三菱、春の「楽レコ」DVDレコーダー6モデルを一挙発表

三菱電機（株）はDVDレコーダー「楽レコ」シリーズの新製品6モデルを新たに発表した。以下より、新製品ラインナップの特徴をお伝えしていく。

【HDD+DVDレコーダー】
■HDD+DVDレコーダー「DVR-HG865」（400GB HDD搭載）/2005年4月11日発売/\OPEN（予想実売価格110,000円前後）
■HDD+DVDレコーダー「DVR-HG765」（250GB HDD搭載）/2005年4月11日発売/\OPEN（予想実売価格90,000円前後）
■HDD+DVDレコーダー「DVR-HE760」（250GB HDD搭載）/2005年4月11日発売/\OPEN（予想実売価格75,000円前後）
■HDD+DVDレコーダー「DVR-HE660」（160GB HDD搭載）/2005年4月11日発売/\OPEN（予想実売価格60,000円前後）

新しい「楽レコ」シリーズのHDD+DVDレコーダーは、「“グッと楽”　簡単・キレイ・快適」をメインコンセプトに、それぞれ大容量HDDと高画質録画・再生機能を搭載したハイエンドモデルから、使いやすさを追求したエントリーモデルまで幅広いラインナップを揃える。各モデルは、昨年発売されたモデルでも話題を呼んだ「1.5秒高速録画スタート」機能を引き続き採用したほか、EPG録画予約機能と録画済み番組の検索機能に力を入れている。

EPGの強化については、3ch2時間表示と5ch5時間表示をリモコンのボタン一つで切り換えられる「テレビdeテレビ欄」のほか、スポーツ番組やドラマ最終回などの延長にも対応する追跡録画機能である「録り逃さないザー」を搭載する。過去の録画履歴から、ユーザーの好みを学習しておすすめ番組を表示する「おすすめ番組検索機能」も加わった。

HDDやDVDに録画した番組の検索も簡単に行えるよう、様々な機能が追加された。家族の皆が快適に使えるDVDレコーダーを意識して、番組予約や録画内容検索のカスタマイズにも力をいれた。最大7件のユーザーを登録でき、それぞれに家族のメンバーを割り振って、録画済み番組の検索を個人別に表示ができる。過去の録画履歴からユーザーの好みを学習して、個人別の「おすすめ番組リスト」を表示する機能も備えている。また録画内容をタイトル名順、未再生順、録画日時順などに並べ換えて表示できる「並べ替え機能」や、複数のキーワードで録画内容を検索する「AND検索機能」が設けられた。

上位機種の「DVR-HG865/HG765」については、大画面ユーザーにも快適な高画質映像が楽しめるよう、映像・音声処理回路のチューンナップが行われた。新たに搭載された映像回路「Dimossiveモジュール」では、DACから出力段までの高品位映像を実現した。フル10bitの高精度プログレッシブ変換回路のほか、14bit/108MHz高性能DAC、高輝度クロマ・アップサンプリングが搭載された。

圧縮前の信号特性についても大きく改善され、ノイズ成分によるデジタル圧縮の弊害を排除し、高画質で効率のよいデジタル録画を実現する。チューナーには映像特性の広帯域化と波形応答の改善を図った新開発の広帯域チューナーを採用し、ディティール情報に富んだ映像を実現する。またゴーストリダクションチューナーのほか、動き適応型のデジタル3次元Y/C分離回路を採用している。動きの激しい場面においても滑らかで高画質の録画を実現する新VBRアルゴリズムも搭載された。

その他の機能としてはDVテープの映像をボタン一つでHDD、DVDへダビングできる機能が上位機種「DVR-HG865/HG765」に搭載されたほか、HDDからDVDへのダビングを手軽に行える「ワンタッチダビング機能」も各モデルに共通して備わっている。

DVDメディアへの録画にはDVD-RW（VR・ビデオモード）、DVD-Rにそれぞれ対応する。「1回だけ録画可能」なデジタル放送の番組はHDD、およびCPRM対応のDVD-RWにそれぞれ録画が可能だ。HDDからDVD-RWへのムーブにも対応する。その他にもDVD-RAMの再生ができ、またDVDメディアからHDDへのダビングにはDVD-RW/DVD-R/DVD-RAMそれぞれのメディアから等速でのダビングが可能になる。

