編集部の“Wooo”「PJ-TX200J」集中レポート(2)じっくり黒を引き出せる高度な画質調整機能
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画質調整は面倒くさくて…と敬遠している方はいないだろうか。もちろん、何の調整もせずに美しい映像が表示されるのがベストだが、現実にはプロジェクターが映し出す映像は、フィルムソース/ビデオソースなど撮影方法だけでなく、映像の演出なども一つ一つ異なるため、そのすべてに対応するのは不可能に近い。最高の映像を楽しみたかったら、画質調整をしっかり行うのが結局は近道になる。それに、画質調整はハマればなかなか楽しいもので、苦労の末に納得いく映像を作り上げたときの達成感はかなりのものだ。
定評のあった画質調整機能をさらにブラッシュアップ
「PJ-TX200J」の画質調整機能は、定評のあった前作「PJ-TX100J」の機能をさらにブラッシュアップし、かなり細かな調整が可能になっている。まずは設定項目を一つ一つご紹介していくことにしよう。
映像モードとしてプリセットされているのは、「ノーマル」「シネマファンタジー」「シネマリアリティ」「ミュージック」「スポーツ」の5つ。ネーミングからも分かるとおり、視聴するソースによってモードを使い分けることが想定されている。それぞれのモードを選ぶと、後述するガンマや色温度、アイリス設定などの設定値が自動的に変更される。
それぞれの設定値は図をご覧いただきたいのだが、迷いがちなのは、映画鑑賞時に「シネマファンタジー」を選ぶか、「シネマリアリティ」を選ぶか、という問題だろう。実は、この2つはどちらも色温度は6500Kで、レンズアイリスは「5」。異なるのはガンマ設定値だけだ。シネマファンタジーはガンマが「ファンタジー」設定、シネマリアリティーは「リアリティー」設定となる。前者は「フィルムライクな階調表現を重視したしっとりとした映像」、後者は「リアルな階調表現を重視したくっきりとした映像」と同社は説明している。
次に個別の設定値を見ていこう。まず、「ブラック」は「オート1」「オート2」「オフ」の3段階から選べる。これはランプ光量を自動で設定できる機能で、ONにすると黒がグッと沈み込むのがわかる。オート1よりオート2の方が効きが強いが、そのぶん黒がつぶれ気味になる傾向が見られる。いくつかの映画で見比べた結果、オート1が最もバランスが良いように感じた。まずはここを基準にして、レンズアイリスの設定を微調整し、黒をしっかりと引き出すのが良いのではないだろうか。
色温度は6500K/7500K/9300K/ハイブライトの4段階から選択が可能。さらにカスタム値も4つ設定できる。カスタムでは、ベースとなる色温度を選択し、低/中/高のRGBを各±32ステップで選択できるという本格的なものだ。
ガンマ調整の最暗部が2%になったのが大きなポイント
ガンマ設定値は、「標準」「ファンタジー」「リアリティ」「ハイコントラスト」から選択できるほか、これも4つのカスタム値を登録することができる。ガンマカーブのうち、9ポイントを±16ステップで微調整することが可能だ。今回、このガンマ調整ポイントのうち、最暗部のポイントが前作の12.5%から2%になったのが注目点だ。詳細はこちらに詳しいが、黒の表現力を高めるため、暗部側の階調調整能力を引き上げたのだ。
また、カスタムでガンマ設定を調整している際は、ENTERボタンを押すと3種類のグレースケールを表示することができる。ガンマ調整ポイントと同じ9ステップのグレースケールも表示できるので、調整のイメージをつかみやすい。
基本的な画質調整項目では、「明るさ」「コントラスト」「色の濃さ」「色あい」を、各±32ステップで設定が可能。また画質は1〜7の7ステップ、アイリス(レンズアイリス)は1〜10の10ステップで選択することができる。
シンプルながらよく練られた設計のリモコン
多くの方がリモコンで調整を行うはずなので、リモコンの使い勝手にも触れておきたい。リモコンのデザインは、前作PJ-TX100Jとほぼ同じ。片手でほぼすべての操作が行える小型サイズで、真ん中にカーソルキーやENTERボタンなどを備えるオーソドックスなものだ。バックライトも装備しているので暗所での使用も問題なく行えるし、ボタンの数を最小限に抑えながら、レンズアイリスやアクティブアイリス、そして明るさやコントラスト、色の濃さなど頻繁に調整する項目はダイレクトボタンを用意するなど、よく練られたボタン配置となっている。また、HDMI/PC/コンポーネントなど、映像入力も一つ一つにダイレクトボタンが割り振られ、瞬時に切り替えが可能。全体的に、控えめながら細部まで配慮が行き届いた設計という印象だ。
映像をよく確認しながら最適な設定値を探ろう
さて、それでは映画を試聴した際、どういう順序で画質を調整したのか、参考までにご紹介しよう。調整に使用したソフトは、おなじみの「DTS SURROUND.9」から「マスター・アンド・コマンダー」を選んだ。
まず、基本とした画質モードは「シネマファンタジー」。前述したとおり、このモードを選ぶと、自動的に色温度が6500K、レンズアイリスが「5」、ガンマが「ファンタジー」に設定される。アクティブアイリス(ランプアイリス)は「オート1」が良いだろう。この段階で相当にバランスの良い画作りなのだが、もう少し暗部に粘りが欲しい場合は、レンズアイリスを1〜2ステップ下げ、様子を見ながらガンマカーブの最暗部を中心に調整を行う。
また、グレースケールで黒に色が被っていないかも確認したい。色被りが気になる場合は、色温度のカスタム調整を行い、「低」部分のポイントを上げ下げする。黒が赤みがかっている場合は、Rを下げるなどの処置を行えばよい。もちろん黒の色味だけでなく、全域の色調整がここで可能なので、こまめな調整を心がけたい。ただし、やりすぎると全体のバランスを崩すことがあるので注意が必要だ。
ソースの内容によっては、色の濃さ、色合い、画質(シャープネス)なども調整したい。特にビデオ映像では、もとからエッジが立ちすぎているものがある。旧作映画などはその逆で、ネムい画のものが多い。これらを適切に調整すれば、見違えるように綺麗になる場合がある。
次回は最終回。本機の全体的な使い勝手についてお伝えする予定だ。
(Phile-web編集部)
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第1回:プロフィール&画質インプレッション