東芝、SEDを含むフラットパネルディスプレイの「商品戦略は順調に進展」
(株)東芝は、HDDレコーダー付液晶テレビ「LHシリーズ/ちょっとタイム[フェイス]」の新製品発表会を本日開催した。
発表会には(株)東芝デジタルメディアネットワーク社副社長 兼テレビ事業部事業部長の新倉諭氏が登壇し、同社のディスプレイ商品に関する商品戦略を明らかにした。
新倉氏は同社の2004年度におけるディスプレイ商品について、ハイビジョン化、デジタル放送進展の流れの中で大きな成果を得ることができたとし、「2005年も東芝としてラインナップを拡充を図り、テレビ事業の強化を図りたい」とコメントした。また東芝グループ創立より130周年を迎える今年、「皆様に驚きと感動を与えることを引き続き大きなテーマにしたい。今回のLHシリーズもそれを実現できるものであり、“映像の東芝”を支える力のこもった商品といえる」と語った。
新倉氏によれば、同社のディスプレイ商品に関する商品戦略は「順調に進展している」という。同社のテレビ商品に関するグローバル商品戦略としては、昨年9月の発表時より引き続き「FPD商品群の本格的な多層化によるシェア拡大」「独自&アライアンスによるコア技術を搭載した付加価値商品の創出」「ハード・ソフト両面からの戦略的アライアンス構築」が掲げられた。
また、「SED」や「CELL」をはじめ、同社が推し進める新製品・新技術に関する進展については、それぞれSEDは2006年春の商品化予定、CELLは2006年秋の商品化予定に向けて順調に推し進められているという。また日立・松下ととも開発が進められている高画質の国産液晶ディスプレイ開発についても2006年秋の商品化実現に向けた戦略が着実に進んでいるようだ。
東芝では、2006年の液晶テレビ需要を570万台と予測しており、今後「20V型、42V型液晶テレビを追加することによるサイズ拡充」と「LHシリーズをはじめとしたラインナップの拡充」により、国内で15%、グローバルでは10%のシェア獲得を目指す考えが新倉氏より示された。
本日の発表会には(株)東芝デジタルメディアネットワーク社テレビ事業部 TV商品企画部長の恩田貴弘氏も登壇し、新商品のコンセプトを紹介した。
恩田氏はLHシリーズ誕生の背景として「昨今多くのユーザーがHDDの利便性を認識している点に着目した。本製品ではHDDが実現するタイムシフト視聴の利便性をリビングの大画面テレビに組み込んで、東芝として新しいテレビの楽しみ方を提案したかった」と説明。本シリーズはデジタル家電の品質を重視し、かつテレビ番組など流行にも敏感な「コンテンツ重視層」をターゲットにした製品であるという。「高画質な映像が楽しめ、かつテレビ番組に縛られない視聴スタイルがLHシリーズによって実現される。“テレビの前から自由になる、テレビがもっと楽しくなる”が今回の商品のキーコンセプトである」と恩田氏は語る。
また、本日の発表会ではLHシリーズの新しいCMキャラクターとして、メジャーリーガーの松井秀喜選手が起用されることも明らかにされた。東芝として「パワフルでチャレンジングな精神を、米国で活躍する松井選手シェアしていきたい」との思いが込められたキャスティングとなった。
本日の記者会見会場で執り行われた質疑応答の内容を紹介する。
Q:東芝の2004年度のマーケットシェア見込みは
A:FPDの国内シェアは10%、グローバルでは7%と認識している。
Q:各シリーズの販売比率は
A:LHシリーズについては37インチが2,000台、32インチが4,000台、26インチが3,500台を見込んでいる。シリーズの内訳としては「LCシリーズ」がかなり量的に多くなり、その後に「LHシリーズ」「LZシリーズ」と続くだろう。
Q:SEDは以前「2005年末」に商品化が宣言されていたはずだが、今回「2006年春」とされている。何らかの遅れが生じているのか。
A:「2005年度の末」という意味であり、会計年度内の商品化に向けて順調に進められている。
Q:競争が厳しいFPD業界の中でどうやってシェアをあげていくのか。HDD内蔵を大きな付加価値としていくのか。
