三洋、50型メガネなし3Dディスプレイを開発
左:50型メガネなし3Dディスプレイ 右:斜めバリア方式3Dディスプレイの構成 |
同社は今回の製品開発にあたり、水平方向からの解像度劣化を防ぐために新たに階段状に開口部を持つ斜めバリア方式を開発した。本方式は3D表示による解像度の劣化を縦方向と横方向に振り分けるため、高画質な3D映像を実現できる点が特筆される。本機では1280x768画素の解像度を持つPDPパネルにバリア方式で4視点の画像を表示することにより、1視点の映像としては、960x256画素(計25万画素)の高画質を達成している。
本日の発表会において実機によるデモンストレーションが行われた。映し出された3D映像は引き込まれるような高画質であり、50型PDPの大画面と併せた迫力は相当のものであった。本機において最も臨場感ある3D画像が楽しめる適切試聴距離は1m前後であるが、それよりいくらか離れた位置で鑑賞したり、また斜めの位置から鑑賞しても十分なクオリティの3D映像を楽しませる表現力であった。
本機にて3D映像を楽しめるコンテンツとしては、現在のところはPCにつないで、予め作成した3Dコンテンツの再生のみである。同社では将来的にはテレビの放送コンテンツも立体映像で楽しめるような仕様も考えたいということであるが、そのためには放送コンテンツそのものに多視点の映像を伝送させる技術が今よりも発展する必要があると述べている。
同社は今回の製品を教育やイベント用途の市場に向け、来春頃よりサンプル出荷を開始する予定だ。3D映像の業界をリードする同社としては今後、本開発を更に押し進め、3Dディスプレイの認知度を高めるとともに、家庭用立体テレビの製品化を早期に実現していく考えであるということだ。
(Phile-web編集部)