Eleven Audioの創業者も来日

<オーディオセッション in OSAKA>AIR TIGHT「ATM-1」2024EDITION/ティグロン「3000番台」初披露

公開日 2023/11/19 16:43 ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
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11月17日(土)と18日(日)の2日間、「オーディオセッション大阪」が開催されている。ここでは、新たに会場となった「IPシティホテルOSAKA」の2Fと3Fにて展開しているブースを紹介しよう。

以前「ハートンホテル南船場」として営業していたホテルが改装されて「IPシティホテルOSAKA」となった

AIR TIGHTとTADの共同ブースは常に大入り満員



AIR TIGHTとTADは合同ブースを出展。TADの新フロア型スピーカー「TAD-GE1」とブックシェルフ型「TAD-CR1TX」をメインに、両社のアンプで鳴らし分けるデモンストレーションを行った。

AIR TIGHTとTADの共同ブース。広めの部屋でゆったりとオーディオが楽しめるようになっている

AIR TIGHTの時間では、モノラルパワーアンプに「ATM-3211」を使用。比較的広めの部屋でもしっかり鳴らし切る120W(6Ω)の出力を誇るモデルであり、ジャズからクラシック、ハードロックまで担当スタッフのフェイバリットなレコードを存分に再生し、満員の来場者の耳を潤していた。

TADは最新プリアンプ「TAD-C1000」(左上)やSACDプレーヤー「TAD-D700」などを中心に披露

また東京インターナショナルオーディオショウでもお披露目された「ATM-1(2024 edition)」が大阪でも登場。ATM-1は1986年に同社が創業時に第一号として発売したモデルで、その2024バージョンという点にも同社の意気込みがうかがえる。EL34のプッシュプル駆動で36W×2の出力を予定。まだ開発中ということで今後の正式発売を楽しみに待ちたい。

AIR TIGHTの「ATM-1 2024EDITION」

YAMAHAとESOTERICは主力モデルにさまざまな組み合わせ提案



YAMAHAは同社のフラグシップとなる“5000番台”シリーズと、“2000番台”シリーズを時間ごとに切り替えながらデモを実施。上原ひろみの最新アルバム「Sonicwonderland」のアナログ再生(GT-5000を使用)では、上原ひろみの精細な指使いが手に取るように見えることに加え、ベースやトランペットの質感をリッチに描き出す高い再現能力を感じさせた。

ヤマハのフラグシップスピーカー「NS-5000」も登場

5000番台のセパレートアンプに、ネットワーク機能も内蔵するプリメイン「R-N2000A」も登場

ESOTERICは、TANNOYのスピーカー「Stirling III LZ Special Edition」を「05シリーズ」で鳴らす“ミニマムハイエンドシステム”と、Grandiosoシリーズを活用してavantgardeの「UNO XD」を鳴らすシステムと2種類のシステムを提案していた。

TANNOYのスピーカーを中心にしたデモ

アヴァンギャルドの「UNO XD」を中心にしたデモ

Eleven Audioから初のプリメイン「A390」登場



トップウイングサイバーサウンドグループは、同社が取り扱うiFi audio、M2tech、Lotoo、TIEN audioなどの新製品を多数披露。さらに、先日リブランドが発表されたEleven audio(旧名称・XI audio)より、創業者であり全製品の開発を手掛けるマイケル・シャオ氏が来日し、R-2R技術を活用した「SagraDAC 2」の詳細解説や、AB級プリメインアンプ「A390」などを披露した。

Eleven Audioの創業者であるマイケル・シャオ氏(左)も来日し開発へのこだわりを語る

「A390」は同社初のスピーカーを駆動するためのプリメインアンプとなる。シャオ氏によると、Eleven AudioではTHDのスペックを徹底追求しており、本機にもそのこだわりが込められているという。これまでヘッドホンアンプを中心に開発していたが、今回は初めてスピーカー再生にも挑戦。ハーフサイズというコンパクトな筐体だが、OPアンプを使わずすべてディスクリートで構成しているという。

