Synergistic Researchから新アイテムが登場!
ネットワークオーディオの最後のピース!? “オーディオグレード”ルーターの可能性
いまネットワークオーディオの新たな高音質探求アイテムとして注目されているのが、「ルーター」である。これまでにも、ネットワークハブに良質なモデルを投入することや、光絶縁ツールでアイソレートすることで音質改善が見込めることなどが徐々に明らかになってきた。しかし、「ルーター」は必須アイテムながら、これまでどうしても市販の汎用品を使うしかなかったジャンルである。
だがここへきて、新たにアメリカ・カリフォルニア州のアクセサリーブランド、Synergistic Research(シナジスティック・リサーチ)から「Network Router UEF」という製品が登場して、にわかにネットワークオーディオファンが活気づいている。
そこで、本製品を積極的に推薦している「オーディオユニオンお茶の水ハイエンド館」、「オリオスペック」、名古屋の「オタイオーディオ」の3つのオーディオ専門店に、この製品の魅力と使いこなしについて教えてもらった。
まずはオーディオユニオンお茶の水ハイエンド館の竹武(たけぶ)さんから。「当店では以前からネットワークオーディオの高音質化には力をいれておりまして、エディスクリエーションの光アイソレーターやDELAのハブなども積極的に提案してきました。ですが、やっぱりルーターは汎用品を使うしかなかったんですね。そこに登場してきたこのNetwork Router UEF、デモ機を聴いた瞬間に『これは!』と確信しまして、すぐに常設の展示機をオーダーしました」
Network Router UEFは無線アクセスポイントをもたない、有線のみで使用できるルーターである。Synergistic Researchの特徴は、独自の「EMセル」と呼ばれる電磁波シールド技術にあり、高周波ノイズを効果的に排除する、と解説されている。他にもネットワーク関連製品として、スイッチングハブ「Ethernet Switch UEF」やネットワークプレーヤー「Voodoo」なども展開している。
Network Router UEFの背面には、ONUなどと繋ぐRJ-45のポート1系統と、プレーヤーやハブなどと繋ぐポート4系統を搭載する。オーディオユニオンの試聴室では、ONU→(光アイソレーター)→市販のルーター→Network Router UEFとつなぎ、そこからfidataのサーバーとエソテリックのプレーヤーに接続されている。
竹武さんにセッティングしていただき、市販のルーターと「Network Router UEF」の聴き比べを行った。ルーターによる音質差の聴き比べは記者も初めての体験である。スピーカーはソナス・ファベールの「Serafino G2」、Roon Coreにはエディスクリエーションの「HAYDN」、Roon Readyとしてエソテリックの「N-01XD SE」を使用している。
結果は…やはりSynergisticのルーターが圧勝。特にS/N感や情報量に大きな違いを感じられ、例えばイーグルスの「ホテル・カリフォルニア」ライブ盤では、拍手の立体感やステージの奥行き感がぐっとリアリティを持って迫ってくる。
ケルテス指揮による「ドヴォルザーク:交響曲第9番《新世界より》」の第4楽章では、弱音で始まる冒頭の楽器のニュアンス感もさることながら、クレッシェンドのきめ細やかさにも驚かされる。ノラ・ジョーンズの「Come Away With Me」では音の芯が太くなり、ボーカルとピアノがさらに生々しく耳を潤わせてくれる。
これほどまでに効果があるならばぜひ導入したい、と思うところだが、導入の際にはいくつか気をつけてほしいことがあります、と竹武さん。
「Network Router UEFは無線機能は内蔵していないので、操作用のスマホやタブレットなどを無線Wi-Fiに繋いでそのまま使うことはできません。別途無線LANのアクセスポイントを繋いで経由して接続するか、スマホやタブレット用の有線LANアダプタを使用していただく形となります。またいわゆる“二重ルーター”になっていますので、たとえばRoon ARCを利用したい場合や、家族がオンラインゲームなどをやりたい場合などはうまく動かない可能性があります」
