注目のニューモデルを徹底解剖
“CELL REGZA”がやって来る! − 評論家 貝山知弘氏×山之内正氏が語る「55X1」の魅力<第1回・発見編>
オーディオ・ビジュアルファン待望の「CELL Broadband Engine」を搭載したモンスター・マシン“CELL REGZA”「55X1」がいよいよ12月に発売される。“超解像”をはじめとする高画質技術、録画機能やネットワークを含む先進的なAVライフスタイルを実現する機能の数々をいち早く実現し、薄型テレビの進化をリードしてきた東芝“REGZA”シリーズの頂点に君臨するモデルを今回評論家の貝山知弘氏、山之内正氏が徹底視聴した。「未踏の高画質の世界」を体験した両氏が、“CELL REGZA”のインプレッションを「発見編」「探求編」の全2回の対談レポートにより語り尽くす。
◆遂に登場した“CELL REGZA” − 貝山氏&山之内氏のファーストインプレッション
− まず始めに、ここ数年間の東芝“REGZA”の進化をご覧になってきたお二人に、新たに登場したフラグシップモデル“CELL REGZA”「55X1」の映像を観て、抱かれた印象を伺いたいと思います。
貝山氏(以下 敬称略) 私がディスプレイに持っている「理想像」というのは、表現幅が広く、しかも、それを自由にコントロールできる性能を備えているということです。東芝のREGZAシリーズが、このフラグシップモデルである“CELL REGZA”「55X1」(以下:CELL REGZA)に至るまでにたどってきた経緯、あるいは本機が到達したレベルというのは、この私の理想像を満足させる域にあると感じています。
“CELL REGZA”のような製品を実現するためには、単にハードとしての性能が大事なのではなく、ソフトウェアの持っている多様なジャンルと幅広い表現能力に対応できる器の大きさが必要になります。本機の場合、その技術力が非常に高い水準にあると私は思います。そして、“CELL REGZA”が誕生したことによって、いまディスプレイ自体がひとつ新しい世代に向かってスタートできるようになったのではないかと感じています。恐らく本機がかたちにした機能・性能が、各社の次世代ディスプレイ開発にとってひとつのリファレンスになって行くのだと思います。
− なるほど。貝山さんはこれから“次世代のディスプレイ”がどのような方向へ進んでいくと考えていますか。
貝山 まずは「3D」、次に「4K」の時代が近い将来にやって来るだろうと考えています。「4Kなんて来ないよ」と言う人もいますが、私はやはり来て欲しいと思うし、映画のソフトもぜひ4Kで見たいと思っています。自分が制作してきた映画も4Kで残せるようになったら真っ先にやってみたいですね。時代が4K、8Kと“ポストフルHD”の方向へと向かっていく、その時には東芝の“CELL REGZA”が今日の段階で実現した数々の技術がさらに生きてくるであろうことは明らかです。3Dはどんな方向に落ち着くのか、まだ見えていないところもありますが、やはりディスプレイにおける「ソフトウェアの力」というものが、今よりもさらに重要性を増してくるはずです。
山之内氏(以下 敬称略) 私は今年の1月にラスベガスで開催された「2009 International CES」で“CELL REGZA”の試作機を見る機会を得ました。あれから約1年近く待って、「いよいよ出たか」という実感を今は持っています。“CELL REGZA”は私が商品化を心待ちにしていたテレビのひとつで、「CELL Broadband Engine」のパワーをどのように画づくりへと活かしてくるのか、非常に注目していました。その期待が今日になって現実のものになったことは、とても喜ばしいことです。
映像の感想としては、非常に“強い画”であるという印象を持ちました。“強い”と表現した意味には、もちろん優れたピーク輝度性能が“強い”ということもありますが、それだけではありません。ここ数年来の薄型ディスプレイの進化を振り返ると、各社は「表示デバイス」としてのディスプレイから、「表現領域」のディスプレイを目指して開発を進めてきたように思います。その開発の過程ではコントラストの改善、あるいは色再現性の拡大などが大きなテーマになってきたわけですが、この“CELL REGZA”に関しては、いろいろな進化の要素が積み重なった結果だと思いますが、それぞれのステップがひとつずつ大きく向上したように感じます。つまり、表現領域のディスプレイを目指してきたアプローチが、“CELL REGZA”では「ひとつ次のステップ」に進んでしまったという印象を持っています。そういう意味で私は本機の映像を“強い画”という言葉で表したかったのです。
− “CELLプラットフォーム”エンジンの出来は期待通りでしたか。
山之内 これはある意味で“期待以上”の部分もあれば、今後“さらに期待したい”部分の両方があります。前者については、年初のCESでプロトタイプや技術展示を見た頃から楽しみにしていましたが、実際に完成した“CELL REGZA”に搭載された機能はマニアの心を大いに刺激する驚くべきものばかりで、“期待以上”であったと言えます。
実際の“CELL REGZA”を目の当たりにすると、早くも今後の進化に期待したくなってきます。今回の製品について、東芝の開発陣に説明をうかがったところ、「ソフトウェアの仕上がりが、発売前でまだ8割ほどの完成度である」というお話がありました。これは“CELLプラットフォーム”にはまだ見ぬ進化の余地があって、今後もっと画が良くなる可能性を秘めているということを意味しているのだと思います。つまり、その都度で最新の技術成果をソフトウェアに反映させていけば、あるいはその映像のつくり込みの成果をアップデートして活かして行けば、ひとつの製品が発売後もどんどん進化していく可能性を秘めているのです。
