立体感など豊かな音楽表現を実現。さらに、L/Rそれぞれのアナログ出力信号をD/A変換後から最終出力段までフルバランス伝送とすることで、S/Nの向上やダイナミックレンジの拡大にも大きく寄与している。

従来機にも搭載されるフルバランス構成のアナログ可変ゲインアンプ型アッテネーター「TEAC-QVCS」を内蔵。左右・正負(L+、L–、R+、R–)に独立した4回路構成の可変ゲインアンプ型ボリュームとなっており、理論上のギャングエラーを排除し、–95dBから+24dBまで0.5dBずつの非常に細かいアナログ音量調節が可能。プリアンプを使わずにパワーアンプへ直接接続することができる。

外部クロック同期用に10MHzのクロック入力を装備。CD再生用の44.1kHz、USB DACとしてPCからのファイルを再生する際に必要な48kHzのクロックも低位相雑音タイプの高精度水晶発振器を備える。

電源部は、アナログ信号用のトライダルコアトランスに加え、デジタル制御部とCDメカニズム部それぞれに独立した大容量トロイダルコアトランスを用意。計3基のトロイダルコアトランスにより安定した電流供給を行うことで、瞬間的な音の立ち上がり、立ち下りを克明に表現。トランスはそれぞれサブシャーシにマウントされており、振動をコントロールする。

アナログ処理部には、独自の電流伝送強化型出力バッファー回路「TEAC-HCLD2」を搭載。電流伝送能力の高いダイヤモンドバッファーアンプをラインドライバーとして片チャンネルあたり正負2回路構成。バランス出力の場合はディファレンシャル (差動)、アンバランス出力の場合はパラレル(並列)で駆動させ、電流供給能力を高めたことで音楽信号が持つダイナミズムを余さず伝えることができるという。

「VRDS-701」背面部

ヘッドホンアンプには、上記の電流伝送強化型の出力ラインドライバーと同等の低歪、高S/N、2000V/usの高スルーレートを持つ高出力回路を駆動専用に搭載する。

制振対策として、V.R.D.Sメカニズムを支えるブリッジ部に高剛性かつ共振のない素材を配置。CDメカニズム全体をサブシャーシにセミフローティング状態でマウントするなど共振の影響を排除した。トランス部についても底板から浮かせたフローティング構造を採用。放熱用のサイドフィンは共振を排除するため各フィンの長さも1枚ずつ異なる長さに調整するなど徹底した設計を施す。

さらに、基板の固定ねじは最低限にとどめ、底板とフットとの接合に遊びを持たせた新機構のスチール製ティアックオリジナル・ピンポイントフットを採用。音質に影響を与える振動を徹底してコントロールしたと同社はアピールしている。

このほかにも、安定したデータ転送が可能なUSB伝送技術「Bulk Pet」を搭載し、DSD 22.5MHz、PCM 384kHz/32bitといったハイレゾ音源を簡単にWindowsやMacintoshパソコンから再生できる無料の専用ソフト「TEAC HR Audio Player」を無償でバンドルする。

デジタル入力端子としてUSB Type-C、RCA、角型光デジタルを1系統ずつ装備。出力端子として、RCA、角型光デジタル、6.3mmヘッドホン端子を1系統備える。さらに、BNC端子(クロックシンク入力)、3.5mm モノラルミニジャック(トリガー入/出力)を装備。外形寸法は444W×111H×333Dmm、質量は11.1kg。

VRDS-701Tは、VRDS-701からDAC機能を廃し、ディスク再生とDACの処理を分散することで、それぞれの負荷を抑え、安定した動作と高音質化を実現させたCDトランスポート。

「VRDS-701T」

VRDS-701同様、V.R.D.Sメカニズムと10MHzのクロック入力を搭載。MQA CD再生ではMQAコアデコーダーによる88.2kHzでのデジタル出力をサポート。MQAレンダラー機能を持つDACと組み合わせることで、MQAフルデコードによる再生が可能だ。

電源部はデジタル制御部とCDメカニズム部それぞれに独立した大容量トロイダルコアトランスを搭載し、トランスはそれぞれサブシャーシにマウントされ、振動をコントロールする。

「VRDS-701T」背面部

筐体構造についても、VRDS-701を踏襲したフローティング構造、ピンポイントフットを採用する。出力端子としてRCA、角型光デジタル、他にBNC端子(クロックシンク入力)、3.5mm モノラルミニジャック(トリガー入/出力)を装備する。外形寸法は444W×111H×333Dmm、質量は10.1kg。

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