いずれにしても、安定した使用にあたっては適切なネットワークの知識が必要となる。そのため、本製品はオーディオユニオンを含む全国4店舗(2024年6月時点)の特約店のみでの販売となっている。もし接続や設定に不安がある場合は出張セットアップにも対応してくれるという。
竹武さん自身も自宅ではSoundgenicと組み合わせてこのルーターを愛用しているという。「価格的に釣り合わないことは分かっているのですが、やはり一度この音を聴いてしまうと、後戻りできませんよね」。使いこなしにコツは必要となるが、やはりネットワークの上流部分にきちんと対策を行うことで、システム全体のグレードアップが実現できるというのは点は大きな魅力となっている。
秋葉原のPCオーディオショップ、オリオスペックも本製品の特約店のひとつ。同社の酒井さんも、Synergistic Researchのルーターの音質効果に圧倒されて、本製品の導入を決意した。
「正直に言うと、こういった“オカルト”チックな製品はかなり懐疑的に見ていたところはありました。でも、実際に音を聴いてみたら、明らかにノイズフロアが下がって背景が静かになった印象を受けたんです。これはうちでもちゃんと扱わないと、と思って展示機を導入しました」
PCオーディオ/ネットワークオーディオの黎明期から、ネットワークにまつわるさまざまなトラブルに応えてきた酒井さん。上述の「二重ルーター」問題や無線Wi-Fiが使えないといった課題があることも承知のうえで、これまで培ってきたトラブルシューティングのノウハウが生かせるのではないか、と考えている。
「うちの店では、TP-LINKの無線アクセスポイントをセットにして販売しています。Network Router UEFのさらに下流に繋ぎ、タブレット等はこちらのアクセスポイントにつなぐ、という使い方ですね。必要なセットアップはこちらで全部行ってからお客様にお渡ししていますので、安心してお使いいただけます」
もう一店舗、名古屋のオタイオーディオのペガサス☆田中さんからは、気合の入った推薦文を執筆頂いたので、以下に紹介しよう。
■ありそうでなかったオーディオ専用ルーターの実力はすごい!
ネットワークの大元から音質を改善できるSynergistic Researchのルーター「Network Router UEF」の存在を知ったのは、アイレックス(株)の朝日社長からの一言でした。「Synergistic Researchはネットワークオーディオ機器にも力を入れていて、メディアサーバーやスイッチングハブ以外にも、オーディオ用途としては珍しくルーターもラインナップしています。ぜひ聴いてみませんか?」。二つ返事で試聴機をお借りして、オタイオーディオの試聴室でじっくり聴いてみました。
接続方法やセッティングなどの詳細は省きますが、この点に関してはネットワークに詳しい販売店のスキルが必要かと思います。実をいうと私は前職ではITエンジニアをやっており、法人向けのネットワーク環境の設計・構築にも携わっていましたが、その私でも難しい印象を拭えませんでした。
しかしその難点をクリアしてしまえば、今までにないネットワークオーディオの世界を見ることができました。システム全体から出てくるサウンドは非常に低いノイズフロアで、一音一音がはっきりと聴こえてきます。しかし、それだけで終わらないのがSynergisticの特徴なのでしょうか。ネットワークオーディオとは感じることが難しい温かみのある有機的な音質も感じられます。
「ルーターでシステム全体が激変する!」と、即座に本ルーターの展示導入を決めました。これからネットワークオーディオの「肝」となりそうなオーディオ機器だと強く確信するペガサス☆田中でした。
◇
3つの店舗のメッセージから伝わってくることは、「セットアップは少々コツが必要だが、それを補って余りある音質改善効果が感じられる」ということ。輸入元のアイレックスも、「当面は専門的な知識を持ったお店を中心に展開していきたい」ということなので、興味のある方は以下の特約店にぜひご相談を。
関東地方
●オーディオユニオンお茶の水ハイエンド館
東京都千代田区 神田駿河台2-2-1 3F
TEL:03-5280-5105
●オリオスペック
東京都千代田区外神田2-3-6 成田ビル2F
TEL:03-3526-5777
中部地方
●オタイオーディオ
〒481-0032 愛知県北名古屋市弥勒寺西1-127
TEL:0568-21-2700
東北地方
●オーディオラボ鶴岡
