BMWやアウディ、ジャガーのデモカーを出展
<大阪オートメッセ>AV Kansai、カーオーディオで高級ホームオーディオに迫る音を追求
カスタムカーの楽しさを伝える「オートメッセ大阪2024」が2月10日(土)から12日(月)までの3日間、大阪・南港のインテックス大阪にて開催された。AV Kansaiは、BMW「M3」、アウディ「RS3」、ジャガー「i-PACE」の3台の車を用いて、松竹梅の3グレードを用意してカーオーディオの楽しみを提案していた。
ジャガーの赤い「i-PACE」は唯一のEV車両で、EVにカーオーディオを組み込む新しいスタイルとなっていた。EVは電気で動くため、アンプやDSPを組み込むことで車両の航続距離などに影響が出ないかを試す目的もあったというが、AV Kansaiの安藤氏によると「特に大きな影響はなさそう」とのこと。カーオーディオシステム全体でおおよそ160万円強となる。
ミッドレンジユニットのGround Zero「GZPK 165SQ-C」を、運転席向きではなく、フロントガラスに向けた外向きに設置しているのが大きな特徴で、ガラスの反射を利用して運転手の耳に届くよう調整されている。耳との物理的な距離を確保することで、タイムアライメントを調整するという高度なテクニックだ。ただし、ガラス素材が音に与えるデメリットもあるので、そこをどう最終調整するかにインストーラーの腕が問われる。
送り出しにはGOLDHORNの「GS-P2 DSP Pro」を使用。12chのDSP機能も搭載しており、USBメモリを直接挿入することで音楽再生が可能。重心の低い安定感ある音が特徴で、カッチリした情報量の豊かさも魅力だ。特にアンドレア・バッティストーニ指揮の「《キャンディード》序曲」では、金管楽器の“走りっぷり”が見事。金管特有の華やかな音の煌めきや粒立ち感がキラキラと輝くようで、それでいて低域にはどっしりとした底の深さも聴かせており、サウンドステージ構築の巧みさを聴かせてくれた。
グレーのアウディ「RS3」は、サエクコマースとの共同制作で、スピーカーケーブル、RCAケーブルなど内部配線にすべてサエク製品を使用するという贅沢なシステム構成。サエクの「音楽信号をロスなくスムーズに流す」特徴をうまく活用しており、DSPやアンプ、スピーカーそれぞれがのびのびと実力を発揮していることを感じさせてくれる。AV Kansaiの岩元氏によると「ナチュラルな質感」を目指してチューニングを施したという。
フロントスピーカーはmorelの「ELATE CARBON MM3」にトゥイーター「ELATE CARBON ALTO」を組み合わせ。ヴォーカルの艶感や滑らかさはさすがのmorelといったところで、ダイアナ・パントンの「イエスタデイ」では彼女の可愛らしさと優しさが存分に引き出されてくる。エッセンスとしてBLAMのスーパートゥイーターを取り付けているのもサウンドステージ構築におけるこだわりだ。
ビル・エヴァンス・トリオの「My Foolish Heart」ではシンバルの細やかさの表現が見事で、ある程度ボリュームをしっかり出してもS/N良好で破綻しない安定感がある。ケーブルを同一ブランドで揃えることで、帯域ごとの質感表現が統一されており、細部の表現がよく見えてくる。フュージョングループFourplayでは、楽器の音色感をコントロールする演者たちの巧みさも見えてきてまた面白い。
そして真打となるのが、BMWの「M3」。まさに「カーオーディオコンテスト」での勝ちを狙ったといえる高解像度、良好な帯域バランス、低域の締まり、そして上質な質感表現と、非の打ちどころのないチューニングスキルを見せつける。アコースティックな楽器はその空気感を再現し、YOASOBIのようなエレクトリックを主体としたサウンドでは電子楽器らしい切れ味の良さを聴かせてくれる。藤井風の「きらり」では、少しいがらっぽい彼の声の魅力が引き立っていたのも印象的。
アンプは、ピアノの鍵盤を模したデザインも美しいクアルトリゴのステレオパワーアンプ「OPUS AMP I」(A級駆動)と「OPUS AMP II」(AB級駆動)をユニットごとに使い分けている。DSPにはRESOLUTの「M-DSP」と、最高グレードの製品を存分に活用することで、上質な質感を実現している。
The Weekndのファルセットボイスは、どこまでも高く美しく伸びてゆき、アンネ・ゾフィー=ムターのヴァイオリンの弦のしなやかさもまた格別。縦横方向だけではなく、ダッシュボード上に展開する三次元的な奥行きも感じられて、座席にゆったりと腰を下ろすと、まさにハイエンドのホームオーディオシステムに相対しているかのような極上の時間だ。
