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NHK放送技術研究所が「2003技研公開」イベントを開催中〜(2)〜

公開日 2003/05/22 18:15
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左)走査線4000本級高精細映像撮影カメラのプロトタイプ2号機 右)「丸められる」特徴を活かした巻き取り式スクリーンテレビの模型
●NHK放送技術研究所が主催するイベント「2003技研公開」の一般公開が本日よりスタートした。本イベントは、NHKのテレビ放送開始50年という節目において、第57回目の開催を迎えることとなった。同局のこれまでの50年間における、テレビ放送の発展を、受信機、サービス、放送技術の面から多角度的に紹介している。展示会場は、特に重要な「ビジョン展示」、一般の方も楽しめる「一般展示」、専門家向けの「技術展示」の3つに分類され、全部で35項目の展示がおこなわれている。ここでは、今回の公開において見所となる展示内容をご紹介していく。

<ビジョン展示>
こちらでは本公開において特に重要な展示と位置付けられた展示会場・展示項目を紹介している。

【展示内容】
●地上デジタル放送技術関連
▼地上デジタル放送の全体ビジョン
地上デジタルテレビ放送の予定
地上デジタルテレビ放送の世界
地上デジタルテレビ放送の受信機

▼地上デジタル放送を支える技術
送出設備の開発・整備
基幹送信設備の整備
送信設備の開発・整備
放送波中継技術
受信性能向上技術
光波長多重伝送

●将来の放送サービス
走査線4000本級超高精細映像システム

●通信利用技術
ブロードバンド時代のサーバー型放送サービス
ネットワークを利用した番組リクエストサービス
ネットワーク利用制作・送出システム

●基板技術
フレキシブル有機ELディスプレイ
フレキシブルカラーフィルム液晶ディスプレイ

【展示のみどころ】
1.走査線4000本級超高精細映像システム
NHKが研究をすすめている広視野・大画面やグラビア印刷並みのきめ細かさを実現する超高精細映像システムの展示が行われている。2002年に試作した初期モデルの撮像装置、記録装置、表示装置、音響装置について、それぞれの性能改善が進んでいる。会場には、新たに開発された1.25インチ/800万画素のCMOS撮像素子を搭載した高精細撮影のカメラ試作2号機が展示されている。小型の撮影デバイスが開発されたことにより、2号機では1号機の重さ80kgから30kgへの軽量化を果たした点も特徴のひとつだ。また、地下の会場では走査線4000本級の臨場感溢れる映像を、2大の大型プロジェクター&320インチスクリーンを使って、22.2chスピーカーとともにデモンストレーション展示している。

2.ネットワークを利用した番組リクエストサービス
視聴者からの再放送の要望に個別に応えていくことを目標に、デジタルチューナーとテレビを使い、ネットワークを通して見たい番組をいつでも試聴できるシステムが紹介されている。こちらではNHKのアーカイブセンターに蓄積された放送済み番組を、それぞれの視聴者が手元のPCなどを使って、見逃した番組などについてリクエストをかけて楽しめるというものだ。会場では試作機を使ったデモンストレーション展示が行われている。

3.ブロードバンド時代のサーバー型放送サービス
放送とブロードバンドが連携した、新しいサービスとTVがIT時代の家庭における総合情報端末に進化していくための技術を紹介。高度なCAS(Conditional Access System)技術をつかった、放送とインターネットのコンテンツの視聴、保護管理に関する技術展示が行われている。

4.フレキシブル有機ELディスプレイ/フレキシブルカラーフィルム液晶ディスプレイ
「丸められる超薄型テレビを目指して」をキーワードに、有機ELディスプレイの試作品、薄型液晶ディスプレイの試作品を展示している。有機ELディスプレイでは、新しい発光の仕組みを利用し、素子構造を改良した高効率な高分子有機EL素子を採用。液晶ディスプレイは、液晶と樹脂による柔らかい素子に3原色のカラーフィルターを形成することで、パターンのカラー表示を実現している。会場にはそれぞれのデモ製品をもちいた、巻き取り式のスクリーンテレビの模型が展示され、未来のディスプレイデバイスの方向性を提案する展示内容となっている。こちらはコンシューマー向けのみならず、電車の吊り広告などへの新たな展開も期待される商品となり得る魅力あふれる製品である。多くの来場者から注目を浴び、問い合わせがひっきりなしに寄せられていた。

5.地上デジタルラジオの技術展示
2003年10月にスタートする、地上デジタルラジオの放送技術を展示。会場ではPDAを使って、高音質音声のデモンストレーションと、文字+静止画を同時に、グラフィカルに楽しめる放送内容の紹介が行われている。

(Phile-web編集部)

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