今回発売前のテスト機で視聴した段階でも、“CELL REGZA”がこれほどまでの高画質を実現していることにも大変感心させられますが、今後12月の発売までに、また発売後も含めて、画質のさらなる向上が実現されることにも期待したいと思います。
◆遂に登場した“CELL REGZA” − 貝山氏&山之内氏のファーストインプレッション
− まず始めに、ここ数年間の東芝“REGZA”の進化をご覧になってきたお二人に、新たに登場したフラグシップモデル“CELL REGZA”「55X1」の映像を観て、抱かれた印象を伺いたいと思います。
貝山氏(以下 敬称略) 私がディスプレイに持っている「理想像」というのは、表現幅が広く、しかも、それを自由にコントロールできる性能を備えているということです。東芝のREGZAシリーズが、このフラグシップモデルである“CELL REGZA”「55X1」(以下:CELL REGZA)に至るまでにたどってきた経緯、あるいは本機が到達したレベルというのは、この私の理想像を満足させる域にあると感じています。
“CELL REGZA”のような製品を実現するためには、単にハードとしての性能が大事なのではなく、ソフトウェアの持っている多様なジャンルと幅広い表現能力に対応できる器の大きさが必要になります。本機の場合、その技術力が非常に高い水準にあると私は思います。そして、“CELL REGZA”が誕生したことによって、いまディスプレイ自体がひとつ新しい世代に向かってスタートできるようになったのではないかと感じています。恐らく本機がかたちにした機能・性能が、各社の次世代ディスプレイ開発にとってひとつのリファレンスになって行くのだと思います。
− なるほど。貝山さんはこれから“次世代のディスプレイ”がどのような方向へ進んでいくと考えていますか。
貝山 まずは「3D」、次に「4K」の時代が近い将来にやって来るだろうと考えています。「4Kなんて来ないよ」と言う人もいますが、私はやはり来て欲しいと思うし、映画のソフトもぜひ4Kで見たいと思っています。自分が制作してきた映画も4Kで残せるようになったら真っ先にやってみたいですね。時代が4K、8Kと“ポストフルHD”の方向へと向かっていく、その時には東芝の“CELL REGZA”が今日の段階で実現した数々の技術がさらに生きてくるであろうことは明らかです。3Dはどんな方向に落ち着くのか、まだ見えていないところもありますが、やはりディスプレイにおける「ソフトウェアの力」というものが、今よりもさらに重要性を増してくるはずです。
山之内氏(以下 敬称略) 私は今年の1月にラスベガスで開催された「2009 International CES」で“CELL REGZA”の試作機を見る機会を得ました。あれから約1年近く待って、「いよいよ出たか」という実感を今は持っています。“CELL REGZA”は私が商品化を心待ちにしていたテレビのひとつで、「CELL Broadband Engine」のパワーをどのように画づくりへと活かしてくるのか、非常に注目していました。その期待が今日になって現実のものになったことは、とても喜ばしいことです。
映像の感想としては、非常に“強い画”であるという印象を持ちました。“強い”と表現した意味には、もちろん優れたピーク輝度性能が“強い”ということもありますが、それだけではありません。ここ数年来の薄型ディスプレイの進化を振り返ると、各社は「表示デバイス」としてのディスプレイから、「表現領域」のディスプレイを目指して開発を進めてきたように思います。その開発の過程ではコントラストの改善、あるいは色再現性の拡大などが大きなテーマになってきたわけですが、この“CELL REGZA”に関しては、いろいろな進化の要素が積み重なった結果だと思いますが、それぞれのステップがひとつずつ大きく向上したように感じます。つまり、表現領域のディスプレイを目指してきたアプローチが、“CELL REGZA”では「ひとつ次のステップ」に進んでしまったという印象を持っています。そういう意味で私は本機の映像を“強い画”という言葉で表したかったのです。
− “CELLプラットフォーム”エンジンの出来は期待通りでしたか。
山之内 これはある意味で“期待以上”の部分もあれば、今後“さらに期待したい”部分の両方があります。前者については、年初のCESでプロトタイプや技術展示を見た頃から楽しみにしていましたが、実際に完成した“CELL REGZA”に搭載された機能はマニアの心を大いに刺激する驚くべきものばかりで、“期待以上”であったと言えます。
実際の“CELL REGZA”を目の当たりにすると、早くも今後の進化に期待したくなってきます。今回の製品について、東芝の開発陣に説明をうかがったところ、「ソフトウェアの仕上がりが、発売前でまだ8割ほどの完成度である」というお話がありました。これは“CELLプラットフォーム”にはまだ見ぬ進化の余地があって、今後もっと画が良くなる可能性を秘めているということを意味しているのだと思います。つまり、その都度で最新の技術成果をソフトウェアに反映させていけば、あるいはその映像のつくり込みの成果をアップデートして活かして行けば、ひとつの製品が発売後もどんどん進化していく可能性を秘めているのです。
今回発売前のテスト機で視聴した段階でも、“CELL REGZA”がこれほどまでの高画質を実現していることにも大変感心させられますが、今後12月の発売までに、また発売後も含めて、画質のさらなる向上が実現されることにも期待したいと思います。