“AQUOS史上、最高の製品”− シャープ液晶テレビ発表会詳報
既にお伝えしているとおり、シャープ(株)は、液晶テレビ“AQUOS”の最上位ライン“Rシリーズ”やパーソナルサイズモデル“Dシリーズ”またAQUOSとの連携機能を備えた“AQUOSオーディオ”を発表した。本項では、本日都内で行われた新製品発表会の模様をお伝えする。
同社の液晶事業と今回の新展開について概要を説明したのは、専務取締役 AV・大型液晶事業統括の片山幹雄氏。まず同氏は国内の薄型テレビの市場動向について語った。
同社では07年度末、薄型テレビの世帯普及率が50%を超えると予想。また06年度590万台と見込まれている液晶テレビの需要は、22%増の720万台にまで達し、さらに市場拡大が見込まれると予想しているという。
37型以上の液晶とPDPの需要動向については、液晶対PDPの対比で紹介。05年度は5対5、06年度は6対4、07年度は7対3と「液晶の需要が圧倒的に高くなる見込みだ」と語った。
同社の製品ラインナップに関しては、「07年下期までに37V型以上をすべてフルHDにする」と説明。製品の構成比については、現在約30%となっている37V型以上のモデルを50%まで高めていきたいとした。また、07年度の販売台数の目標については、国内で前年度比122%の320万台、全世界では合計900万台を目指すという。
亀山第2工場に関しては、この1月より第2展開に移行し、現在月産30,000枚で稼働していると説明。さらに第3展開を7月頃に開始し、月産60,000枚にまで高めていく予定だという。また、大型モデルの需要が高まってきていることから、第2工場の大型生産技術を第1工場にも投入。今回発表した65V型、57V型は、亀山第1工場で生産するという。
今回の新製品について片山氏は、「国内を中心に新しい流れをつくりたい」と説明。その背景として、「初期に液晶テレビを買ったユーザーの買い換え需要」と「パーソナルな空間で使用する2台目需要」を挙げ、これらに需要に応えるため65、57V型の大画面を推し進めると同時に、中、小型のラインナップを拡充していくと述べた。また、先週発表した“AQUOSブルーレイ”や、今回の“AQUOSオーディオ”の様な、AVライフの使い勝手や利便性を高める製品により、AQUOSワールドの進化を図っていくとした。
また片山氏は、最上位の“Rシリーズ”について「最高の品質と性能を持ったモデルで、団塊の世代がターゲット」と説明。「倍速ASVパネル」を搭載するために、映像処理エンジンも新たに開発したという。暗室コントラスト3,000対1を実現したことについては「他方式を凌ぐ業界最高の画質を実現した」とアピール。「AQUOS史上、最高の製品となった」と自信を見せた。
“Dシリーズ”については、パソコン用のモニターとして使用するのにも最適であると説明。「新たな市場を創出していきたい」と語った。
さらに“AQUOSオーディオ”については「“大画面時代のリビングオーディオ”として提案する。家族で一緒に大画面・高画質、高音質を楽しんでほしい」と期待を表明した。
最後に片山氏は、「AQUOSを核に新たな商品を創出し、ユーザーの要望に応えていきたい」と今後の展開にも意気込みを見せた。
発表会では新ラインナップのテレビCMも公開された。映像の美しさを表現するためにレオナルド・ダ・ヴンチの「モナリザ」を使用したという。イメージキャラクターは引き続き吉永小百合を起用している。
以下に、本発表会で行われた質疑応答の主な内容を掲載する。
Q.フルHDの倍速パネルで120Hz駆動を実現しているが、パネルの応答速度は何msecとなるのか?
A.従来の応答速度という点では、これまで通り「4msec」の性能だ。
Q.新製品に37V型がない理由は?
A.37V型をラインナップしている“Gシリーズ”を継続して販売するからだ。“R”と“D”は新たに追加するものだ。
Q.外観デザインについて、脚が変わったり、ブラックを基調としたカラーリングになったりしているが、これはアメリカ市場を意識しているのか?
