パイオニア、業界初のPLC採用ネットワークオーディオ“music tap”
パイオニア(株)は、業界で初めてPLC(Power Line Communication=電力線通信)を用いたネットワークオーディオシステム“music tap”「XW-PSS01」を3月下旬に発売する。
製品は、5系統の入力端子を備え、音声データを送信する「サウンドステーション」と、ラージサイズの「ネットワークスピーカー L」、スモールサイズの「ネットワークスピーカー S」の3点がセットになっている。価格はオープンだが、68,000円前後での販売が予想される。
PLCとは、家庭内の電力線を使ってデータ通信を行う技術。製品の電源ケーブルをつなぐだけで通信が可能で、特に設定も不要など、使い勝手が高いのが特徴。松下電器が高速電力線通信「HD-PLC」(関連ニュース)を提唱し、各社から対応製品が発売しているが、music tapが採用しているPLCの規格は「DMCR-PLC」と呼ばれるもので、HD-PLCと比べ実効速度が低い。ちなみに、HD-PLCとmusic tapで使用しているPLC規格は互換性がないため、同時に使用すると通信の干渉が起こることがあるという。music tapを使うときはHD-PLC機器を取り外しておく必要がある。
music tapでは、音声データのやり取りに、このPLC技術を使用する。具体的には、サウンドステーション部を電源に接続し、外部機器から音声を入力。電力線を通して伝送されたデータを、別室などに置いたネットワークスピーカーが受信し、再生するという仕組みだ。
サウンドステーション部には、USB端子がAタイプ1系統、Bタイプ1系統、さらにRCAオーディオ入力2系統、ステレオミニ1系統の計5系統が入力端子として用意されている。USB端子では、音声ファイルを記録したUSBメモリーを挿入したり、PCと接続したりすることが可能。なお、USBメモリー内の音声ファイルは、MP3/WMA/MPEG-4 AACの再生に対応している。
なお、サウンドステーション部では、同時に2つの音楽を配信できる「デュアルモード」機能を搭載している。あらかじめ、「Aにはこの入力」「Bにはこの入力」と設定しておいて、ネットワークスピーカー部で、A/Bのいずれかの音声を選択できるというものだ。
また、サウンドステーション部には目覚ましタイマー機能も装備しており、お気に入りの楽曲で目覚めるということもできる。
ネットワークスピーカー Lにはリモコンが付属しており、スピーカーの電源ON/OFFやボリューム調節などの操作はもちろん、サウンドステーション部の電源を連動してON/OFFしたり、サウンドステーションの入力を切り替えたりすることもできる。さらに、USBメモリーなどをサウンドステーション部に挿入した場合は、リモコンから再生/停止や曲の頭出し操作などを行うことも可能。
ネットワークスピーカー Sは、再生する曲の選択などは行えず、サウンドステーションから配信された曲を再生する機能だけを持つ。モーションセンサーを内蔵し、人が近くに通ると自動的に電源がONになり、音楽の再生をはじめる機能も搭載している。このモーションセンサーは切/ショート/ロングの3モードが用意されており、ショートは人がいなくなってから1分後まで、ロングは30分後まで再生を続ける。同社では、トイレやキッチン、玄関などでの使用を想定している。
ネットワークスピーカー L/Sのユニットは上部に向けて取り付けられており、音の広がりよりもパーソナルユースを意識した仕様となっている。出力はLが25W+25Wステレオ、Sが5Wモノラルとなる。
増設用のスピーカーも、LとSの2種類が3月下旬に発売される。価格はどちらもオープンだが、ネットワークスピーカー Lと同仕様の「XW-PSS01-L」は27,000円前後、ネットワークスピーカー Sと同仕様の「XW-PSS02-S」は19,000円前後での販売が予想される。なお、パイオニアでは、同一ネットワーク内のスピーカーの数は4台までを推奨している。
なお、この“music tap”にも対応したiPodコントロールドック「IDK-01」も3月下旬に発売される。詳細は別項でご紹介するが、ドックをサウンドステーションに接続しておくと、IDK-01に付属するリモコンを使って、ネットワークスピーカー LからiPodを遠隔操作することが可能。
