BDZ-V9購入後1週間 − 折原一也氏が皆様からいただいた質問・リクエストに答えます!
12月8日に発売されたソニーのBDレコーダー「BDZ-V9」を、評論家の折原一也氏がさっそく手に入れました。今回はPhile-web読者の皆様から寄せていただいたBDZ-V9に関する質問について、本機のユーザーとしての立場から折原氏に答えて頂きました。
【その1】森さんからいただいたご質問
ソニー「BDZ-V9」はBSデジタル放送をDRモードで2時間10分(約24Mbps)録画できますがハリー・ポッターのように、本編約161分を収録する長編映画は25GBには収まりません。XR録画モードを使用すれば3時間26分録画ができるのはわかっていますが、かなり画質も落ちてしまうので、何とか高画質で残せないものかと悩んでいます。そこで本機のXRモードと、パナソニックのBDレコーダー「DMR-BW200」のぴったり録画画質との画質の比較をお願い致します。また、どの位のビットレートで録画保存が可能なのか、パナソニックのレコーダーの「ぴったり録画」に類する機能は搭載されているのでしょうか。
<折原一也氏からの回答>
1層25GBのBDディスクに収まらない番組の保存は、BDZ-V9を使う上で逃れられない問題ですね。私も「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」(WOWOW)を録画したものの、その保存方法には悩みました。
まず「ぴったり録画」(パナソニックでFRモードと呼ばれる機能)は、BDZ-V9にはありません。これは録画予約の際に存在しないだけなく、ダビングを実行する際にも指定できません。代わりにダビングの実行画面には「自動調整」という機能はありますが、これは既存の録画モードの中から収録可能な転送レートの大きなモードを選ぶだけで、ディスクにぴったり録画する機能にはなりません。
それを踏まえた上で、BDZ-V9のほかにパナソニックのDMR-BW200を用意して両モデルでBSデジタル放送141分の同一番組をハイビジョン録画を行い、1層25GBのBDにムーブする形でDMR-BW200のFRモードと、BDZ-V9のXRモード画質検証を行いました。
実際に保存された番組のビットレートはBDZ-V9が約15Mbpsになるのに対して、DMR-BW200は最大10Mbps程度に押さえられており、DVDに記録できる最大ビットレートに合わせられているようです。見た目上の画質はノイズの少なさの点でBDZ-V9に分があり、特に破綻しやすいカメラがパンする(横に動く)シーンなどで顕著な違いが現れます。一方のDMR-BW200も、極端に厳しいシーンを除いては精細感があり、なかなかのものです。ただ、どちらにせよ元のHD映像と比べると大きな違いになってしまうのは確かです。
ちなみに「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」(WOWOW)を保存した際の方法ですが、何とか高画質に残せないか試してみたところ、エンドロール途中の2時間30分あたりまでは入ることが分かりました。映画の余韻に浸れないのは残念ですが、エンドロールをカットすれば画質を損なわずに1層25GBのBD-Rに残せます。
【質問その2】小島さんからのギモン
私はS-VHS、ED-Beta、DVと3世代に渡って撮影と編集を趣味にしてきました。編集対象としては「コマ単位での編集」と「編集点のシームレス化」は、ごく当然のこととしています。しかし、DVDはGOP(Group of Picture)という呪縛から、編集点がずれたり、ゴミが残ったり、フリーズする場合が多いと聞いており、そのために私は未だにDVDレコーダーを購入できずにいます。
「BDZ-V9」は録画したハイビジョン映像を「A−B点消去」できると聞いておりますが、その際、消去され繋がった映像部分ではシームレスに再生されるのか否かが一番の関心事です。そこでご質問なのですが、
1.A−B点消去され、繋がった部分はシームレスに再生されるのか
2.A−B点消去の編集点はコマ単位なのか、それとも何か制約があるのか
3.シームレスに再生される場合、どのような工夫がされているのか
についてご検証いただければ幸いです。
<折原一也氏からの回答>