ハーフサイズのプリメインアンプ「A390」も初登場

CSポートはアクティブクロスオーバーにも注力



CSポートは、同社のステレオパワーアンプ「GM70PA」をブリッジ使用して、ソナス・ファベールの「Serafino G2」を再生。弦楽器やチェンバロの繊細なニュアンス感を情感豊かに描き出していた。

ソナス・ファベールの「Serafino G2」を組み合わせるCSポートのブース

また、今年ぜひプッシュしたい製品としてアクティブ・クロスオーバーの「ACN400」を紹介。独自の「MKフィルター」によって位相のコントロールを実現しており、自作スピーカーユーザーにとって使いやすさを追求した製品となっているとのこと。最大4ウェイまでの設定が可能となる。

アクティブクロスオーバー「ACN400」(左)は今年の注目モデル。右はステップアップトランス「CMT1」

QUADRALとKRIPTONのスピーカーを聴き比べ



KRIPTONは、同社の2ウェイ密閉型スピーカー「KX-0.5II」「KX-3SX」の聴き比べを実施。いずれもウーファーユニットにクルトミュラーコーン紙を使用しており、ユニットから自社設計しているからこそ実現できるスピーカー制作のこだわりをアピール。

クリプトンは同社の密閉型スピーカー2モデルの聴き比べ

またKRIPTONのスピーカーはいずれもバイワイヤリングに対応しており、バイワイヤリング専用として準備したスピーカーケーブル「SC-HR2020/2M Y-B」も紹介。基本は2.0mが標準仕様となるが、ユーザーの環境に合わせて特注でのケーブル制作も可能とのこと。

バイワイヤリングの楽しみも紹介する

ネットワークジャパンのデモには、同社が取り扱うドイツ・QUADRALの最新シリーズ「Chromium」が登場。上位グレード「AURUM」譲りのリボントゥイーターを搭載するスピーカーだ。アニメソングとゲーム音楽の再生も行われ、身体を揺らしながらアニソンワールドに浸る参加者もいるなど、思い思いのスタイルで音楽を楽しんでいた。

ドイツ・QUADRALの「Chromiumシリーズ」が登場

TIGLONやWELLFLOATなどアクセサリー関連のサイレントブースも注目



ヒノ・エンタープライズは同社が卸として取り扱うブランドや、ZYX、Lebenなどの自社ブランドを展開。製品展示&ヘッドホン再生のみというサイレント展示ブースとなっている。

TIGLONは、来年発売予定の新電源ケーブル「White Tiger(白虎) TPL-3000A」とオーディオボード「Vermillion bird(朱雀) TMB-500」を初展示。“青龍”電源ケーブルに続く製品で、「White Tiger」は3000番台という型番が示す通り、同社の2000番台のさらに上を狙うグレードとなる。ケーブル外装も白黒で編み上げられており、白虎のイメージを思わせる。新開発のシールド技術も投入されているということで、詳細の発表が楽しみだ。

来年発売予定、ティグロンの電源ケーブル「White Tiger TPL-3000A」

オーディオボード「Vermillion bird TMB-500」

WELLFLOATからは多段式の吊り構造式メカBabelの技術を応用した「WELLFLOAT Double」や、Babelと組み合わせて使用する「Babel BASE」が登場。またあらたにJasmin Audioのトーンアームやアナログ関連製品の関西圏のショップへの卸もスタートさせるという。

Babelと組み合わせて使用するボード「Babel BASE」

ムジカノートは10万円以下で入手できる“アナログプレーヤー制作キット”「TK-101」を展示。それぞれのパーツは3Dプリンターで作られており、それぞれの役割を知ることでアナログプレーヤーのメカニズムも学ぶことができる。「若いユーザーにもアナログの楽しさを伝えていきたい」という思いから開発に至ったと語る。

新たにJasmine Audioの卸業務も開始する

ムジカノートから登場した「アナログプレーヤー自作キット」

オーディオセッションの事務局によると、今年は事前予約制をなくして自由に来場できるようにしたことも功を奏したのか、昨年よりも初日の人出に手応えを感じたという。ヒノ・エンタープライズの日野氏も、「来年以降、大阪だけではなく東京開催も視野に入れながら、オーディオを盛り上げるイベントをさらに仕掛けていきたい」と意気込みを語ってくれた。

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