AV Kansai社長の岩元氏は「ホームオーディオで実現できるようなサウンドステージや立体感を、カーオーディオでもしっかり実現できるようにしたい」と日頃から探求を重ねているという。今回のBMW「M3」は現時点での到達点と言えそうだ。
ジャガーの赤い「i-PACE」は唯一のEV車両で、EVにカーオーディオを組み込む新しいスタイルとなっていた。EVは電気で動くため、アンプやDSPを組み込むことで車両の航続距離などに影響が出ないかを試す目的もあったというが、AV Kansaiの安藤氏によると「特に大きな影響はなさそう」とのこと。カーオーディオシステム全体でおおよそ160万円強となる。
ミッドレンジユニットのGround Zero「GZPK 165SQ-C」を、運転席向きではなく、フロントガラスに向けた外向きに設置しているのが大きな特徴で、ガラスの反射を利用して運転手の耳に届くよう調整されている。耳との物理的な距離を確保することで、タイムアライメントを調整するという高度なテクニックだ。ただし、ガラス素材が音に与えるデメリットもあるので、そこをどう最終調整するかにインストーラーの腕が問われる。
送り出しにはGOLDHORNの「GS-P2 DSP Pro」を使用。12chのDSP機能も搭載しており、USBメモリを直接挿入することで音楽再生が可能。重心の低い安定感ある音が特徴で、カッチリした情報量の豊かさも魅力だ。特にアンドレア・バッティストーニ指揮の「《キャンディード》序曲」では、金管楽器の“走りっぷり”が見事。金管特有の華やかな音の煌めきや粒立ち感がキラキラと輝くようで、それでいて低域にはどっしりとした底の深さも聴かせており、サウンドステージ構築の巧みさを聴かせてくれた。
グレーのアウディ「RS3」は、サエクコマースとの共同制作で、スピーカーケーブル、RCAケーブルなど内部配線にすべてサエク製品を使用するという贅沢なシステム構成。サエクの「音楽信号をロスなくスムーズに流す」特徴をうまく活用しており、DSPやアンプ、スピーカーそれぞれがのびのびと実力を発揮していることを感じさせてくれる。AV Kansaiの岩元氏によると「ナチュラルな質感」を目指してチューニングを施したという。
フロントスピーカーはmorelの「ELATE CARBON MM3」にトゥイーター「ELATE CARBON ALTO」を組み合わせ。ヴォーカルの艶感や滑らかさはさすがのmorelといったところで、ダイアナ・パントンの「イエスタデイ」では彼女の可愛らしさと優しさが存分に引き出されてくる。エッセンスとしてBLAMのスーパートゥイーターを取り付けているのもサウンドステージ構築におけるこだわりだ。
ビル・エヴァンス・トリオの「My Foolish Heart」ではシンバルの細やかさの表現が見事で、ある程度ボリュームをしっかり出してもS/N良好で破綻しない安定感がある。ケーブルを同一ブランドで揃えることで、帯域ごとの質感表現が統一されており、細部の表現がよく見えてくる。フュージョングループFourplayでは、楽器の音色感をコントロールする演者たちの巧みさも見えてきてまた面白い。
そして真打となるのが、BMWの「M3」。まさに「カーオーディオコンテスト」での勝ちを狙ったといえる高解像度、良好な帯域バランス、低域の締まり、そして上質な質感表現と、非の打ちどころのないチューニングスキルを見せつける。アコースティックな楽器はその空気感を再現し、YOASOBIのようなエレクトリックを主体としたサウンドでは電子楽器らしい切れ味の良さを聴かせてくれる。藤井風の「きらり」では、少しいがらっぽい彼の声の魅力が引き立っていたのも印象的。
アンプは、ピアノの鍵盤を模したデザインも美しいクアルトリゴのステレオパワーアンプ「OPUS AMP I」(A級駆動)と「OPUS AMP II」(AB級駆動)をユニットごとに使い分けている。DSPにはRESOLUTの「M-DSP」と、最高グレードの製品を存分に活用することで、上質な質感を実現している。
The Weekndのファルセットボイスは、どこまでも高く美しく伸びてゆき、アンネ・ゾフィー=ムターのヴァイオリンの弦のしなやかさもまた格別。縦横方向だけではなく、ダッシュボード上に展開する三次元的な奥行きも感じられて、座席にゆったりと腰を下ろすと、まさにハイエンドのホームオーディオシステムに相対しているかのような極上の時間だ。
AV Kansai社長の岩元氏は「ホームオーディオで実現できるようなサウンドステージや立体感を、カーオーディオでもしっかり実現できるようにしたい」と日頃から探求を重ねているという。今回のBMW「M3」は現時点での到達点と言えそうだ。
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