A.「デザインのプレミアム」という考え方で仕上げた。プレミアムな環境に似合うために適切なデザインを採用している。Dシリーズは、新しい生活感を感じさせるようなデザインにしており、Gシリーズ1本から派生させたもう1つのデザインとして考えている(編集部注:アメリカで発売している製品はデザインが異なる)。
Q.販売は国内だけか?
A.今回発表したモデルは国内向け。1月のCESでは倍速、3,000対1パネル搭載モデルを発表したが、Rシリーズ相当のラインナップを1月より米国で販売開始している。
Q.月産台数は今後どの程度に上げていく予定か?
A.G、Rシリーズでサイズがダブっているものがあるが、Gシリーズ4、Rシリーズ6くらいの構成比で売っていきたい。将来的な期待としては逆転していくことを望んでいる。
Q.動画表示性能を高めたということだが、PDPと比べた場合はどうか?
A.実際の製品を見て頂ければわかると思うが、世界最速の表示デバイスにより究極に近い性能が出せたと思うし、コントラストに関しても高い性能が実現できている。
Q.動画表示性能やコントラストを高めることで、これまでPDPに追いつこうとしてきたが、液晶の伸びしろというか、今後の開発余地はどのあたりにあるか?
A.今回の製品では究極に近い性能が出せたと思っているが、社内にはたくさんの技術者がいるし、日本の中にはほかにも材料メーカーなどを含め、液晶に携わる技術者が非常に多くいる。来年も再来年も、みなさんがびっくりするような製品を出せていけたらと思っている。
Q.2月から「アクトビラ」のサービスがスタートしたが、新製品でこれに対応する機種は?
A.Rシリーズは対応している。Gシリーズは順次対応していく予定だ。
Q.Rシリーズのカラーフィルターは何を使用している?
A.企業秘密だ。買って分解して頂いても判らないかもしれない。
Q.亀山第2工場の技術を第1工場に投入したとのことだが、具体的に教えてほしい。
A.第1工場では高コントラストのパネルを作ることができなかったが、今回は3,000対1まで引き上げた。材料とプロセスを変えたと理解して頂きたい。動画表示性能については、第1、第2で同じような設計ルールを導入した。
(Phile-web編集部)
同社の液晶事業と今回の新展開について概要を説明したのは、専務取締役 AV・大型液晶事業統括の片山幹雄氏。まず同氏は国内の薄型テレビの市場動向について語った。
同社では07年度末、薄型テレビの世帯普及率が50%を超えると予想。また06年度590万台と見込まれている液晶テレビの需要は、22%増の720万台にまで達し、さらに市場拡大が見込まれると予想しているという。
37型以上の液晶とPDPの需要動向については、液晶対PDPの対比で紹介。05年度は5対5、06年度は6対4、07年度は7対3と「液晶の需要が圧倒的に高くなる見込みだ」と語った。
同社の製品ラインナップに関しては、「07年下期までに37V型以上をすべてフルHDにする」と説明。製品の構成比については、現在約30%となっている37V型以上のモデルを50%まで高めていきたいとした。また、07年度の販売台数の目標については、国内で前年度比122%の320万台、全世界では合計900万台を目指すという。
亀山第2工場に関しては、この1月より第2展開に移行し、現在月産30,000枚で稼働していると説明。さらに第3展開を7月頃に開始し、月産60,000枚にまで高めていく予定だという。また、大型モデルの需要が高まってきていることから、第2工場の大型生産技術を第1工場にも投入。今回発表した65V型、57V型は、亀山第1工場で生産するという。
今回の新製品について片山氏は、「国内を中心に新しい流れをつくりたい」と説明。その背景として、「初期に液晶テレビを買ったユーザーの買い換え需要」と「パーソナルな空間で使用する2台目需要」を挙げ、これらに需要に応えるため65、57V型の大画面を推し進めると同時に、中、小型のラインナップを拡充していくと述べた。また、先週発表した“AQUOSブルーレイ”や、今回の“AQUOSオーディオ”の様な、AVライフの使い勝手や利便性を高める製品により、AQUOSワールドの進化を図っていくとした。