A:HDD内蔵も大きな特長となるだろうが、これだけでなく、先ほどもご紹介したように「サイズ拡大」「ラインナップ拡充」など、東芝としての魅力を掲げて横軸・縦軸双方でのシェア拡大を狙いたい。
Q:欧米市場においてもFPDが増えて行くが海外戦略の内容は。
A:東芝としては欧米ともに液晶とPDPで市場拡大を狙う。40インチ以上は、米国を中心にPDPが強いので、40インチ以上のコア商品としたい。それ以下のサイズは国際的に液晶で展開していきたい。
Q:HDDのタイムシフトを活用した機能の訴求について、性別や年齢などターゲット層はどこにおいているか。
A:便利に感じてもらえるユーザーが、性別年齢を問わずかなり幅広い層で存在していると思う。性別や年齢といったセグメントは考えておらず、いろいろな楽しみ方を自然に受け入れてもらえる層が対象になる。
Q:PDPは今後も商品化を続けるのか。液晶テレビとSEDの画面サイズの住み分けはどうする。
A:日本市場では40インチ液晶を中心に、欧米市場では液晶・PDPの両方を展開する。2006年の頭までは液晶・PDPで展開し、SEDは50インチからスタートしてその後バリエーションを増やす計画だ。
Q:CELLは遅れなく進んでいるのか。またCELLを積むとテレビの何が変わるのか。
A:高画質パネルの素地としてSEDを位置づけ、高画質ドライバーとしてCELLを組み合わせた商品を実現したい。
Q:今後の世界戦略について、マーケティングや販売を含めたキーポイントはどこにあるのか。
A:基本的にはSEDも含めて日米同時展開を進めていく。アメリカについては流通とコラボレーションも視野にいれて考えている。欧州については高付加価値のゾーンで販売を拡大する。アジアについては営業強化、新規市場の開拓が重点。社内的には、この4月からB to Cの営業をテレビを含む全商品について、地域戦略の一本化を進める体制をとっている。
Q:LHシリーズはどのスペックについて「業界初」をうたっていくのか。
A:単にテレビとHDDレコーダーを一体化した点だけでなく、優れたアプリケーションを搭載したことによる便利さを訴求したい。
【問い合わせ先】
(株)東芝
映像営業事業部 TV国内営業部
TEL/03-3457-8344
(Phile-web編集部)
発表会には(株)東芝デジタルメディアネットワーク社副社長 兼テレビ事業部事業部長の新倉諭氏が登壇し、同社のディスプレイ商品に関する商品戦略を明らかにした。
新倉氏は同社の2004年度におけるディスプレイ商品について、ハイビジョン化、デジタル放送進展の流れの中で大きな成果を得ることができたとし、「2005年も東芝としてラインナップを拡充を図り、テレビ事業の強化を図りたい」とコメントした。また東芝グループ創立より130周年を迎える今年、「皆様に驚きと感動を与えることを引き続き大きなテーマにしたい。今回のLHシリーズもそれを実現できるものであり、“映像の東芝”を支える力のこもった商品といえる」と語った。
新倉氏によれば、同社のディスプレイ商品に関する商品戦略は「順調に進展している」という。同社のテレビ商品に関するグローバル商品戦略としては、昨年9月の発表時より引き続き「FPD商品群の本格的な多層化によるシェア拡大」「独自&アライアンスによるコア技術を搭載した付加価値商品の創出」「ハード・ソフト両面からの戦略的アライアンス構築」が掲げられた。
また、「SED」や「CELL」をはじめ、同社が推し進める新製品・新技術に関する進展については、それぞれSEDは2006年春の商品化予定、CELLは2006年秋の商品化予定に向けて順調に推し進められているという。また日立・松下ととも開発が進められている高画質の国産液晶ディスプレイ開発についても2006年秋の商品化実現に向けた戦略が着実に進んでいるようだ。
東芝では、2006年の液晶テレビ需要を570万台と予測しており、今後「20V型、42V型液晶テレビを追加することによるサイズ拡充」と「LHシリーズをはじめとしたラインナップの拡充」により、国内で15%、グローバルでは10%のシェア獲得を目指す考えが新倉氏より示された。
本日の発表会には(株)東芝デジタルメディアネットワーク社テレビ事業部 TV商品企画部長の恩田貴弘氏も登壇し、新商品のコンセプトを紹介した。
