「Inter BEE 2006」が開幕、各社HD最新機器が一堂に − 4K2K液晶モニターなども登場
本日より17日まで、「2006国際放送機器展(Inter BEE 2006)」が幕張メッセで開かれている。主催は社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)。入場は無料。
その名の通り、最新の放送機器やソリューションが紹介される展示会で、放送がアナログからデジタルへと移行している現状をふまえ、会場内はHD一色という印象。これまでのように、題目として「HD」という単語を連呼する派手な演出は鳴りを潜め、今年は「いかにHDを快適に導入するか」「どうやって安価にHDでライブ編集をするか」といったような、実際的な提案の方に力が入れられていた印象だ。
主要メーカーの展示内容を見ていこう。
●ソニー
ソニーは、ライブでのHD制作ソリューションや、HDニュース制作ソリューションなど、実際の現場でのシステムを積極的に提案。XDCAM HDのビデオカメラ、編集システム「xpri」、送出・アーカイブシステムに至るまで、豊富な機材やシステムを持つ同社の総合力をアピールしたかたちだ。
カメラでは、HDVカメラ「HVR-V1」に注目が集まっていた。3クリアビッドCMOSセンサーを搭載したモデルで、1080/24p撮影も可能。11月下旬発売予定で、価格は567,000円。
また、プロ用液晶モニター「LUMA」シリーズも数多く展示。参考出展ながら、24型の「LMD-2450W」、20型の「LMD-2050W」も披露した。こちらは「まだ実際の画を見せられるほどのクオリティに達していない」とのことで、映像の表示は行われなかった。
●パナソニック
パナソニックブースでは、DVCPRO HD規格のビデオカメラ「AJ-HDX900」に注目が集まっていた。1080i/720pで世界の全HD方式をサポートしたモデルで、2/3プログレッシブCCDを搭載。14bit A/D付きのデジタルプロセスや、IEEE1394/HD-SDIデジタル出力も装備する。
同社が推進するメモリーカードタイプの記録メディア「P2HD」も、各種ソリューションを積極的に展示。P2HD内の映像をサーバーで管理し、クライアントPCから、FireFoxブラウザで閲覧できるシステムも披露された。サーバーでは、最大1.5Mbpsのプロキシ映像も自動生成するので、閲覧するだけならノートPCなどでも十分だという。
また、参考出展としてBlu-ray ディスクチェンジャー「AJ-CM50BD」も展示。50GBの2層ディスクにも対応しており。最大30枚を管理できる。このときの容量は1.5TBで、DVCPRO HDの映像を約25時間記録できる。Win/Mac両対応で、DVDやCDの読み書きにも対応している。
ソニーと同じく、同社ブースにも液晶のプロ用モニターが多数展示されていた。
●キヤノン
キヤノンブースでは、スタジオ用の大型レンズなどに混じり、HDVカメラの展示も見られた。中でも、プロ/ハイアマチュア向けの「XH G1」(関連ニュース)には大きな注目が集まっていた。
2005年11月に発売した「XL H1」の機能を引き継ぎながら、レンズの一体化やボディデザインの一新などを図ったモデルで、1/3型総画素数約167万画素、有効画素数1,440×1,080の3CCDシステムを採用。映像処理回路「DIGIC DVII」を搭載することで、1080iのハイビジョン撮影における高い色再現性と階調再現性を実現している。
そのほか、同社として初の家庭用HDVカメラ「HV10」(関連ニュース)も展示していた。
●日本ビクター/ダイキン工業
日本ビクターは、北米で10月に発売したHDVカメラ「GY-HD250V」を出展。720/60p記録に対応したモデルで、HD-SDI出力にも対応している。また、先日発表されたばかりの、20V/24V型のプロ用液晶モニターも展示した。
ダイキン工業は、Blu-ray/HD DVD用のオーサリングシステムなどをデモ。同社では米ソニック・ソルーションズのオーサリングシステム「SCENARIST」やエンコーダー「CINEVISION」、カスタム・テクノロジー(株)のH264対応エンコーダー「CINEMA CRAFT HD encoder」などを販売している。デモでは、BDやHD DVD規格の概要から、オーサリングの方法などについて詳しく説明が行われていた。
●アストロ電子
