「手間が掛かるからこそ愛される」、今のレコードブームのワケ

ナガオカ、第5回目「レコード針供養」を開催。新たな試みとして住職とのレコード試聴も実施

公開日 2024/03/08 20:20 季刊・analog編集部
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(株)ナガオカトレーディングは、 “レコード針の日” にあたる3月9日を迎えるにあたり、前日の3月8日に埼玉県秩父市にある音楽寺で「レコード針供養」を執り行った。

一般ユーザーから募った使用済のレコード針は昨年以上の数が集まった

「レコード針に感謝し、針を交換することの重要性や、レコードを良い音で聴く習慣のきっかけ作り」のため、創業80周年となる2020年に復活させてから今年で5回目にあたる今回。この日は大雪の予報も出るなど、開催自体が心配されたが、秩父地方の空は晴れわたり、無事に実施することができた。

レコード針供養が行われた埼玉県・秩父の「音楽寺」。ナガオカトレーディングの執行役員・営業部長である西 武司氏を始めとした同社のスタッフとともに

今年は新たな試みとして、レコードが聴けるようにアナログプレーヤー等のシステムを設置。供養を終えた後には、住職とともにレコードを楽しむ時間が設けられた。住職は、「好きな音楽、嫌いな音楽はあっても、悪い音楽というものは存在しない。音楽はどんな時代も、どんな人にも心を高揚させてくれる普遍的なものだと思っています」という。

針供養の後は住職とともにレコード再生を楽しむ

さらに子供の頃からの車好きだという住職は、「いまの車は面白くないとよく言われますが、それは自分が手間をかけて育てていけるような隙間がなくなってしまったからだと思います。モノは面倒で手間がかかるからこそ愛着が出てくるのです。いまレコードがブームになっているのも、こういった隙間があるからだと思います」と述べる。

住職(左)と音楽寺の総代の原島久さん(右)からもお話を伺う

ナガオカトレーディングの執行役員・営業部長である西 武司氏は、「レコードはいま再びブームになりましたが、使い古されたレコード針がそのまま捨てられていくことを思うと心が痛みます。弊社の先人たちもこういった思いがあったからこそ、この針供養をしていたはずです。ですから絶対に復活させないといけないと思っていました」と伝えてくれた。

実際に住職がお経をあげていただき、お焼香なども執り行われる

また、音楽寺の総代である原口 久氏は、「この音楽寺の総代となって今年で6年目を迎えています。5年前にこの針供養がはじまったことをきっかけに、寺ピアノや演奏会も始めました。歌手やピアニスト、指揮者の方など音楽関係の方々もいままで以上に、本当にたくさん来てくれるようになりました」と語る。

秩父市の文化財に指定。1768年に鋳造されたという梵鐘を鳴らす

音楽寺は “旅するチョウ” アサギマダラが飛来する場所としても知られており、今年の1月には「第1回アサギマダラ・フォーラム」も実施。この音楽寺だけでなく、秩父地方の10カ所に新たに飛来する場所が設けられたという。

音楽寺には音楽に携わっている多くの関係者が訪れる

秩父ミューズパークの中腹に位置する音楽寺。音楽に関わるすべての方々の祈願とともにぜひとも訪ねてみてはいかがだろうか。

“旅するチョウ” アサギマダラが飛来する場所としても有名

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