本日行われた発表会では、パイオニア(株)AV企画部 システム企画課の一楽淳史氏が、製品の企画概要やコンセプトなどについて説明を行った。一楽氏は、「PLCという技術そのものにスポットが当たりがちだが、新しい技術を使ってライフスタイルをどう演出できるかがポイントだ」と説明。製品の名称については、「tapは英語で蛇口という意味。製品から水のように音楽があふれ出す、ということをイメージして名前を付けた」という。
製品のターゲットについては、「自宅で音楽を『ながら聴き』する人たち」と説明。具体的にユーザー調査を行った結果、「主要都市に住む20代から30代DINKSの女性をコアターゲットに据えた」という。「これらの方々は、自分たちのライフスタイルイメージと経済力の両方を持つ存在。家事などをしながら音楽を聴いている方も多い」と説明した。実際のグループインタビューでも、電源ケーブルを挿すだけで音楽が楽しめるシンプルさや、PC内のHDDなど、既に自宅にある音源を活用できるといった合理性、また住空間とオーディオが調和するナチュラルさなどに、高い評価が得られたという。
このコアターゲットに合わせ、製品デザインも女性の視点に立った発想で、「日常の中にある生活道具に見立てたデザインにした」という。具体的には、サウンドステーション部は食器、ネットワークスピーカー Lはフラワーベース、ネットワークスピーカー Sはコップをモチーフにデザインしたとのこと。この成果が実り、music tapは、2006年度のグッドデザイン金賞を受賞している。
【問い合わせ先】
パイオニア(株)
カスタマーサポートセンター
TEL/0070-800-8181-22
(Phile-web編集部)
製品は、5系統の入力端子を備え、音声データを送信する「サウンドステーション」と、ラージサイズの「ネットワークスピーカー L」、スモールサイズの「ネットワークスピーカー S」の3点がセットになっている。価格はオープンだが、68,000円前後での販売が予想される。
PLCとは、家庭内の電力線を使ってデータ通信を行う技術。製品の電源ケーブルをつなぐだけで通信が可能で、特に設定も不要など、使い勝手が高いのが特徴。松下電器が高速電力線通信「HD-PLC」(関連ニュース)を提唱し、各社から対応製品が発売しているが、music tapが採用しているPLCの規格は「DMCR-PLC」と呼ばれるもので、HD-PLCと比べ実効速度が低い。ちなみに、HD-PLCとmusic tapで使用しているPLC規格は互換性がないため、同時に使用すると通信の干渉が起こることがあるという。music tapを使うときはHD-PLC機器を取り外しておく必要がある。
music tapでは、音声データのやり取りに、このPLC技術を使用する。具体的には、サウンドステーション部を電源に接続し、外部機器から音声を入力。電力線を通して伝送されたデータを、別室などに置いたネットワークスピーカーが受信し、再生するという仕組みだ。
サウンドステーション部には、USB端子がAタイプ1系統、Bタイプ1系統、さらにRCAオーディオ入力2系統、ステレオミニ1系統の計5系統が入力端子として用意されている。USB端子では、音声ファイルを記録したUSBメモリーを挿入したり、PCと接続したりすることが可能。なお、USBメモリー内の音声ファイルは、MP3/WMA/MPEG-4 AACの再生に対応している。
なお、サウンドステーション部では、同時に2つの音楽を配信できる「デュアルモード」機能を搭載している。あらかじめ、「Aにはこの入力」「Bにはこの入力」と設定しておいて、ネットワークスピーカー部で、A/Bのいずれかの音声を選択できるというものだ。
また、サウンドステーション部には目覚ましタイマー機能も装備しており、お気に入りの楽曲で目覚めるということもできる。
ネットワークスピーカー Lにはリモコンが付属しており、スピーカーの電源ON/OFFやボリューム調節などの操作はもちろん、サウンドステーション部の電源を連動してON/OFFしたり、サウンドステーションの入力を切り替えたりすることもできる。さらに、USBメモリーなどをサウンドステーション部に挿入した場合は、リモコンから再生/停止や曲の頭出し操作などを行うことも可能。