アストロ電子ブースで大きな注目を集めていたのが、業界初の直視型4K2K液晶モニター「DM3400」。56型で、パネルには台湾CMOのものを搭載する。来年1月に発売を開始する予定で、価格は600万円程度を見込んでいる。
解像度は3,840×2,160で、画素数はちょうど1,920×1,080の2倍ずつとなる。Dual Link HD-SDI×4またはDVI-D×4をインターフェースに持つ。デモでは、NHKが撮影したスーパーハイビジョン(7,680×4,320)の映像を4K2Kにダウンコンバートして表示。その圧倒的な再現力に、多くの来場者が足を止めていた。
●日立マクセル/フジフイルム
記録メディアメーカーとして出展した両社は、ともに、これまでの歴代のプロ用テープを展示し、長年にわたる放送機器との関わりをアピール。
最新技術では、日立マクセルが「iVDR」規格を展示し、注目を集めていた。iVDRは4月にARIBの承認が下り、現在は参加メーカーなどの募集受付業務などを行っている。家庭用機器では、まず薄型テレビに搭載され、その後PC、HDDレコーダーという順番で搭載機器が発売されるという。気になる製品化の時期は2007年中となる見込みだ。
また、フジフイルムは、前述した歴代の放送用テープのほか、最新のDVD/CDメディア、データ用のBD-R/REメディアも展示。放送機器でもテープから光ディスクへの移行が進んでいるが、それを象徴するような展示内容となっていた。
●プロオーディオ機器も多数
放送機器は、映像だけでなく音声も欠かせない。アキュフェーズやヤマハ、ボーズ、ディナウディオ、オーディオテクニカ、TEACなどなど、家庭用でもおなじみのメーカーが、プロ用の音声機器を展示していた。
オーディオテクニカブースでは、ワイヤレスマイクロフォンの新ラインナップを一堂に展示。またRF対策マイク、マイクミキサー、赤外線マイクなど、様々な種類のマイクを展示していた。
ボーズブースは、スタジオ用のスピーカーなどを積極展示。中でも、新3ウェイフルレンジおよび2ウェイ中高域スピーカー、パナレイLTシステムに力を入れていた。
ヤマハは、デジタルミキシングコンソール「LS9」や、デジタルミキシングシステム「DSP5D」、2Ω駆動に対応した本格ツアーリングアンプ「Tn」シリーズ、モニタースピーカーの新定番「MSP」シリーズなどを展示。スピーカーのインスタレーションシリーズも見ることができた。
(Phile-web編集部)
その名の通り、最新の放送機器やソリューションが紹介される展示会で、放送がアナログからデジタルへと移行している現状をふまえ、会場内はHD一色という印象。これまでのように、題目として「HD」という単語を連呼する派手な演出は鳴りを潜め、今年は「いかにHDを快適に導入するか」「どうやって安価にHDでライブ編集をするか」といったような、実際的な提案の方に力が入れられていた印象だ。
主要メーカーの展示内容を見ていこう。
●ソニー
ソニーは、ライブでのHD制作ソリューションや、HDニュース制作ソリューションなど、実際の現場でのシステムを積極的に提案。XDCAM HDのビデオカメラ、編集システム「xpri」、送出・アーカイブシステムに至るまで、豊富な機材やシステムを持つ同社の総合力をアピールしたかたちだ。
カメラでは、HDVカメラ「HVR-V1」に注目が集まっていた。3クリアビッドCMOSセンサーを搭載したモデルで、1080/24p撮影も可能。11月下旬発売予定で、価格は567,000円。
また、プロ用液晶モニター「LUMA」シリーズも数多く展示。参考出展ながら、24型の「LMD-2450W」、20型の「LMD-2050W」も披露した。こちらは「まだ実際の画を見せられるほどのクオリティに達していない」とのことで、映像の表示は行われなかった。
●パナソニック
パナソニックブースでは、DVCPRO HD規格のビデオカメラ「AJ-HDX900」に注目が集まっていた。1080i/720pで世界の全HD方式をサポートしたモデルで、2/3プログレッシブCCDを搭載。14bit A/D付きのデジタルプロセスや、IEEE1394/HD-SDIデジタル出力も装備する。
同社が推進するメモリーカードタイプの記録メディア「P2HD」も、各種ソリューションを積極的に展示。P2HD内の映像をサーバーで管理し、クライアントPCから、FireFoxブラウザで閲覧できるシステムも披露された。サーバーでは、最大1.5Mbpsのプロキシ映像も自動生成するので、閲覧するだけならノートPCなどでも十分だという。