また片山氏は、最上位の“Rシリーズ”について「最高の品質と性能を持ったモデルで、団塊の世代がターゲット」と説明。「倍速ASVパネル」を搭載するために、映像処理エンジンも新たに開発したという。暗室コントラスト3,000対1を実現したことについては「他方式を凌ぐ業界最高の画質を実現した」とアピール。「AQUOS史上、最高の製品となった」と自信を見せた。
“Dシリーズ”については、パソコン用のモニターとして使用するのにも最適であると説明。「新たな市場を創出していきたい」と語った。
さらに“AQUOSオーディオ”については「“大画面時代のリビングオーディオ”として提案する。家族で一緒に大画面・高画質、高音質を楽しんでほしい」と期待を表明した。
最後に片山氏は、「AQUOSを核に新たな商品を創出し、ユーザーの要望に応えていきたい」と今後の展開にも意気込みを見せた。
発表会では新ラインナップのテレビCMも公開された。映像の美しさを表現するためにレオナルド・ダ・ヴンチの「モナリザ」を使用したという。イメージキャラクターは引き続き吉永小百合を起用している。
以下に、本発表会で行われた質疑応答の主な内容を掲載する。
Q.フルHDの倍速パネルで120Hz駆動を実現しているが、パネルの応答速度は何msecとなるのか?
A.従来の応答速度という点では、これまで通り「4msec」の性能だ。
Q.新製品に37V型がない理由は?
A.37V型をラインナップしている“Gシリーズ”を継続して販売するからだ。“R”と“D”は新たに追加するものだ。
Q.外観デザインについて、脚が変わったり、ブラックを基調としたカラーリングになったりしているが、これはアメリカ市場を意識しているのか?
A.「デザインのプレミアム」という考え方で仕上げた。プレミアムな環境に似合うために適切なデザインを採用している。Dシリーズは、新しい生活感を感じさせるようなデザインにしており、Gシリーズ1本から派生させたもう1つのデザインとして考えている(編集部注:アメリカで発売している製品はデザインが異なる)。
Q.販売は国内だけか?
A.今回発表したモデルは国内向け。1月のCESでは倍速、3,000対1パネル搭載モデルを発表したが、Rシリーズ相当のラインナップを1月より米国で販売開始している。
Q.月産台数は今後どの程度に上げていく予定か?
A.G、Rシリーズでサイズがダブっているものがあるが、Gシリーズ4、Rシリーズ6くらいの構成比で売っていきたい。将来的な期待としては逆転していくことを望んでいる。
Q.動画表示性能を高めたということだが、PDPと比べた場合はどうか?
A.実際の製品を見て頂ければわかると思うが、世界最速の表示デバイスにより究極に近い性能が出せたと思うし、コントラストに関しても高い性能が実現できている。
Q.動画表示性能やコントラストを高めることで、これまでPDPに追いつこうとしてきたが、液晶の伸びしろというか、今後の開発余地はどのあたりにあるか?
A.今回の製品では究極に近い性能が出せたと思っているが、社内にはたくさんの技術者がいるし、日本の中にはほかにも材料メーカーなどを含め、液晶に携わる技術者が非常に多くいる。来年も再来年も、みなさんがびっくりするような製品を出せていけたらと思っている。
Q.2月から「アクトビラ」のサービスがスタートしたが、新製品でこれに対応する機種は?
A.Rシリーズは対応している。Gシリーズは順次対応していく予定だ。
Q.Rシリーズのカラーフィルターは何を使用している?
A.企業秘密だ。買って分解して頂いても判らないかもしれない。
Q.亀山第2工場の技術を第1工場に投入したとのことだが、具体的に教えてほしい。
A.第1工場では高コントラストのパネルを作ることができなかったが、今回は3,000対1まで引き上げた。材料とプロセスを変えたと理解して頂きたい。動画表示性能については、第1、第2で同じような設計ルールを導入した。
(Phile-web編集部)