画作りに明確な違い − 「PS3」と「BDZ-V9」のBDビデオ画質を比較
BD-ROMプレーヤーとしてAVファンからも支持されているPLAYSTATION3。その性能を問う第二の刺客がソニーから現れた。BDレコーダーの「BDZ-V9」と再生画質を比較してその実力を検証してみよう。
●ソニー発のBDレコーダー「BDZ-V9」
PS3を使ったBDビデオの画質検証は、パナソニックの「DMR-BW200」との対決、システムソフトウェアのアップデート後の新旧対決に続いての3回目となる。
対戦相手に選んだのは、同じソニーグループのBDレコーダー「BDZ-V9」だ。HDD内蔵の録画機だけあって価格は約30万円とPS3の5倍以上の価格ながら、電動式スライドドアを採用した前面パネルや厚さ3.5mmのアルミ天板を使った筐体など高級機らしい作り込みが行われたモデルである。価格差だけのクオリティの差があるのかが今回の比較のポイントだ。
テスト環境は、前回のPS3新旧対決と同じ音元出版の視聴室で実施した。モニタはソニー「KDL-40X2500」を使用してHDMIの1080pで接続している。PS3は、もちろんシステムソフトウェア1.30に更新したものを使用した。視聴に使ったソースも同じBDビデオソフトの『キングダム・オブ・ヘブン』で、今回も2枚のディスクを用意して同時に再生して繰り返し比較テストを行った。
●PS3×BDZ-V9で画質対決!
今回の比較視聴は、一目で分かるほどの違いが現れた。BDZ-V9で再生した際に、同席した編集者と共に「明らかに違う」と声を合わせたのが「チャプター8」冒頭の引いたカットで、地面のディティールも際立ち先鋭感のある映像で立体感の出た画を見せてくれる。全体に明るいシーンとなる「チャプター12」は、透明感のある色彩で豊かな発色で表現してくれ、その映像は明部が伸び鮮やかで美しい。PS3の画質も何度も再生して視聴したが、同じBD-ROMの画質を再生してこれほどの違いがあるものかと驚かされる。
ただし、BDZ-V9の映像を繰り返して視聴してみると、違和感を感じるような部分もある。PS3や以前視聴したパナソニックDMR-BW200と比べると、強めにシャープネスをかけたような印象を受けるためだ。このため40型液晶BRAVIAを使った2メートル程度の位置からの視聴はBDZ-V9の映像が高精細で好印象だが、モニターに数十センチまで近づいて見ると、PS3では気にならないような細部のアラが見えてくる。この点については、解像感とS/Nのどちらを重視するかでトレードオフとなると言って良いだろう。なお、BDZ-V9は再生中のオプションメニューから「画質設定」でシャープネスの設定が可能で、標準の「0」からマイナス方向に下げればPS3の映像に近づけることもできる。
●両者の画質には明確な違いが現れた
今回の画質対決は、ややソフトタッチのPS3とハードな解像感を出すBDZ-V9という、明確な性格の違いが現れた。しかし、それを考慮した上でも、先鋭感のある発色で、ディティールの調整なども可能なBDZ-V9の総合性能に歩がありそうだ。実際にBD-ROMプレーヤーとして購入するとなるとPS3との約5倍もの価格差に悩むところだが、BDレコーダー兼BD-ROMプレーヤーとして購入を検討している人にとっては満足できる結果となったのではないだろうか。
●対戦相手選定中!
ソニー初のBDレコーダーという好敵手を相手に善戦を繰り広げたPS3。さすがはソニーグループの総力を結集したモンスターマシンという印象だ。次回の対戦機種は現在選定中。続報を待て!
(折原一也)
●ソニー発のBDレコーダー「BDZ-V9」
PS3を使ったBDビデオの画質検証は、パナソニックの「DMR-BW200」との対決、システムソフトウェアのアップデート後の新旧対決に続いての3回目となる。
対戦相手に選んだのは、同じソニーグループのBDレコーダー「BDZ-V9」だ。HDD内蔵の録画機だけあって価格は約30万円とPS3の5倍以上の価格ながら、電動式スライドドアを採用した前面パネルや厚さ3.5mmのアルミ天板を使った筐体など高級機らしい作り込みが行われたモデルである。価格差だけのクオリティの差があるのかが今回の比較のポイントだ。
テスト環境は、前回のPS3新旧対決と同じ音元出版の視聴室で実施した。モニタはソニー「KDL-40X2500」を使用してHDMIの1080pで接続している。PS3は、もちろんシステムソフトウェア1.30に更新したものを使用した。視聴に使ったソースも同じBDビデオソフトの『キングダム・オブ・ヘブン』で、今回も2枚のディスクを用意して同時に再生して繰り返し比較テストを行った。
●PS3×BDZ-V9で画質対決!
今回の比較視聴は、一目で分かるほどの違いが現れた。BDZ-V9で再生した際に、同席した編集者と共に「明らかに違う」と声を合わせたのが「チャプター8」冒頭の引いたカットで、地面のディティールも際立ち先鋭感のある映像で立体感の出た画を見せてくれる。全体に明るいシーンとなる「チャプター12」は、透明感のある色彩で豊かな発色で表現してくれ、その映像は明部が伸び鮮やかで美しい。PS3の画質も何度も再生して視聴したが、同じBD-ROMの画質を再生してこれほどの違いがあるものかと驚かされる。
ただし、BDZ-V9の映像を繰り返して視聴してみると、違和感を感じるような部分もある。PS3や以前視聴したパナソニックDMR-BW200と比べると、強めにシャープネスをかけたような印象を受けるためだ。このため40型液晶BRAVIAを使った2メートル程度の位置からの視聴はBDZ-V9の映像が高精細で好印象だが、モニターに数十センチまで近づいて見ると、PS3では気にならないような細部のアラが見えてくる。この点については、解像感とS/Nのどちらを重視するかでトレードオフとなると言って良いだろう。なお、BDZ-V9は再生中のオプションメニューから「画質設定」でシャープネスの設定が可能で、標準の「0」からマイナス方向に下げればPS3の映像に近づけることもできる。
●両者の画質には明確な違いが現れた
今回の画質対決は、ややソフトタッチのPS3とハードな解像感を出すBDZ-V9という、明確な性格の違いが現れた。しかし、それを考慮した上でも、先鋭感のある発色で、ディティールの調整なども可能なBDZ-V9の総合性能に歩がありそうだ。実際にBD-ROMプレーヤーとして購入するとなるとPS3との約5倍もの価格差に悩むところだが、BDレコーダー兼BD-ROMプレーヤーとして購入を検討している人にとっては満足できる結果となったのではないだろうか。
●対戦相手選定中!
ソニー初のBDレコーダーという好敵手を相手に善戦を繰り広げたPS3。さすがはソニーグループの総力を結集したモンスターマシンという印象だ。次回の対戦機種は現在選定中。続報を待て!
(折原一也)