編集の精度については、DVDの時代では多くのユーザーの方々が悩まされていた問題ですよね。BDZ-V9でカットした場合の再生ですが、完全にシームレスにはなりません。具体的には、カットした箇所に入ると約0.5秒程度映像と音が止まってから再生されます。これは、DVDの再生中にスキップボタンを押したときの反応をイメージすると分かりやすいと思います。
A-B点消去の編集点については、完全にコマ(1/30秒)単位で指定ができ、GOP(約0.5秒単位)の制限はありません。本当に1コマ(1/30秒)だけを指定しても、きちんとその箇所を基準にして消去が実行されるので再生時にカットした箇所のゴミが気になる心配はなさそうです。ただ、あまり短い時間で消去をしても、先に挙げた通り編集箇所で一瞬止まるので注意が必要です。
【質問その3】高橋さんからのギモン
HDDとBDへのVR録画モード録画(XR/SR/LR/ER)の中に、DVDへのSPモード録画と同程度のビットレート(DVDに約2時間・BDに約10時間記録)になりそうな選択肢が、仕様表の中に見当たりません。SPに相当するビットレートでBDに保存できれば、CMカットした連続ドラマ全11話を1層BD-R1枚に収められるのですが、(LRモードはビットレートが低すぎて不満です)そのようなことを実現する手段は用意されていますでしょうか?よろしくお願いいたします。
<折原一也氏からの回答>
BDZ-V9の録画モードはHDD/BDとDVDで異なる仕様となっているため、分かりにくいポイントです。連続ドラマを保存する場合、地上デジタル放送の1時間番組を完全にCMカットした状態での1話あたりの時間が約47分(拡大枠は考慮しない場合)ですので、11話で約8時間37分になります。1層25GBにSRモード(平均7Mbps程度)で保存した場合は約6時間45分までとなりますので、1枚に収めることはできません。中間のビットレートやぴったりダビングの機能もないため、この場合は約13時間23分を収められるLRモード(平均3.8Mbps程度)で残すしかなさそうです。
ちなみに私も連続ドラマをよく録画するのですが、地上デジタルで放送されている1時間の連続ドラマをしっかりとCMカットした場合、1層25GBのBD-Rに4話入ることが確認できました。このためディスク3枚に1作品を収録する方法を考えています。初回が10分拡大の番組でも、BD-REを使えば1〜4話までギリギリ収録できました。
(レポート 折原一也)
>>ソニー「BDZ-V9」の詳細はこちら
※今回は企画の都合上、皆様からお寄せいただきましたご質問の中から上記内容を抽選してご掲載させていただきました。ご容赦下さいませ。たくさんのご応募をいただき誠にありがとうございました。
【その1】森さんからいただいたご質問
ソニー「BDZ-V9」はBSデジタル放送をDRモードで2時間10分(約24Mbps)録画できますがハリー・ポッターのように、本編約161分を収録する長編映画は25GBには収まりません。XR録画モードを使用すれば3時間26分録画ができるのはわかっていますが、かなり画質も落ちてしまうので、何とか高画質で残せないものかと悩んでいます。そこで本機のXRモードと、パナソニックのBDレコーダー「DMR-BW200」のぴったり録画画質との画質の比較をお願い致します。また、どの位のビットレートで録画保存が可能なのか、パナソニックのレコーダーの「ぴったり録画」に類する機能は搭載されているのでしょうか。
<折原一也氏からの回答>
1層25GBのBDディスクに収まらない番組の保存は、BDZ-V9を使う上で逃れられない問題ですね。私も「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」(WOWOW)を録画したものの、その保存方法には悩みました。
まず「ぴったり録画」(パナソニックでFRモードと呼ばれる機能)は、BDZ-V9にはありません。これは録画予約の際に存在しないだけなく、ダビングを実行する際にも指定できません。代わりにダビングの実行画面には「自動調整」という機能はありますが、これは既存の録画モードの中から収録可能な転送レートの大きなモードを選ぶだけで、ディスクにぴったり録画する機能にはなりません。
実際に保存された番組のビットレートはBDZ-V9が約15Mbpsになるのに対して、DMR-BW200は最大10Mbps程度に押さえられており、DVDに記録できる最大ビットレートに合わせられているようです。見た目上の画質はノイズの少なさの点でBDZ-V9に分があり、特に破綻しやすいカメラがパンする(横に動く)シーンなどで顕著な違いが現れます。一方のDMR-BW200も、極端に厳しいシーンを除いては精細感があり、なかなかのものです。ただ、どちらにせよ元のHD映像と比べると大きな違いになってしまうのは確かです。
