PHONO-1 MK2をブラッシュアップ

VERTERE、新フォノアンプ「PHONO-1 MK2 L」。回路部品の配置見直しなどで音質改善

公開日 2024/01/23 19:04 編集部:小野佳希
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タクトシュトックは、同社が取り扱うVERTERE(ヴァルテレ)ブランドより、フォノアンプ「PHONO-1 MK2 L」を1月25日に発売する。価格は297,000円(税込)。カラーバリエーションとして、シルバーとブラック(Illuminated Black、IB)を用意している。

PHONO-1 MK2 L(シルバー)

2021年7月に発売した「PHONO-1 MK2」のアップグレードモデル。回路部品の物理的な位置の見直しによって不要な相互作用を減らしたことに加え、信号回路を洗練させることで歪みを減らしたという。なお、従来のPHONO-1 MK2は生産完了となる。

PHONO-1 MK2 L IB(ブラック)

回路部品位置の見直しについては、リニア電源を回路基板上に移動。これによって、グランドラインの最適化を図った。また、インピーダンスを下げて電流の流れを改善し、信号経路の最短化などを行った。「一見小さな変更と思えるこれらは、大きなサウンドの深化をもたらした」とアピールしている。

筐体内部構造

10種類以上のゲイン設定を用意しており、様々なカートリッジに対しレベルを合わせられるよう配慮。また、15種類の抵抗値と9種類のキャパシタンス容量が設定でき、10kHz以上の周波数特性を持つMMカートリッジにおいても、適切な周波数バランスを実現可能だとしている。

本体底面にディップスイッチを設けており、組み合わせによって左右チャンネル毎に15種類の抵抗値と9種類のキャパシタンス容量を設定可能。底面にはもうひとつディップスイッチを備え、10種類以上のゲイン設定を行える。

そのほかの変更点として、天板に“PHONO-1”のプリントを追加。これら以外の性能は基本的に従来モデルから継続。搭載されるRIAA回路には、公差の少ない選別部品のみを使用することで、ダイナミックレンジの最大化と細部の高解像化に寄与しており、洗練された自然な音色を実現するとしている。また、二重にシールドされた内部回路や、3ウェイのフォノ基板グランド・マネージメントスイッチにより、アースに起因するハムノイズを最小限に抑え、設置場所を選ばずに使用できるという。

オーディオ信号への影響を最小限に抑えるため、メインフォノ回路と電源トランスに高品質な金メッキ基板を採用。ほか、RIAA回路とプリアンプ回路のアイソレーションを高めるため、ステンレス製のシールドを用いたダブルシールド構造をメイン基板に施している。

筐体背面には3ウェイ・スイッチを装備し、プリアンプとシャーシを「ハード・グラウンド」、「グラウンド・リフト」、「ソフト・グラウンド」のいずれかで接続することが可能。また必要に応じて「信号グラウンド端子」も装備。本機とメインアンプの間に発生するハムノイズの可能性を低減させられるという。

背面端子部

ゲインの適用範囲は40.2dB - 62.8dB。入力インピーダンスは、47kΩ(MM)/78R to 47KΩ(MC)の14ステップ、キャパシタンスは100pF or 470pF(MM)/100pF - 1.02uF(MC)の9ステップ。周波数特性は20Hz - 20kHz (±0.2dB)、ノイズは< -78dB - AWDとなり、THD-Nは0.03%。外形寸法は210W×55H×235Dmm(スイッチ類、脚部含む)、質量は2.0kg。

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