富士通テンが高音質ホームオーディオスピーカーを開発
タイムドメイン理論では、音が発せられてから消滅するまでの音の波形を正しく再現することが原音の忠実な再生になると考えられているが、それを実現するためには、様々な要因で発生する不要な振動や反射音を無くす必要があった。
今回スピーカボックスに採用した卵型構造は、極めて高い剛性により、不要な振動をできる限り抑えることができ、また、ボックス内の音の反射による共鳴(定在波)やボックスの外側で跳ね返りにより発生する反射音も低減する利点がある。
さらに、不要な振動を抑えるため、スピーカユニットとボックスが直接接触することを避けたフローティング構造を採用した他、電気から音響への変換効率を高めるためにスピーカユニットのマグネットの後ろに設けたグランドアンカー(巨大錘)により、楽器の位置関係や広がり、奥行き、そして演奏者の息使いまでを忠実に、あたかも、目の前に演奏者が現れたかのような、臨場感のあるクリアでリアルな音の再生が実現した。
また、アンプについても振動をできる限り排除するため、小型で、曲面を多用した外観フォルムとしている。
富士通テンは、これまでカーオーディオの世界で活躍してきたが、タイムドメイン理論を具現化することで、より多くのユーザーにこれまで以上の感動の音を提供し、新たな音文化を創造、育成していきたいとの考え。2001年春の発売をめざし、ホームオーディオへの進出となる本製品の動向が注目される。(デジタルサウンド編集部)