ちなみに「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」(WOWOW)を保存した際の方法ですが、何とか高画質に残せないか試してみたところ、エンドロール途中の2時間30分あたりまでは入ることが分かりました。映画の余韻に浸れないのは残念ですが、エンドロールをカットすれば画質を損なわずに1層25GBのBD-Rに残せます。
【質問その2】小島さんからのギモン
私はS-VHS、ED-Beta、DVと3世代に渡って撮影と編集を趣味にしてきました。編集対象としては「コマ単位での編集」と「編集点のシームレス化」は、ごく当然のこととしています。しかし、DVDはGOP(Group of Picture)という呪縛から、編集点がずれたり、ゴミが残ったり、フリーズする場合が多いと聞いており、そのために私は未だにDVDレコーダーを購入できずにいます。
「BDZ-V9」は録画したハイビジョン映像を「A−B点消去」できると聞いておりますが、その際、消去され繋がった映像部分ではシームレスに再生されるのか否かが一番の関心事です。そこでご質問なのですが、
1.A−B点消去され、繋がった部分はシームレスに再生されるのか
2.A−B点消去の編集点はコマ単位なのか、それとも何か制約があるのか
3.シームレスに再生される場合、どのような工夫がされているのか
についてご検証いただければ幸いです。
<折原一也氏からの回答>
編集の精度については、DVDの時代では多くのユーザーの方々が悩まされていた問題ですよね。BDZ-V9でカットした場合の再生ですが、完全にシームレスにはなりません。具体的には、カットした箇所に入ると約0.5秒程度映像と音が止まってから再生されます。これは、DVDの再生中にスキップボタンを押したときの反応をイメージすると分かりやすいと思います。
A-B点消去の編集点については、完全にコマ(1/30秒)単位で指定ができ、GOP(約0.5秒単位)の制限はありません。本当に1コマ(1/30秒)だけを指定しても、きちんとその箇所を基準にして消去が実行されるので再生時にカットした箇所のゴミが気になる心配はなさそうです。ただ、あまり短い時間で消去をしても、先に挙げた通り編集箇所で一瞬止まるので注意が必要です。
【質問その3】高橋さんからのギモン
HDDとBDへのVR録画モード録画(XR/SR/LR/ER)の中に、DVDへのSPモード録画と同程度のビットレート(DVDに約2時間・BDに約10時間記録)になりそうな選択肢が、仕様表の中に見当たりません。SPに相当するビットレートでBDに保存できれば、CMカットした連続ドラマ全11話を1層BD-R1枚に収められるのですが、(LRモードはビットレートが低すぎて不満です)そのようなことを実現する手段は用意されていますでしょうか?よろしくお願いいたします。
<折原一也氏からの回答>
BDZ-V9の録画モードはHDD/BDとDVDで異なる仕様となっているため、分かりにくいポイントです。連続ドラマを保存する場合、地上デジタル放送の1時間番組を完全にCMカットした状態での1話あたりの時間が約47分(拡大枠は考慮しない場合)ですので、11話で約8時間37分になります。1層25GBにSRモード(平均7Mbps程度)で保存した場合は約6時間45分までとなりますので、1枚に収めることはできません。中間のビットレートやぴったりダビングの機能もないため、この場合は約13時間23分を収められるLRモード(平均3.8Mbps程度)で残すしかなさそうです。
ちなみに私も連続ドラマをよく録画するのですが、地上デジタルで放送されている1時間の連続ドラマをしっかりとCMカットした場合、1層25GBのBD-Rに4話入ることが確認できました。このためディスク3枚に1作品を収録する方法を考えています。初回が10分拡大の番組でも、BD-REを使えば1〜4話までギリギリ収録できました。
(レポート 折原一也)
>>ソニー「BDZ-V9」の詳細はこちら
※今回は企画の都合上、皆様からお寄せいただきましたご質問の中から上記内容を抽選してご掲載させていただきました。ご容赦下さいませ。たくさんのご応募をいただき誠にありがとうございました。