また、参考出展としてBlu-ray ディスクチェンジャー「AJ-CM50BD」も展示。50GBの2層ディスクにも対応しており。最大30枚を管理できる。このときの容量は1.5TBで、DVCPRO HDの映像を約25時間記録できる。Win/Mac両対応で、DVDやCDの読み書きにも対応している。
ソニーと同じく、同社ブースにも液晶のプロ用モニターが多数展示されていた。
●キヤノン
キヤノンブースでは、スタジオ用の大型レンズなどに混じり、HDVカメラの展示も見られた。中でも、プロ/ハイアマチュア向けの「XH G1」(関連ニュース)には大きな注目が集まっていた。
2005年11月に発売した「XL H1」の機能を引き継ぎながら、レンズの一体化やボディデザインの一新などを図ったモデルで、1/3型総画素数約167万画素、有効画素数1,440×1,080の3CCDシステムを採用。映像処理回路「DIGIC DVII」を搭載することで、1080iのハイビジョン撮影における高い色再現性と階調再現性を実現している。
そのほか、同社として初の家庭用HDVカメラ「HV10」(関連ニュース)も展示していた。
●日本ビクター/ダイキン工業
日本ビクターは、北米で10月に発売したHDVカメラ「GY-HD250V」を出展。720/60p記録に対応したモデルで、HD-SDI出力にも対応している。また、先日発表されたばかりの、20V/24V型のプロ用液晶モニターも展示した。
ダイキン工業は、Blu-ray/HD DVD用のオーサリングシステムなどをデモ。同社では米ソニック・ソルーションズのオーサリングシステム「SCENARIST」やエンコーダー「CINEVISION」、カスタム・テクノロジー(株)のH264対応エンコーダー「CINEMA CRAFT HD encoder」などを販売している。デモでは、BDやHD DVD規格の概要から、オーサリングの方法などについて詳しく説明が行われていた。
●アストロ電子
アストロ電子ブースで大きな注目を集めていたのが、業界初の直視型4K2K液晶モニター「DM3400」。56型で、パネルには台湾CMOのものを搭載する。来年1月に発売を開始する予定で、価格は600万円程度を見込んでいる。
解像度は3,840×2,160で、画素数はちょうど1,920×1,080の2倍ずつとなる。Dual Link HD-SDI×4またはDVI-D×4をインターフェースに持つ。デモでは、NHKが撮影したスーパーハイビジョン(7,680×4,320)の映像を4K2Kにダウンコンバートして表示。その圧倒的な再現力に、多くの来場者が足を止めていた。
●日立マクセル/フジフイルム
記録メディアメーカーとして出展した両社は、ともに、これまでの歴代のプロ用テープを展示し、長年にわたる放送機器との関わりをアピール。
最新技術では、日立マクセルが「iVDR」規格を展示し、注目を集めていた。iVDRは4月にARIBの承認が下り、現在は参加メーカーなどの募集受付業務などを行っている。家庭用機器では、まず薄型テレビに搭載され、その後PC、HDDレコーダーという順番で搭載機器が発売されるという。気になる製品化の時期は2007年中となる見込みだ。
また、フジフイルムは、前述した歴代の放送用テープのほか、最新のDVD/CDメディア、データ用のBD-R/REメディアも展示。放送機器でもテープから光ディスクへの移行が進んでいるが、それを象徴するような展示内容となっていた。
●プロオーディオ機器も多数
放送機器は、映像だけでなく音声も欠かせない。アキュフェーズやヤマハ、ボーズ、ディナウディオ、オーディオテクニカ、TEACなどなど、家庭用でもおなじみのメーカーが、プロ用の音声機器を展示していた。
オーディオテクニカブースでは、ワイヤレスマイクロフォンの新ラインナップを一堂に展示。またRF対策マイク、マイクミキサー、赤外線マイクなど、様々な種類のマイクを展示していた。
ボーズブースは、スタジオ用のスピーカーなどを積極展示。中でも、新3ウェイフルレンジおよび2ウェイ中高域スピーカー、パナレイLTシステムに力を入れていた。
ヤマハは、デジタルミキシングコンソール「LS9」や、デジタルミキシングシステム「DSP5D」、2Ω駆動に対応した本格ツアーリングアンプ「Tn」シリーズ、モニタースピーカーの新定番「MSP」シリーズなどを展示。スピーカーのインスタレーションシリーズも見ることができた。
(Phile-web編集部)