ソニー、7チューナー×1TB(テラバイト)HDD+DVDドライブ内蔵のモデル「VAIO X」を参考出品
ソニーのVAIO新シリーズ発表会のプレゼンで登場した次世代モデルVAIO X(左)。VAIO Xの説明ブースに大勢の人だかり(右)。 |
「VAIO type X」と名づけられたモデルは、なんと7つの地上アナログチューナーを内蔵し、1TB(テラバイト=1024GB)を超えるHDDを搭載した、次世代AVレコーダーだ。DVDドライブも1機搭載されている。
パソコン離れしたシャーシデザインは、新VAIOのコンセプトカラー“VAIOブラック”で包まれたの上部と、VAIOのロゴを中央にあしらったフロントミラー仕上げのパネルの下部からなり、正面から見るとほぼ正方形、タテ×ヨコ約50〜60cm。奥行きは15cm程度くらいだろうか。
7つの地上アナログ放送が同時に録画できるAVサーバー仕様で、当然、MPEG2エンコーダーも7つ搭載されているということになる。使い方としては、在京民放放送7局(NHK、NHK教育、日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京)を同時録画して、全チャンネルをタイムシフト視聴するということなろう。
現行でHDD最大容量500GBを誇るコクーン「CSV-EX11」が最低画質のEPモードで約342時間なので、VAIO Xが1TBとすると、約680〜700時間の録画が可能で、放送7チャンネル分で割ると、1チャンネルあたり100時間。約4日間強の番組が全7チャンネル録画できる計算になる。他メーカーには1GBあたりの録画時間がさらに大きいモデルもあるが、もちろん画質は良くはならない。
1TBのHDDは従来機と比べれば膨大だが、AVファン的に見れば、まるまる箱にいれてしまうコンセプトからは「本当に足りるのだろうか」というギモンが残る。それ以上に「何とか見れる程度」の最低画質でいいはずはない。そういう意味では最大視聴許容録画時間(造語)は、減るかもしれない。
7チューナーはすべてアナログ地上波なので、デジタル放送には対応していない。これはコスト的側面と著作権保護の観点からの制約が関係していることは想像に難くない。別売でデジタル放送アダプター(地上デジタル・BSデジタル・110度CSチューナー内蔵)が用意される予定で、このアダプターと組み合わせでハイビジョン録画は可能となる。この場合のデジタルチューナーは1つのみである。D4端子があらかじめ装備されいてるので、プラズマや液晶などの大画面薄型テレビにハイビジョン画質で出力できる。
来年度以降、デジタル放送対応の次々世代モデルへのビジョンもあるという。気になる商品化の時期は、「年内発売予定」を目標に開発が進められている。価格未定。
ともあれ、VAIOのネーミング「Video Audio Integrated Operation」の由来である、AVの世界にVAIOが立ち返ってきてくれたことをAVファンとしては喜びたい。(AV REVIEW編集部)