ネットワークスピーカー Sは、再生する曲の選択などは行えず、サウンドステーションから配信された曲を再生する機能だけを持つ。モーションセンサーを内蔵し、人が近くに通ると自動的に電源がONになり、音楽の再生をはじめる機能も搭載している。このモーションセンサーは切/ショート/ロングの3モードが用意されており、ショートは人がいなくなってから1分後まで、ロングは30分後まで再生を続ける。同社では、トイレやキッチン、玄関などでの使用を想定している。
ネットワークスピーカー L/Sのユニットは上部に向けて取り付けられており、音の広がりよりもパーソナルユースを意識した仕様となっている。出力はLが25W+25Wステレオ、Sが5Wモノラルとなる。
増設用のスピーカーも、LとSの2種類が3月下旬に発売される。価格はどちらもオープンだが、ネットワークスピーカー Lと同仕様の「XW-PSS01-L」は27,000円前後、ネットワークスピーカー Sと同仕様の「XW-PSS02-S」は19,000円前後での販売が予想される。なお、パイオニアでは、同一ネットワーク内のスピーカーの数は4台までを推奨している。
なお、この“music tap”にも対応したiPodコントロールドック「IDK-01」も3月下旬に発売される。詳細は別項でご紹介するが、ドックをサウンドステーションに接続しておくと、IDK-01に付属するリモコンを使って、ネットワークスピーカー LからiPodを遠隔操作することが可能。
本日行われた発表会では、パイオニア(株)AV企画部 システム企画課の一楽淳史氏が、製品の企画概要やコンセプトなどについて説明を行った。一楽氏は、「PLCという技術そのものにスポットが当たりがちだが、新しい技術を使ってライフスタイルをどう演出できるかがポイントだ」と説明。製品の名称については、「tapは英語で蛇口という意味。製品から水のように音楽があふれ出す、ということをイメージして名前を付けた」という。
製品のターゲットについては、「自宅で音楽を『ながら聴き』する人たち」と説明。具体的にユーザー調査を行った結果、「主要都市に住む20代から30代DINKSの女性をコアターゲットに据えた」という。「これらの方々は、自分たちのライフスタイルイメージと経済力の両方を持つ存在。家事などをしながら音楽を聴いている方も多い」と説明した。実際のグループインタビューでも、電源ケーブルを挿すだけで音楽が楽しめるシンプルさや、PC内のHDDなど、既に自宅にある音源を活用できるといった合理性、また住空間とオーディオが調和するナチュラルさなどに、高い評価が得られたという。
このコアターゲットに合わせ、製品デザインも女性の視点に立った発想で、「日常の中にある生活道具に見立てたデザインにした」という。具体的には、サウンドステーション部は食器、ネットワークスピーカー Lはフラワーベース、ネットワークスピーカー Sはコップをモチーフにデザインしたとのこと。この成果が実り、music tapは、2006年度のグッドデザイン金賞を受賞している。
【問い合わせ先】
パイオニア(株)
カスタマーサポートセンター
TEL/0070-800-8181-22
(Phile-web編集部)
関連リンク
- ブランドPIONEER
- 型番XW-PSS01
- 発売日2007年3月下旬
- 価格¥OPEN(予想実売価格68,000円前後)
【SPEC】
<サウンドステーション部>●入力端子:USB(Ver1.1) Aタイプ1、USB(Ver1.1) Bタイプ1、RCA入力2、ステレオミニ1 ●出力端子:RCA1 ●外形寸法:250W×47H×183Dmm ●質量:1.2kg
<ネットワークスピーカーL>●形式:密閉式ブックシェルフ型防磁設計 ●実用最大出力:25W+25W ●外形寸法:452W×162H×112Dmm ●質量:2.8kg
<ネットワークスピーカーS>●形式:密閉式ブックシェルフ型防磁設計 ●実用最大出力:5W ●外形寸法:109W×176H×109Dmm ●質量:1.2kg
<サウンドステーション部>●入力端子:USB(Ver1.1) Aタイプ1、USB(Ver1.1) Bタイプ1、RCA入力2、ステレオミニ1 ●出力端子:RCA1 ●外形寸法:250W×47H×183Dmm ●質量:1.2kg
<ネットワークスピーカーL>●形式:密閉式ブックシェルフ型防磁設計 ●実用最大出力:25W+25W ●外形寸法:452W×162H×112Dmm ●質量:2.8kg
<ネットワークスピーカーS>●形式:密閉式ブックシェルフ型防磁設計 ●実用最大出力:5W ●外形寸法:109W×176H×109Dmm ●質量:1.2kg