同社からは本日、VHS一体型のDVDレコーダー、ならびにDVD単体レコーダー、その他DVDプレーヤーの新製品も発表された。

■VHS+DVDレコーダー「DVR-S310」/2005年4月21日発売/\OPEN（予想実売価格50,000円前後）
■DVDレコーダー「DVR-T110」/2005年5月21日発売/\OPEN（予想実売価格40,000円前後）
■DVDプレーヤー一体型ビデオ「DJ-V250」/2005年3月25日発売/\OPEN（予想実売価格25,000円前後）
■DVDプレーヤー「DJ-P250」/2005年3月25日発売/\OPEN（予想実売価格15,000円前後）

本日同社が開催した新製品発表会では、はじめに執行役副社長 リビング・デジタルメディア事業本部長である大草文夫氏が事業本部の事業概要について語った。大草氏は事業本部として「デジタルメディア事業ドメイン」「空調・冷熱事業ドメイン」「電材住設事業ドメイン」「家事家電事業ドメイン」の4分野における経営に力を注いでいくとともに、デジタルAV事業ドメインにおいては大画面テレビを中心とした「テレビ事業」と、DVDレコーダーを中心とした「ストレージ事業」に三菱らしい提案型商品を積極展開していく考えを示した。特にDVDレコーダーについては「価格が不安定な商品分野において、本年も利益体質を実現していきたい」とコメントした。

大草氏に続いて、同事業本部 副事業本部長の古賀良男氏が登壇し、デジタルAV事業の基本方針と新商品の詳細について説明した。古賀氏は三菱電機として、デジタルAV差別化商品の創出を実現するための方針として、日米デジタルAV市場において独自技術により差別化した商品を提供すること、ならびに当該技術の企画標準化に積極参加することを掲げた。その上で、デジタルAV商品の基本コンセプトとして「簡単・キレイ・快適」を軸に2005年モデルで更なる進化を遂げたいと意気込みを見せた。また、デジタルAV事業の方向性として、今後大容量ストレージメディアを活かした映像サーバーや高画質大画面商品を積極的に開発し、各機器間のネットワーク化・複合化を推し進め、使いやすさを訴求した製品を実現していきたいと語った。

以下に本日の新製品発表会で行われた質疑応答の内容を掲載する。

Q：DVDレコーダー商品における利益率の話が出たが、2004年はどれ程の利益率だったのか。最近特に消耗戦の様相を呈している市場において、出口となる解決策は見えているのか
A：2004年は「赤字にならなかった」という程度の利益率だった。商品の魅力に相反する値付けを余儀なくされた。DVDレコーダーと同様に、日本国内では例えばエアコンなども出口の見えない価格競争の中にあるが、今はまだ具体的な解決策を見いだせていない。当社としては女性のユーザーも伸ばしながらシェアを確実に取っていきたい。

Q：2005年のシェア目標は
A：15%から20%を狙っている

Q：コストダウンの取り組みとしてどんなことが行われているのか
A：海外製のソフトを使って開発コストを抑えている。間接的にはフナイブランドのアメリカ市場における量販にも力を入れている

Q：新しいDVDレコーダーの製造はどこの工場で行っているのか
A：HDD付のモデル以上は三菱のマレーシア工場で製造している。S310以下はフナイとの合弁会社で製造しているが、近い将来にはHDDモデルの一部もこちらへ移行したいと考えている。

Q：フナイ以外とのパートナーシップについては
A：今のところ計画にない

Q：ビデオ一体型DVDレコーダーのニーズはどのように見ている
A：まだまだ一般家庭にVTR資産が残っているので、しばらくはリクエストは続くだろう

Q：Blu-ray商品への対応スケジュールは
A：2006年の地上デジタル放送本格スタートに向けて製品をリリースしていきたい

【問い合わせ先】
三菱電機お客様相談センター
TEL/0120-139-365

（Phile-web編集部）