〒997-0845 山形県鶴岡市下清水字打越4-1
Tel:0235-25-9807
だがここへきて、新たにアメリカ・カリフォルニア州のアクセサリーブランド、Synergistic Research(シナジスティック・リサーチ)から「Network Router UEF」という製品が登場して、にわかにネットワークオーディオファンが活気づいている。
そこで、本製品を積極的に推薦している「オーディオユニオンお茶の水ハイエンド館」、「オリオスペック」、名古屋の「オタイオーディオ」の3つのオーディオ専門店に、この製品の魅力と使いこなしについて教えてもらった。
オーディオグレードルーターではS/N感や情報量に大きな違い
まずはオーディオユニオンお茶の水ハイエンド館の竹武(たけぶ)さんから。「当店では以前からネットワークオーディオの高音質化には力をいれておりまして、エディスクリエーションの光アイソレーターやDELAのハブなども積極的に提案してきました。ですが、やっぱりルーターは汎用品を使うしかなかったんですね。そこに登場してきたこのNetwork Router UEF、デモ機を聴いた瞬間に『これは!』と確信しまして、すぐに常設の展示機をオーダーしました」
Network Router UEFは無線アクセスポイントをもたない、有線のみで使用できるルーターである。Synergistic Researchの特徴は、独自の「EMセル」と呼ばれる電磁波シールド技術にあり、高周波ノイズを効果的に排除する、と解説されている。他にもネットワーク関連製品として、スイッチングハブ「Ethernet Switch UEF」やネットワークプレーヤー「Voodoo」なども展開している。
Network Router UEFの背面には、ONUなどと繋ぐRJ-45のポート1系統と、プレーヤーやハブなどと繋ぐポート4系統を搭載する。オーディオユニオンの試聴室では、ONU→(光アイソレーター)→市販のルーター→Network Router UEFとつなぎ、そこからfidataのサーバーとエソテリックのプレーヤーに接続されている。
竹武さんにセッティングしていただき、市販のルーターと「Network Router UEF」の聴き比べを行った。ルーターによる音質差の聴き比べは記者も初めての体験である。スピーカーはソナス・ファベールの「Serafino G2」、Roon Coreにはエディスクリエーションの「HAYDN」、Roon Readyとしてエソテリックの「N-01XD SE」を使用している。
結果は…やはりSynergisticのルーターが圧勝。特にS/N感や情報量に大きな違いを感じられ、例えばイーグルスの「ホテル・カリフォルニア」ライブ盤では、拍手の立体感やステージの奥行き感がぐっとリアリティを持って迫ってくる。
ケルテス指揮による「ドヴォルザーク:交響曲第9番《新世界より》」の第4楽章では、弱音で始まる冒頭の楽器のニュアンス感もさることながら、クレッシェンドのきめ細やかさにも驚かされる。ノラ・ジョーンズの「Come Away With Me」では音の芯が太くなり、ボーカルとピアノがさらに生々しく耳を潤わせてくれる。
セットアップにはネットワークの専門知識が必要
これほどまでに効果があるならばぜひ導入したい、と思うところだが、導入の際にはいくつか気をつけてほしいことがあります、と竹武さん。
「Network Router UEFは無線機能は内蔵していないので、操作用のスマホやタブレットなどを無線Wi-Fiに繋いでそのまま使うことはできません。別途無線LANのアクセスポイントを繋いで経由して接続するか、スマホやタブレット用の有線LANアダプタを使用していただく形となります。またいわゆる“二重ルーター”になっていますので、たとえばRoon ARCを利用したい場合や、家族がオンラインゲームなどをやりたい場合などはうまく動かない可能性があります」
いずれにしても、安定した使用にあたっては適切なネットワークの知識が必要となる。そのため、本製品はオーディオユニオンを含む全国4店舗(2024年6月時点)の特約店のみでの販売となっている。もし接続や設定に不安がある場合は出張セットアップにも対応してくれるという。
