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世界に発信するアジアの監督たち 〜マレーシア編〜 アミール・ムハマド監督インタビュー (3) (4)

公開日 2004/01/02 11:22
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アミール・ムハマド監督 (写真:Danny Lim)
アミール・ムハマド監督インタビュー
Interview with Amir Muhammad

インタビュー・文 / 山之内 優子
by Yuko Yamanouchi


3. 最新作は東京で撮影


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−現在、ムハマド監督が東京で撮影されている映画は、どんな映画ですか?

監督:「TOKYO MAGIC HOUR」っていう題の長編映画で、出演者には、プロではない人を一種の役者として使っています。

−主役の方は、マレーシアの方ですか?

監督:はい。あらかじめ、たくさんインタビュー撮影もしたんですけれど、それは、全部使わないことにしました。内容は、実験的なラブストーリー映画で、デジタルビデオメディアの実験でもある映画。そういう映画としては、世界で初めての映画です(笑)。どのシーンも一種のデジタル処理をしています。モノローグが多くて、イメージへの反応があるという・・・・。

−撮影クルーは日本人ですか?

監督:ええ。東京で頼みました。

−監督の意図するところは、日本人クルーに完全に伝わりますか?

監督:決して伝わらないです(笑)。というのは、僕はクルーに意図を伝えることをしないので、誰も僕の意図は知らないんです。僕はただ、どんなタイプのイメージが欲しいかを言うだけですから。

−すると、あなたの映画では、編集がとても大事なんですね。

監督:もちろんそうです。撮影した場面を集めてから、あらかじめ考えた脚本が変わることもありえますし。

−映画の完成と上映はいつですか?

監督:撮影は12月に東京で終えます。上映は未定だけれど、2004年の初めには、日本から帰国して、アメリカのサンダンス映画祭に行きますし、ジャカルタでドキュメンタリー映画を撮る予定もあるから、もしかしたら、7月にクアラルンプールで、ジャカルタで作った映画と一緒に上映するかもしれません。




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4. 長編第2作「ビッグ・ドリアン」のクルーと機材




−2003年の秋、山形で上映された長編第2作の「ビッグドリアン」についてうかがいたいのですが、はじめに、この映画のクルーや機材について教えてください。

監督:僕の友人、5,6人でクルーを組みました。カメラマンのウー・ミン・ジンは、僕よりずっと若いけれど、大学で映画について教えていて、他の人たちも大学を卒業したばかりの人たち。プロデューサーのジェイムス・リーは僕の親友で、第一作の長編映画の俳優でもあるんです。

−「Lips to Lips」という映画ですね。

監督:そう。その映画は、クアラ・ルンプールの一日のうちに起こるできごとを描いたコメディです。でも、見て面白くないっていう人もいるので、僕は、「Lips to Lips」を実験的コメディと呼んでいるんだ(笑い)。
 編集は、テレンス・ラジが、ヴェロシティ(Velocity)というプロフェッショナルなシステムでやりました。

−もし、DVカメラがなかったとしても、映画を撮ろうと思いましたか?

監督:もちろん。

−フィルムでも?

監督:フィルムはちょっと、お金がかかり過ぎるけれど、何とか、映画を撮る道を見つけたと思いますよ。

−上映はどんなところでされているんですか?

監督:大学や、東京のアップリンクファクトリーのような、インディペント映画を上映するような小さな映画館ですね。

−パソコンによる映画の配信は考えますか?

監督:マレーシアでは、高速インターネットは、まだ現実的なものではないんです。ブロードバンドを使う人の数も多くない。ひとつの画面を見るのに、すごく待っていなければならない(笑)。やっても、たぶん、まだ短いものしかできません。



つづきを読む「5.個人的体験と社会的現実の接点に気づいた、1987年のある事件」
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