FPD International 2009レポート
シャープは新技術「UV²A」技術をアピール/複数パネル重ね合わせで立体視を得るPureDepthの「MLD」
本日から30日(金)まで、パシフィコ横浜で開催されている、フラットパネルディスプレイの総合展示会「FPD International 2009」。本項ではシャープやNEC、Pure Depthブースの模様をお伝えしよう。
■新技術「UV2A」を大きくアピールするシャープブース
シャープブースでは、先日発表された、これまでのASV方式に代わる液晶パネル新技術「UV2A」(関連ニュース)が大きく展示されている。
高分子薄膜にUV光を照射すると高分子が照射方向に向き、液晶分子がその方向に沿って並ぶというもの。これまで必要だったリブやスリットが一切不要になり、開口率が従来比で20%以上向上する。これにより、同じ輝度の場合バックライトの光量をその分抑えることができ、低消費電力化にも貢献できるという。さらに光漏れが減ることにより、コントラスト比も向上。パネルのネイティブコントラスト比は5,000対1と、同社従来比で1.6倍以上になる。
またこれまでの技術では、リブの周辺にある液晶分子から順番に、“ドミノ倒し”のように液晶分子が応答していたが、新技術ではすべての分子を一斉に応答させることができるため、パネルの応答速度も向上。これを活かした60V型のフルHD 3Dディスプレイがデモされている。
これはCEATEC 2009で出展されていたものと同様のもの。アクティブシャッター方式のメガネを装着する方式で、ディスプレイ部はUV2A液晶とLEDバックライトが用いられている。画質については、ディスプレイとメガネの同期性能を高め、クロストークフリーとした点が特徴。また臨場感を高めるため、新規に3D用の画像処理エンジンを開発し、バックライトや映像の最適な調整を行えるようにしたとのことだ。
「UV2A」を採用したパネルは、11月10日より順次発売されるAQUOS新モデル「LX1シリーズ」に搭載されている。
そのほか、10月より稼働した“シャープグリーンフロント 堺”の活動アピールや、LED照明などを訴求している。
■世界最大級・10m2の基板ガラスを展示する日本電気硝子
日本電気硝子のブースでは、10m2(3.0m×3.3m)の液晶用基板ガラスが参考出展されている。同社説明員によれば、現在の主流は2.2m×2.5mの第8世代パネルだが、年々大型化が進んでいるという。10m2の基板ガラスはまだ扱える工場がどこにもないが、今後のさらなる大型化を見越して「技術力のアピールと、大型化についていけるという意思表示として」今回の展示を行ったとのことだ。
■複数パネル重ね合わせで立体視を得るPureDepthの「MLD」
PureDepthのブースでは、液晶パネルを2枚以上重ね合わせて奥行きある立体視を実現する「MLD」(マルチ・レイヤー・ディスプレイ)を展示している。
これは両目の視差を利用するのではなく、物理的に重なったレイヤーの深さによって立体視を得るもの。2枚以上重ねた液晶パネルを、RGB LEDバックライトで照射。後面液晶から出た光は、前面の液晶を透過するので、画面に表示された映像を同時に観ることができる。なお重ねた際のモアレは、特許技術のICにより解消しているとのことだ。
ブースには静電式タッチパネルと組み合わせたモデルが展示されていた。
同社説明員は「MLDは飛び出しではなく奥行きを表現する3Dディスプレイ。物理的な深さがあるため、長時間視聴しても疲れないのが特徴のひとつ。視野角が広く、大勢の人と立体映像が楽しめるのも魅力だ」と説明した。
MLDは既にラスベガスのカジノや日本のパチンコ台などで導入されているとのこと。ブースには携帯ゲーム機やDAPなどへの搭載を意識したコンパクトなモデルも展示されていた。
その他会場には、3Dディスプレイを集めた主催者企画ブース「3D Display Solution」も用意され、さまざまなディスプレイがデモを行っていた。以下に写真を掲載してご紹介したい。
■新技術「UV2A」を大きくアピールするシャープブース
シャープブースでは、先日発表された、これまでのASV方式に代わる液晶パネル新技術「UV2A」(関連ニュース)が大きく展示されている。
高分子薄膜にUV光を照射すると高分子が照射方向に向き、液晶分子がその方向に沿って並ぶというもの。これまで必要だったリブやスリットが一切不要になり、開口率が従来比で20%以上向上する。これにより、同じ輝度の場合バックライトの光量をその分抑えることができ、低消費電力化にも貢献できるという。さらに光漏れが減ることにより、コントラスト比も向上。パネルのネイティブコントラスト比は5,000対1と、同社従来比で1.6倍以上になる。
またこれまでの技術では、リブの周辺にある液晶分子から順番に、“ドミノ倒し”のように液晶分子が応答していたが、新技術ではすべての分子を一斉に応答させることができるため、パネルの応答速度も向上。これを活かした60V型のフルHD 3Dディスプレイがデモされている。
これはCEATEC 2009で出展されていたものと同様のもの。アクティブシャッター方式のメガネを装着する方式で、ディスプレイ部はUV2A液晶とLEDバックライトが用いられている。画質については、ディスプレイとメガネの同期性能を高め、クロストークフリーとした点が特徴。また臨場感を高めるため、新規に3D用の画像処理エンジンを開発し、バックライトや映像の最適な調整を行えるようにしたとのことだ。
「UV2A」を採用したパネルは、11月10日より順次発売されるAQUOS新モデル「LX1シリーズ」に搭載されている。
そのほか、10月より稼働した“シャープグリーンフロント 堺”の活動アピールや、LED照明などを訴求している。
■世界最大級・10m2の基板ガラスを展示する日本電気硝子
日本電気硝子のブースでは、10m2(3.0m×3.3m)の液晶用基板ガラスが参考出展されている。同社説明員によれば、現在の主流は2.2m×2.5mの第8世代パネルだが、年々大型化が進んでいるという。10m2の基板ガラスはまだ扱える工場がどこにもないが、今後のさらなる大型化を見越して「技術力のアピールと、大型化についていけるという意思表示として」今回の展示を行ったとのことだ。
■複数パネル重ね合わせで立体視を得るPureDepthの「MLD」
PureDepthのブースでは、液晶パネルを2枚以上重ね合わせて奥行きある立体視を実現する「MLD」(マルチ・レイヤー・ディスプレイ)を展示している。
これは両目の視差を利用するのではなく、物理的に重なったレイヤーの深さによって立体視を得るもの。2枚以上重ねた液晶パネルを、RGB LEDバックライトで照射。後面液晶から出た光は、前面の液晶を透過するので、画面に表示された映像を同時に観ることができる。なお重ねた際のモアレは、特許技術のICにより解消しているとのことだ。
ブースには静電式タッチパネルと組み合わせたモデルが展示されていた。
同社説明員は「MLDは飛び出しではなく奥行きを表現する3Dディスプレイ。物理的な深さがあるため、長時間視聴しても疲れないのが特徴のひとつ。視野角が広く、大勢の人と立体映像が楽しめるのも魅力だ」と説明した。
MLDは既にラスベガスのカジノや日本のパチンコ台などで導入されているとのこと。ブースには携帯ゲーム機やDAPなどへの搭載を意識したコンパクトなモデルも展示されていた。
その他会場には、3Dディスプレイを集めた主催者企画ブース「3D Display Solution」も用意され、さまざまなディスプレイがデモを行っていた。以下に写真を掲載してご紹介したい。