竹武さん自身も自宅ではSoundgenicと組み合わせてこのルーターを愛用しているという。「価格的に釣り合わないことは分かっているのですが、やはり一度この音を聴いてしまうと、後戻りできませんよね」。使いこなしにコツは必要となるが、やはりネットワークの上流部分にきちんと対策を行うことで、システム全体のグレードアップが実現できるというのは点は大きな魅力となっている。
ノイズフロアが下がって背景が静かに(オリオスペック)
秋葉原のPCオーディオショップ、オリオスペックも本製品の特約店のひとつ。同社の酒井さんも、Synergistic Researchのルーターの音質効果に圧倒されて、本製品の導入を決意した。
「正直に言うと、こういった“オカルト”チックな製品はかなり懐疑的に見ていたところはありました。でも、実際に音を聴いてみたら、明らかにノイズフロアが下がって背景が静かになった印象を受けたんです。これはうちでもちゃんと扱わないと、と思って展示機を導入しました」
PCオーディオ/ネットワークオーディオの黎明期から、ネットワークにまつわるさまざまなトラブルに応えてきた酒井さん。上述の「二重ルーター」問題や無線Wi-Fiが使えないといった課題があることも承知のうえで、これまで培ってきたトラブルシューティングのノウハウが生かせるのではないか、と考えている。
「うちの店では、TP-LINKの無線アクセスポイントをセットにして販売しています。Network Router UEFのさらに下流に繋ぎ、タブレット等はこちらのアクセスポイントにつなぐ、という使い方ですね。必要なセットアップはこちらで全部行ってからお客様にお渡ししていますので、安心してお使いいただけます」
ノイズフロアの低さと有機的な音質も魅力(オタイオーディオ)
もう一店舗、名古屋のオタイオーディオのペガサス☆田中さんからは、気合の入った推薦文を執筆頂いたので、以下に紹介しよう。
■ありそうでなかったオーディオ専用ルーターの実力はすごい!
ネットワークの大元から音質を改善できるSynergistic Researchのルーター「Network Router UEF」の存在を知ったのは、アイレックス(株)の朝日社長からの一言でした。「Synergistic Researchはネットワークオーディオ機器にも力を入れていて、メディアサーバーやスイッチングハブ以外にも、オーディオ用途としては珍しくルーターもラインナップしています。ぜひ聴いてみませんか?」。二つ返事で試聴機をお借りして、オタイオーディオの試聴室でじっくり聴いてみました。
接続方法やセッティングなどの詳細は省きますが、この点に関してはネットワークに詳しい販売店のスキルが必要かと思います。実をいうと私は前職ではITエンジニアをやっており、法人向けのネットワーク環境の設計・構築にも携わっていましたが、その私でも難しい印象を拭えませんでした。
しかしその難点をクリアしてしまえば、今までにないネットワークオーディオの世界を見ることができました。システム全体から出てくるサウンドは非常に低いノイズフロアで、一音一音がはっきりと聴こえてきます。しかし、それだけで終わらないのがSynergisticの特徴なのでしょうか。ネットワークオーディオとは感じることが難しい温かみのある有機的な音質も感じられます。
「ルーターでシステム全体が激変する!」と、即座に本ルーターの展示導入を決めました。これからネットワークオーディオの「肝」となりそうなオーディオ機器だと強く確信するペガサス☆田中でした。
3つの店舗のメッセージから伝わってくることは、「セットアップは少々コツが必要だが、それを補って余りある音質改善効果が感じられる」ということ。輸入元のアイレックスも、「当面は専門的な知識を持ったお店を中心に展開していきたい」ということなので、興味のある方は以下の特約店にぜひご相談を。
関東地方
●オーディオユニオンお茶の水ハイエンド館
東京都千代田区 神田駿河台2-2-1 3F
TEL:03-5280-5105
●オリオスペック
東京都千代田区外神田2-3-6 成田ビル2F
TEL:03-3526-5777
中部地方
●オタイオーディオ
〒481-0032 愛知県北名古屋市弥勒寺西1-127
TEL:0568-21-2700
東北地方
●オーディオラボ鶴岡
〒997-0845 山形県鶴岡市下清水字打越4-1
Tel:0235-25-9807
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