恩田氏はLHシリーズ誕生の背景として「昨今多くのユーザーがHDDの利便性を認識している点に着目した。本製品ではHDDが実現するタイムシフト視聴の利便性をリビングの大画面テレビに組み込んで、東芝として新しいテレビの楽しみ方を提案したかった」と説明。本シリーズはデジタル家電の品質を重視し、かつテレビ番組など流行にも敏感な「コンテンツ重視層」をターゲットにした製品であるという。「高画質な映像が楽しめ、かつテレビ番組に縛られない視聴スタイルがLHシリーズによって実現される。“テレビの前から自由になる、テレビがもっと楽しくなる”が今回の商品のキーコンセプトである」と恩田氏は語る。
また、本日の発表会ではLHシリーズの新しいCMキャラクターとして、メジャーリーガーの松井秀喜選手が起用されることも明らかにされた。東芝として「パワフルでチャレンジングな精神を、米国で活躍する松井選手シェアしていきたい」との思いが込められたキャスティングとなった。
本日の記者会見会場で執り行われた質疑応答の内容を紹介する。
Q:東芝の2004年度のマーケットシェア見込みは
A:FPDの国内シェアは10%、グローバルでは7%と認識している。
Q:各シリーズの販売比率は
A:LHシリーズについては37インチが2,000台、32インチが4,000台、26インチが3,500台を見込んでいる。シリーズの内訳としては「LCシリーズ」がかなり量的に多くなり、その後に「LHシリーズ」「LZシリーズ」と続くだろう。
Q:SEDは以前「2005年末」に商品化が宣言されていたはずだが、今回「2006年春」とされている。何らかの遅れが生じているのか。
A:「2005年度の末」という意味であり、会計年度内の商品化に向けて順調に進められている。
Q:競争が厳しいFPD業界の中でどうやってシェアをあげていくのか。HDD内蔵を大きな付加価値としていくのか。
A:HDD内蔵も大きな特長となるだろうが、これだけでなく、先ほどもご紹介したように「サイズ拡大」「ラインナップ拡充」など、東芝としての魅力を掲げて横軸・縦軸双方でのシェア拡大を狙いたい。
Q:欧米市場においてもFPDが増えて行くが海外戦略の内容は。
A:東芝としては欧米ともに液晶とPDPで市場拡大を狙う。40インチ以上は、米国を中心にPDPが強いので、40インチ以上のコア商品としたい。それ以下のサイズは国際的に液晶で展開していきたい。
Q:HDDのタイムシフトを活用した機能の訴求について、性別や年齢などターゲット層はどこにおいているか。
A:便利に感じてもらえるユーザーが、性別年齢を問わずかなり幅広い層で存在していると思う。性別や年齢といったセグメントは考えておらず、いろいろな楽しみ方を自然に受け入れてもらえる層が対象になる。
Q:PDPは今後も商品化を続けるのか。液晶テレビとSEDの画面サイズの住み分けはどうする。
A:日本市場では40インチ液晶を中心に、欧米市場では液晶・PDPの両方を展開する。2006年の頭までは液晶・PDPで展開し、SEDは50インチからスタートしてその後バリエーションを増やす計画だ。
Q:CELLは遅れなく進んでいるのか。またCELLを積むとテレビの何が変わるのか。
A:高画質パネルの素地としてSEDを位置づけ、高画質ドライバーとしてCELLを組み合わせた商品を実現したい。
Q:今後の世界戦略について、マーケティングや販売を含めたキーポイントはどこにあるのか。
A:基本的にはSEDも含めて日米同時展開を進めていく。アメリカについては流通とコラボレーションも視野にいれて考えている。欧州については高付加価値のゾーンで販売を拡大する。アジアについては営業強化、新規市場の開拓が重点。社内的には、この4月からB to Cの営業をテレビを含む全商品について、地域戦略の一本化を進める体制をとっている。
Q:LHシリーズはどのスペックについて「業界初」をうたっていくのか。
A:単にテレビとHDDレコーダーを一体化した点だけでなく、優れたアプリケーションを搭載したことによる便利さを訴求したい。
【問い合わせ先】
(株)東芝
映像営業事業部 TV国内営業部
TEL/03-3457-8344
(Phile-web編集部)