建築士のための「ホームシアターの設計・施工 連続講座」イベントレポート
(社)東京建築士会と、弊社「ホームシアターファイル」編集部が協同で開催したイベント「ホームシアターセミナー〜ホームシアターの設計・施工 連続講座」の第2回講座が、5月19日に東京・目黒のパイオニア会議室で開催された。
同講座では、「ホームシアターファイル」誌が蓄積したホームシアターの実例をもとに、設計手順、音響設計や防音設計、設備・施工の注意点や関連知識など、建築士が求める具体的なノウハウを具体的に学ぶことができる。
3月に行われた第1回講座では「ホームシアターの概論」がテーマとして取り上げられたが、第2回となる今回は、より実践的なテクニック、設計手法などがテーマとなった。
セミナーの冒頭、今回のイベントに協力したパイオニアの石見周三氏が挨拶。石見氏は「パイオニアは『より多くの人と感動を』を社是にしている。1937年の創業以来、“オーディオ御三家”といわれた時代や、LDなど映像分野に参入した時代、そしてプラズマやAV機器を多数展開している現代も、この社是を守り続けている」と述べ、同社のオーディオ&ビジュアルに対する姿勢をアピール。
さらに石見氏は、「他社さんがまだ始めてないころから、我々は住宅メーカーや建築士さんとの連携を行ってきた。また、社内に建築士やコーディネーターの資格を持つ者も多く在籍している。こんなAVメーカーはほかにないのではないか」と、同社のホームシアター分野での先進的な取り組みを強調した。
セミナーの司会を務めたのは、「ホームシアターファイル」誌編集長の川嶋隆寛。川嶋は、「現代では、映像と音響のない暮らしは考えられない。住宅設備としてホームシアターの必要性が高まっている」と指摘。さらに川嶋は2011年のアナログ停波にも言及し、「地上デジタルでは5.1ch音声の番組が増えつつある。これを楽しむためにはリアスピーカーが必要だが、ケーブルの引き回し、設置場所の関係でリアスピーカーは生活動線を妨げがち。リアスピーカーを壁に埋め込むなど、住宅設備化する必要性が高まっている」とも述べた。
川嶋は、ライフスタイル面、実用面からの要請により、「ホームシアターは現代のマストアイテムと言える。このマストアイテムを住宅に取り込んでいくには、建築士の方々のスキルアップが必要になる」とも語り、今回のセミナーの意義を強調した。
実際の講座は、パイオニアマーケティングに在籍して多くのホームシアターインストールを手がけ、自身も2級建築士の資格を持つ海野四郎氏が講師となり、テック・エキスパーツの川村哲夫氏がスーパーバイザーとして一部補足を行った。
今回の講座の内容は「ホームシアターの設計手法」。映画のスクリーンサイズの違いや、音響方式の進化といったAVの進化の歴史を概説したあと、「スピーカー設置の基本と音場補正」「遮音・調音・整音」といった具体的な内容を、図面を用いながら詳しく解説。後半は映像編で、画面サイズと視聴位置の関係や、スクリーン/プロジェクター設置の様々なテクニックなど、実践的な方法が紹介された。
講座が終了した後は、パイオニアの視聴室でホームシアターの体験会が開かれ、さらに参加者から講師への質疑応答なども行われた。この質疑応答では、2時間ほどに渡って引きも切らずに質問が飛び出すなど、参加者のホームシアター設計に対する関心の強さをうかがわせた。
なお、次回の第3回講座では、「実例から見るディテール」がテーマとなる。詳細は追ってご紹介する。
(Phile-web編集部)
同講座では、「ホームシアターファイル」誌が蓄積したホームシアターの実例をもとに、設計手順、音響設計や防音設計、設備・施工の注意点や関連知識など、建築士が求める具体的なノウハウを具体的に学ぶことができる。
3月に行われた第1回講座では「ホームシアターの概論」がテーマとして取り上げられたが、第2回となる今回は、より実践的なテクニック、設計手法などがテーマとなった。
セミナーの冒頭、今回のイベントに協力したパイオニアの石見周三氏が挨拶。石見氏は「パイオニアは『より多くの人と感動を』を社是にしている。1937年の創業以来、“オーディオ御三家”といわれた時代や、LDなど映像分野に参入した時代、そしてプラズマやAV機器を多数展開している現代も、この社是を守り続けている」と述べ、同社のオーディオ&ビジュアルに対する姿勢をアピール。
さらに石見氏は、「他社さんがまだ始めてないころから、我々は住宅メーカーや建築士さんとの連携を行ってきた。また、社内に建築士やコーディネーターの資格を持つ者も多く在籍している。こんなAVメーカーはほかにないのではないか」と、同社のホームシアター分野での先進的な取り組みを強調した。
セミナーの司会を務めたのは、「ホームシアターファイル」誌編集長の川嶋隆寛。川嶋は、「現代では、映像と音響のない暮らしは考えられない。住宅設備としてホームシアターの必要性が高まっている」と指摘。さらに川嶋は2011年のアナログ停波にも言及し、「地上デジタルでは5.1ch音声の番組が増えつつある。これを楽しむためにはリアスピーカーが必要だが、ケーブルの引き回し、設置場所の関係でリアスピーカーは生活動線を妨げがち。リアスピーカーを壁に埋め込むなど、住宅設備化する必要性が高まっている」とも述べた。
川嶋は、ライフスタイル面、実用面からの要請により、「ホームシアターは現代のマストアイテムと言える。このマストアイテムを住宅に取り込んでいくには、建築士の方々のスキルアップが必要になる」とも語り、今回のセミナーの意義を強調した。
実際の講座は、パイオニアマーケティングに在籍して多くのホームシアターインストールを手がけ、自身も2級建築士の資格を持つ海野四郎氏が講師となり、テック・エキスパーツの川村哲夫氏がスーパーバイザーとして一部補足を行った。
今回の講座の内容は「ホームシアターの設計手法」。映画のスクリーンサイズの違いや、音響方式の進化といったAVの進化の歴史を概説したあと、「スピーカー設置の基本と音場補正」「遮音・調音・整音」といった具体的な内容を、図面を用いながら詳しく解説。後半は映像編で、画面サイズと視聴位置の関係や、スクリーン/プロジェクター設置の様々なテクニックなど、実践的な方法が紹介された。
講座が終了した後は、パイオニアの視聴室でホームシアターの体験会が開かれ、さらに参加者から講師への質疑応答なども行われた。この質疑応答では、2時間ほどに渡って引きも切らずに質問が飛び出すなど、参加者のホームシアター設計に対する関心の強さをうかがわせた。
なお、次回の第3回講座では、「実例から見るディテール」がテーマとなる。詳細は追ってご紹介する。
(Phile-web編集部)